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塩の種類・・海塩、岩塩、湖塩の地域やそれぞれの特徴をご紹介

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人間をはじめとする動物が生きていくのに欠かせない物の1つに塩があります。近年「熱中症対策で塩分を摂るように」といい、タブレット型の岩塩などが販売されているのをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、動物園の動物たちが塩をなめている映像を見たことがありませんか?

人間にとって大切な塩。塩「Salt」(を表すラテン語「Sal」)から給料を表す英単語「Salary」ができたと聞いたことがあると思います。これは古代ローマの兵士に給料として塩が与えられていたからと言われています。

また、上杉謙信が「敵(武田信玄)に塩を送った」という話は有名ですよね?さらに古代オリエント文明が繫栄したしたのは死海など塩水の湖(塩湖)があった地域でもありました。

そんな人間に必要不可欠な塩の種類についての話です。日本列島は周りを塩水の「海」で囲まれており、海水から塩が作られています。しかし世界には(海からではなく)鉱物の1つとして掘り出される「岩塩」や塩湖から作られる「湖塩」がたくさんあります。

今回はこれら塩の種類を厳選してご紹介します。

精製塩

精製塩は一般的に「食塩」と言われる塩です。これはイオン交換透析膜を使って、海水に溶けている塩化ナトリウム以外の不純物を取り除いて作られる塩です。純塩化ナトリウム濃度は99%以上、そのほかに炭酸マグネシウムを0.4%ほど含まれています。

天然塩・自然塩

海塩(かいえん)

海の塩と書く「海塩」は文字通り海水から塩を作ります。精製塩は塩化ナトリウム99%以上なのに対し、昔ながらの方法で作られる海塩は80%ほどです。残りの20%はマグネシウム、カリウム、カルシウムとったミネラル分が含まれています。海水を天日干しにする天日塩や窯で詰める煎熬(せんごう)塩があります。

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日本では雨が多いため天日塩は作れません。もっぱら煎熬塩が作られてきました。海水を煮詰めると塩の結晶と(豆腐を固めるのに使う)にがりができます。

岩塩

岩塩にも塩化ナトリウムのみではなく、鉄分、マグネシウム、銅などのミネラルも含まれます。また精製塩と比べると角がなくまろやかな味わいを持っています。魚や肉、天ぷらやトンカツなど様々な食べ物に合うのでぜひ使ってみてください。

ピンクロックソルト

パキスタンで採掘される岩塩です。その名の通りピンク色をしています。これは岩塩に含まれる鉄分の色です。ヒマラヤ岩塩ともいわれ、ヒマラヤのふもとにあるケウラ・ソルト・マインという岩塩鉱山で採掘されます。クセが少なく、ほのかな甘みも感じられるまろやかな塩味が特徴です。

ヒマラヤルビーソルト

こちらも同じヒマラヤなのですが、今度はネパールにある岩塩鉱山で採掘されます。このルビーソルトは海抜4000メートルの場所の地中を100メートルほど堀った地点で採掘されます。

硫黄のほか銅、鉄分、亜鉛など13種類のミネラルを含んでおり、焼肉やステーキなどに「振り塩」として使うと肉のうまみを引き出し、より柔らかくジューシーになります。硫黄特有の香りはしますが、加熱することで消えます。また、このルビーソルトはバスソルトとしても有名です。

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同じルビーソルトでも黒っぽい物もあり、ブラックソルトとも呼ばれます。

アンデスロックソルト

次に紹介するアンデスロックソルトはアンデス山脈にあるボリビア・ウユニ塩湖近くの鉱山で採掘されます。こちらにも(ピンクロックソルトほどではないのですが)鉄分が含まれているのでほのかにピンク色をしています。焼き魚、ソテー、ステーキなどでは旨味を、また野菜の場合には甘みを引き出してくれます。

ブルーロックソルト

「ピンク系の岩塩があるのだから青系の岩塩があってもおかしくない」と思いがちですが、実はこのブルーロックソルトは採掘量が少ない希少な岩塩です。イランの南部、ペルシャ地方で採掘されます。この岩塩の青色は希少なサファイアブルーのチップによるものです。

ミネラルを多く含んでいるので岩塩特有の甘みの中にこのブルーソルトには独特な辛味があります。うまみを引き出すため塩豚やローストビーフなどの下味に利用、また、根菜類の料理にもよく合います。

モンゴルロックソルト

ここまでは色が付いた岩塩でしたが、このモンゴルロックソルトは白色です(中には淡いピンク色をするもの、灰色がかるものもあります)。このお塩の特徴は苦みの原因ともなるマグネシウムが含まれていないことです。だからお刺身や白身魚などのあっさりした料理にもよく合う岩塩です。

湖塩

日本にはありませんが、世界には塩分濃度の高い湖があります。こういった湖の水を窯で焚(た)いたり天日干ししたり、また湖の周りに自然にできている塩を一度溶かし、窯で再び塩の結晶にする方法で作られる塩です。

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塩湖というと私は2002年の冬のオリンピック開催地でもあったその名も「ソルトレイクシティ(アメリカ)」を思い出します。今回は紹介しませんが、ここでもでも湖塩が作られています。

モンゴルの湖塩

中国の内モンゴル自治区にある吉蘭泰(ジランタイ)塩湖。この塩湖の底にはすでに塩ができています。塩湖の底で結晶化し岩塩のようになった「天外天塩」と、結晶になってないもの(天日干しして販売される)ものの2種類があります。

デボラ湖塩

オーストラリアにはいくつも塩湖があります。その中でも食用の塩を採る塩湖として最も有名なのが(オーストラリア西部にある)デボラ塩湖です。場所は海岸線から450キロメートルも離れていますが、強い西風により荒れ狂う海から飛んでくる飛沫により塩湖になったと考えられています。このデボラ塩湖では乾季の1か月間、自然と干上がり乾燥された塩を収穫します。カルシウムやマグネシウム、カリウムなどミネラルが豊富に含まれています。

ウユニの塩

「ウユニ塩湖」という言葉をみなさんも1度は耳にしたことがあると思います。ボリビアの標高3760メートルにある塩湖。一般的には塩湖と言いますが学術的には「塩原」と言います。というのも(雨季に雨水がたまると湖になりますが)水が引いていることが多いからです。雨季の水深も平均して6センチといった具合です。

また、ウユニ塩湖は絶景としても有名で、「天空の鏡」ともいわれます。

最後に ~ 塩って湿気(しけ)りませんか?

いかがでしたでしょうか?近年の塩ブームでいろんなところの塩を簡単に手に入れることができるようになってきています。ぜひ一度購入してみてください。

最後にお塩に関する小技をご紹介します。
みなさんのご自宅の食卓にソースや胡椒などとともに食塩の小瓶もあると思います。でもこの小瓶の食塩、梅雨時や夏などの湿気で固まり、穴から出てこなくなることがよくありますよね。これってちょっとしたことで解決できます。なんと炒ったお米を混ぜるのです。

はじめに湿気った塩をフライパンに乗せ、弱火でサラサラになるまで炒ります。炒った塩を別の容器に移し、今度は一つまみ程の生米を白くなくなるまで(少し色が変わるまで)弱火で炒ります。最後にこの2つを混ぜ、瓶に戻せば完了です。炒り米が湿気を吸収してくれるので詰まることなく塩が出ます。また、お米なので食べてしまっても問題ありません

どんな料理にも塩は必要です。しかし、塩分の摂り過ぎには気を付けてくださいね

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