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鮭の豆知識:たくさん獲れる旬は秋だけどおいしいのは・・・

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みなさん鮭は好きですか?塩鮭のおにぎりやお茶漬け、石狩鍋やちゃんちゃん焼きなど、昔から庶民の味と言っても過言ではない鮭。今回はそんな鮭についての豆知識をご紹介します。鮭と言ってもベニザケやギンザケなどいろいろありますが、その中でも今回は一番オーソドックスなシロザケについての豆知識です。

鮭の呼び名、鮭が白身魚の理由、旬の話、川を遡上する理由、鮭とサーモンやイクラとスジコの違いといった、鮭にまつわる豆知識をご紹介します。これを読めば「鮭のマメ博士になれること間違いなし!」です。

鮭のいろんな呼び方

一言で鮭と言っても取れる時期などよっていろんな呼び名があります。はじめに名前とその特徴についてご紹介します。

シロサケ

一般的に日本で鮭(サケ・シャケ)というと白鮭(シロザケ)という名前で流通されています。この白鮭、和名は「サケ」ですが、その他「ギンザケ」や「ベニザケ」など「〇〇サケ」と区別するため「シロザケ」と呼ばれているのです。

アキサケ、アキアジ

北海道では秋、産卵のために戻ってきたこの白鮭を「アキサケ」や「アキアジ」とよびます。一番たくさん獲られます。

メジカ

また、産卵25~60日くらい前のものを「メジカ」といいます。これはアキサケよりも目と鼻の間隔が短くなっているので「メジカ(目近)」と呼ばれます。メジカはアキサケよりも脂がのっていておいしく、また漁獲量も少ないので値段も高めです。

鮭児(ケイジ)

さらにアキアジに混ざって1尾が安いもので7万円、高いものでは30万円を超える「鮭児」と呼ばれる幻の鮭も獲れます。この鮭児もアキサケより脂がのっています。また脂肪比率で言うと(シロザケが2~15%なのに対して)20%以上もあるのです。

この鮭児は「児」という漢字が使われているだけあり、小さいのが特徴です。というのもロシアのアムール川で生まれた鮭が日本の鮭たちに紛れ南下して、未成熟の状態で獲られるからです。

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「幻の鮭」だけあって小さいのに価格がめちゃくちゃ高いです。

時知らず・時鮭

日本では鮭は秋の魚ですが、秋を待たずに戻ってきてしまう鮭もいます。そんな時季外れとも言ってもいい鮭を「時知らず」や「時鮭」と言います。春から夏に獲れ、見た目は鮭児によく似ています。産卵のために戻ってくる秋の鮭よりカロリーが低く、栄養分もたくさん含んでいるのです。

鮭の身はオレンジ色、でも白身魚

魚を分類する方法の1つに赤身魚と白身魚といった分け方がありますよね?鮭の身はオレンジ色をしていますが、赤身魚でしょうか?それとも白身魚でしょうか?

鮭はというと、オレンジ色なので「オレンジ魚」と言いたいところですが、実は白身魚です。鮭のオレンジ色は餌となるオキアミなど甲殻類プランクトンによるのです。これらにはアスタキサンチン渡いう赤色色素が含まれています。このプランクトンを食べるので鮭の身はオレンジ色になるのです。

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フラミンゴも小さなエビやカニなど甲殻類を食べるからピンク色をしています。これと同じような理由ですね。

ちなみに赤身魚といえばマグロやカツオ。赤身魚の血液にはヘモグロビンやミオグロビンといったタンパク質をたくさん含んでいます。マグロやカツオは速いスピードで長い距離を泳ぎます。これらのタンパク質により必要な酸素を筋肉に送ることができるのです。

一方、白身魚といえばタイやヒラメ、カレイ。これらの魚の血液に赤色のたんぱく質が含まれています。でもマグロやカツオにように長距離を早いスピードで泳ぎません。だから赤色色素のタンパク質が少ないのです。

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赤身の魚と比べて白身魚は省エネタイプと言っていいのでしょう。

水産学的に赤(白)身はヘモグロビンとミオグロビンの量で決まります。魚の身100グラム中に赤色タンパク質が10ミリグラム以上含まれていれば赤身魚、10ミリグラム未満が白身魚です。

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魚の色というと「青魚」という言葉もありますよね。これには分類学上の定義はありません。背中の皮が青く見える魚を(俗に)青魚と言います。

鮭の旬は~秋だけど・・・

一般的に「旬」といえば「たくさん獲れて最もおいしい季節」といったイメージだと思います。「サケの名前」のところでもお話ししましたが、鮭は秋に川に戻ってきますので秋にたくさん獲れます。でも季節外れの「時知らず」の方がおいしいといいます。

だから「たくさん獲れ、庶民の手に入りやすい(鮭の季節)」という意味では秋が旬です。でも秋がおいしい季節とは限りません。

鮭はなぜ海で産卵しない?・淡水魚だから

川で生まれる鮭が海に行き、数年後再び生まれた川に帰ってくることは皆さんご存知かと思います。ではどうして海ではなくわざわざ川に戻って産卵するのでしょう?実は鮭は淡水魚だからです。

多くの時間を海で暮らし、海で大きく成長する鮭ですが、生まれたばかりの鮭には海水に対する耐性がありません。だから海ではなく、淡水の川まで戻って産卵するのです。

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稚魚は数か月間川で過ごします。そして海へと下る直前に銀白色になり、海水に適応した体になります。

鮭とサーモンの違いは?-生食できるかできないかの違い

皆さん、鮭とサーモンの違いを考えたことがありますか?「英語と日本語の違い」だけではありません。実はサーモンは生食でき、鮭は生食できないものを表します。「どういうこと?」と思った方、そうですよね。同じものでも生食できるのと出来ないものがあるのです。

皆さんアニサキスという寄生虫をご存じでしょうか?サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなど広く魚に寄生します。寄生した生の魚介類を食べると激痛や腸閉塞を起こすことがあります。鮭には基本的にこの寄生虫がいるのです。

鮭はオキアミを食べます。オキアミや甲殻類などは海を浮遊しているアニサキスの卵を食べるのです。だから、オキアミを餌として食べる魚介類にはアニサキスがいます。

それでは「サーモン」とはどういったものかと思いますか?実は日本では一般的に養殖された鮭がサーモンなのです。養殖のサーモンにはオキアミなどのアニサキスなどの寄生虫を持ったエサは与えられません。主にペレット状にした魚粉が与えられています。だから寄生虫による食中毒の心配がなく、生食できるのです。

イクラとスジコの違い

「イクラはお寿司などで見たことがあるがスジコって?」という方も中に入るかもしれません。スジコとは「鮭の卵が卵巣膜に包まった状態のもの」です。つまりイクラの集団です。だからスジコをほぐし、1粒ずつに崩せばイクラになるのです。

厳密にはスジコの方が柔らかい傾向にあります。イクラは成熟しているのでしっかりしています。これに対してスジコはまだ未成熟なのでまだ柔らかいのです。プチプチ感が好きな人はイクラをおすすめします。

価格はイクラに比べてスジコの方が安い傾向にあるのも特徴です。イクラにはスジコをほぐす手間が必要だからです。「スジコの方が安いなら自分でほぐして、たらふくイクラを食べたい!」という方に、スジコのほぐし方をご紹介します。

なんと道具にバドミントンのラケットを使うです。100均などで買ってきたラケットにつぶつぶ面を押し当てて(裏ごしするように)軽くこするのです。こうすると意外と簡単にほぐしていくことができます。

最後に

今回は鮭についていろんな豆知識をご紹介しました。鮭の旬は秋なのに、旬よりおいしい季節外れでの「時知らず」や、32万円を超える幻の鮭「鮭児」など、驚きになったことも多かったと思います。

鮭というと塩鮭、美味しいですよね。「鮭というと塩鮭」という方も多いと思いますが、これには「長持ちさせる」以外にも理由があります。実はアキザケには水分を多く含んでいるからなのです。

産卵前の鮭はたくさんの卵でお腹が圧迫されます。圧迫された鮭の胃も小さくなるのでほとんど絶食状態です。だからエネルギー源を生み出すために自分の体を分解して、栄養に変えるのです。この時の副産物として水分が出てきてしまいます。塩鮭にすることで浸透圧で水分を抜かれ、うま味が凝縮させるのです。

鮭について詳しくなった今日。うま味が凝縮された塩鮭を買い、焼いてみませんか

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