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「とんかつにキャベツ」はなぜ?その他、食べ物と定番の組み合わせを紹介

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みなさん、とんかつはお好きですか?「とんかつ」についてくる野菜といえば何を思い浮かべますか?そうです、キャベツの千切りですよね。なぜ「とんかつにはキャベツの千切り」となったのでしょう?今回はこういった「食べ物」と「定番の添え物」その由来をご紹介します。

とんかつの付け合わせには、もともと生野菜は使われていませんでした。しかし日露戦争が原因でキャベツの千切りを出すようになったのです。またカレーに添えられる福神漬けやラッキョウはそれぞれ別の物の代わりとして添えられ始めています。さらに、ラーメンに入っているナルト巻きは中国から伝わったものではありません。

今回はこれらが添えられはじめた由来を紹介します。読めば誰かに話したくなること間違いなし!です。

とんかつにキャベツの千切り?日露戦争が要因!

「とんかつ屋」では「キャベツとご飯お替り自由(無料)」といったところが多くあります。とんかつ屋のキャベツというと「千切り」が当たり前(常識)ですが、実はこのキャベツ、当初は千切りではありませんでした

話はとんかつの元となったカツレツの時代に遡ります。この頃、カツレツに添えられていたのは温野菜でした。洋食屋さんのハンバーグに付いてくるベークドポテトやフライドポテト、ニンジンのグラッセといった野菜だったのです。もちろんキャベツも例外ではありません。ブイヨンスープで煮込んだものが添えられていました。

ところが1904(明治34)年に日露戦争が始まります。すると、若い調理人が戦争に駆り出されてしまいました。人出不足となり困った銀座の洋食屋「煉瓦亭(れんがてい)」。ここの創業者が思いついたのが生キャベツです。

その当時は、まだ生で野菜を食べる習慣自体なかったです。彼は「キャベツの一夜漬け」をヒントに、生キャベツをぶつ切りにしてお客に提供しました。しかし「生キャベツのぶつ切りはおいしくない!」とクレームを受けてしまいます。

そこで創業者、「ぶつ切りがダメなら千切りは」と考え提供すると、今度はお客から好評価が得られます。「ソースとよく馴染み、またとんかつともマッチする」と言われたのです。これが現在の「とんかつに千切りキャベツ」の組み合わせのはじまりです。

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もし日露戦争がなかったら「とんかつに千切りキャベツ」というスタイルは生まれなかったかもしれません。

ちなみにキャベツには胃腸の働きをよくする「キャベジン」という成分。また食物繊維やビタミンCも含まれています。味や食感のみならず、含まれる成分からもとんかつとの相性がいいのです。

あなたはカレーに福神漬け?それともラッキョウ?

あなたはカレーに福神漬けを添えますか?それともラッキョウですか?どちらにも経緯があります。外国ではそれぞれ別の物が使われており、その代わりに福神漬けやラッキョウが使われるようになりました。

カレーに福神漬け?チャツネの代わり

福神漬けが初めてカレーに添えられたのは大正時代、欧州への客船でのことです。

インドではカレーにチャツネという(様々なフルーツや野菜、香辛料を煮詰めて作る)ペースト状ものを添え、辛さを調節しています。

その日も一等船客のカレーにはチャツネが添えられる予定でした。しかし実際には福神漬けが添えられました。その理由には2つの説があります。

1つはそれまでの航海中にチャツネを使い切り、在庫がなくなってしまっていたから。もう1つはチャツネが日本人の口に合わず、不評だったからです。

どちらにせよその時、出された福神漬けが好評だったため現在「カレーに福神漬け」という文化が残っているのです。

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ちなみに(一等船客には福神漬けでしたが)二等、三等船客のカレーにはたくあんが添えられていたといわれています。もし一等船客のカレーにも添えられえいたら「カレーにたくあん」が常識となっていたのかもしれませんね。

カレーにラッキョウ?ピクルスの代わり

また福神漬けではなく、カレーにラッキョウを添えることもあります。これには諸説ありますが、その中でも戦前、列車の食堂で出された某有名ホテルのカレーの話が最も有力です。なんとピクルスの代わりに添えたのが始まりともいわれています。

外国ではカレーにピクルスを添えます。インドでもアチャールというピクルスを添えるのです。しかし戦前の日本、ピクルスのなじみが薄かったこともあり、同じ酢漬けのラッキョウを添えたと言われています。

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ピクルスというとハンバーガーですよね。苦手な方も多いと思いますが、アメリカ人は大好きなのです。
ハンバーガーに数切れ入っているだけで「嫌い!」なんて言っていられませんよ。ハンバーガーのお皿に、(野菜スティックのように)縦に切ったピクルスが数本添えられていることも珍しくありません。
実はこの組み合わせ、私自身がなんと日本のディズニーシーで体験しました。その時一緒に行った友達はピクルスが苦手で、その友達の分まで私はいただいたのでした。

ラーメンにナルト巻き?

昔ながらのラーメンにはナルト巻きが入っています。このナルト巻きは中国から入ってきたものではありません。またラーメンの丼にある渦巻状の柄に見立てて日本人が考えたのではありません。実はナルト巻き、日本にラーメンが入ってくるより前、江戸時代末期にはありました。

ナルト巻きは1846年の書物「蒟蒻百珍」にも出てきます。また江戸時代末期から伝わる「おかめ蕎麦」にも欠かせません。

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おかめ蕎麦とは掛け蕎麦の上に具材で(現在のキャラ弁のように)「おかめ(おたふく)の顔」を作った蕎麦のことです。

明治時代、日本に入ってきたラーメンは「中国の蕎麦」ということで「支那(china)蕎麦」と呼ばれます。そして日本蕎麦の具として一般的だったナルトを、(同じ蕎麦ということで)中国から入ってきた支那蕎麦にも入れたのではないかと言われています。

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ナルトが入ったラーメンというと私は漫画家、藤子・F・不二雄のパーマンやオバケのQ太郎。そこに登場する小池さんのラーメンを思い出します。
藤子不二雄の出身地(富山県)には「赤巻き」という赤い渦巻のついたかまぼこがあります。一説にはこの赤巻きが売れることを願い、小池さんのラーメンに(赤巻きならぬ)ナルトを描いたといわれています。
ちなみにラーメン自体のモデルは、藤子不二雄が若かりし頃住んでいたトキワ荘。そこから歩いて30秒のところにある大衆食堂「松葉」の物です。

最後に

いかがでしたか?とんかつのに添えられる千切りキャベツの裏には、とんかつからは全く想像がつかない日露戦争が関係していたこと、わかっていただけたでしょうか?

また、カレーの福神漬けやラッキョウ、ラーメンのナルト巻きにもそれぞれ外国ではなく日本の食文化から生まれた組み合わせでした。

今回紹介したもの以外にも食べ物にはそれぞれいろんな歴史があります。ぜひ不思議に感じたら調べてみてください。

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