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十二支の由来~木星が関係している?ブタ年って?

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「あなたの干支は何ですか?」と聞かれた時「私は午年生まれ」や「あなたは子年?」「一回り違うんだね」などといった会話をよくすると思います。実は「干支」と「十二支」は違います

十二支というと12種類の動物(子[ね]、丑[うし]、寅[とら]、卯[う]、辰[たつ]、巳[み]、午[うま]、未[ひつじ]、申[さる]、酉[とり)]、戌[いぬ]、亥[い])を表わします。しかし、干支はなんと60もあります

今回は十二支や干支についての豆知識をご紹介します。十二支の歴史60ある干支とは?現在も残る十二支が表す時間や方角に関する言葉などをご紹介します。これを読んで十二支の知識をアピールしましょう。

十二支とは(由来・歴史)~木星が関係?

(「ひな祭り」や「節分」などの雑学でもお伝えしましたが)「日本に古くから伝わる文化」は中国から伝わってきたことが多いのですよね。この「十二支」も中国が起源の文化です。それも十二支の起源には太陽系の惑星の木星が関係しています

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木星が関係するなんて驚きではないでしょうか?

昔の中国では木星が最も尊い星とされていました。その尊い惑星・木星は約12年かけて天球を1周することがわかっていました。このことから天球を12に分け、十二支の名前を付けたのが始まりと言われています。

十二支の逸話

皆さんも小さいころ聞いてご存じかと思いますが十二支の動物が決まったとされる逸話をご紹介します。

//昔、神様は「1月1日にレースを行い私のところをゴールとする。そしてたどり着いた順で12位までの動物に、1年交代で大将とする」と言いました。そして1月1日、牛は一番になろうとまだ暗いうちから出発。神様のところへ一番に牛がやってくるのが見えますが、ゴールの直前で大どんでん返し。牛の背中に乗っていたネズミが牛の前に飛び降りて1着でゴール。//

といったお話ですよね。この競走の途中で猿と犬は大喧嘩をしたとか。このことから「犬猿の仲」という言葉ができたと言われています。また、十二支の中に猫がいないのはネズミが「レース開催日を1月2日」と言って騙したからと言われています。

また、日本各地には

  • 遅れてきた猫に神様が「顔を洗ってこい!」と言ったため「猫が顔を洗うようになった」
  • 「猫がお釈迦様の薬を取りに行ったネズミを食べてしまった」から十二支に入れなかった

という話もあります。

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これは日本のお話です。海外では違っているようです。

干支とは・十二支と十干の組み合わせ

冒頭でも触れましたが干支というと「丑年生まれ」や「来年はうさぎ年だ」などと言いますよね。でも実は干支は「十干(じっかん)」と「十二支」の組み合わせなのです。

「干支(えと)」の「え」の字は十干の「干」、「と」の字は十二支の「支」の字なのです。十二支は皆さんご存知「子・丑・寅・卯・辰・巳・・・」といった12の動物を表します。では「十干」とはどういったものでしょう?次にご紹介します。

十干とは・陰陽五行説からきた言葉

十干も中国から入ってきました。「甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・・・・」から始まる10種類です。

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「甲乙つけがたい」という言葉の「甲乙」です。

この十干は「陰陽五行説」からきた言葉で、陰陽五行説は「陰陽説」と「五行説」が合わさった考え方です。

  • 陰陽説とは・・・世の中のものはすべて陰と陽があるという考え方
  • 五行説とは・・・この世のすべてのものは「木・火・土・金・水」の5つの要素からできているという考え方

この陰陽説と五行説の掛け合わせ(例えば「木」の「陰」と「陽」や「火」の「陰」と「陽」)が陰陽五行説です。

また、「干支(えと)」という読み方は「陰陽」の「陽を兄(え)」「陰を弟(と)」と考え、「兄弟→えと→干支」と読むようになりました。

干支は60種類

干支は十干と十二支のかけ合わせとお話ししました。だから10(年)と12(年)の最小公倍数・60種類あります。つまり60年に1度同じ干支がやってくるのです。

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60歳が「還暦」と言いますが、60歳で同じ干支の戻ってくるという意味なのです。

ちょっとブレイク~甲子園

兵庫県西宮市にある甲子園球場。この名前を見て「『甲』『子』園?もしや」と思った方、That’s right!なんとこの名も干支から付けられました。甲子園球場が完成したのは1942年。干支で言う甲子の年で、ここから名前がつけられました。

十二支があらわすこと

十二支は12年周期の年を表すのは皆さんもご存じだと思います。しかし、十二支には時間や方角、月も表すことをご存じでしょうか?ここでは今も残る十二支を使った時間や方角の呼び名をご紹介します。

時間を表す

午前、午後の午の字・「午の刻」

皆さん、午前は「0時から12時」、午後は「12時から24時」だと当たり前のように覚えているのではないでしょうか。実はこの午前や午後という言葉にも意味があります。この午前・午後の「午」の字、昔の時刻の表し方十二支の「午(うま)の刻」からきた言葉です。

十二支は12種類の動物からできています。1日24時間を十二支で分けると1支当たり2時間ずつになります。「子」は午前0時だとすると7番目の「午」が正午に当たります。

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この十二支を当てた時刻を十二時辰(じゅうにじしん)と言います。

正確には前日午後11時から翌午前1時で「子の刻」、午前0時を「子の正刻」と言います。よって「午(うま)の刻」は午前11時から午後1時。午の刻の真ん中、午後0時が「午の正刻」→「正午」です。それより前だから「午前」、後側を「午後」と言います。

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この1日を2時間ごと12に分ける時刻の表し方(十二時辰)は1872年(明治5年)改暦まで使われていました。

おやつは未(ひつじ)の刻

皆さん「3時のおやつ」と言いますがおやつも十二時辰「未(ひつじ)の刻」のことを言います。未の刻は昔「昼八つ」や「八時(やつどき)」と言われ、鐘が8回鳴らされていました。この「やつどき」に食べる間食ということで「御八(おやつ)」となりました。

方位を表す

昔、方角も十二支で表していました。360度を十二支で割った30度で1支です。子が北で、兎が東、午が南、酉が西。それぞれの間に2支ずつ入ります。

子午線

この十二支の方角表記を用いたのが「子午線」という言葉です。この言葉社会科の授業で耳にしたことがあると思います。そうです。「子(北)と午(南)を結ぶ線」という意味です。

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また、子午線と同じように東西を結ぶ線を卯酉(ぼうゆう)線と呼びます。

また、月も十二支で表されていました。1月は寅、2月は卯、3月は辰、4月は巳、5月は午、6月は未、7月は申、8月は酉、9月は戌、10月は亥、11月は子、12月は午です。(月も年と同様に)十干が組み合わさった「月の干支」となっていました。

最後に・・・がんばれ、ブタ!

今回のコラムはいかがでしたでしょうか?十二支についてのより理解が深まったことかと思います。最後に、海外の十二支について少しご紹介したいと思います。

東アジアの国々では昔から中国の影響を受け、日本と同様に十二支がありました。しかし日本とは少し出てくる動物が違います。例えば

・チベットやタイ、ベトナムなどでは兎の代わりに(日本では外された)
・ベトナムではただの牛ではなく水牛
・中国、チベット、タイ、ベトナム、ベラルーシでは猪の代わりに豚
・モンゴルの一部では虎の代わりに豹
・ベトナムでは羊ではなく山羊

など、各地由来の動物が使われています。

実は、中国語でブタのことを「猪」と書きます。豚は猪が家畜化さ

れた動物なのです。でも日本で「あなたはブタ年生まれ?」なんて言ったら侮辱されているみたいに感じますよね。日本における「ブタ」という言葉に対するイメージも考え直さねばいけませんね。

私はブタのイメージアップを応援します(笑)。

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