毎年「餃子の1世帯当たりの年間消費金額」のランキングが発表されると、メディアで取り上げられ、話題となる餃子。宇都宮市や浜松市が争っているかと思えば、近年宮崎市が1位になったりすることもありますよね。
あなた自身、餃子は好きですか?どこで食べることが多いでしょう?自宅、ラーメン屋、中華料理屋、居酒屋でしょうか・・・。好きな餃子はどこの餃子ですか?
今回は日本全国各地で町おこしのような形で有名な、いわゆる「○○餃子」、その地域では有名な「お店の変わった餃子」、これら10地域の餃子をご紹介します。あなたの住む地域にはご当地餃子はありますか?餃子好きな人必見!また、ビールのお供にもぜひご覧ください。
目次
福島県 ふくしま餃子(福島市)
福島県福島市の「ふくしま餃子」の特徴は「円盤餃子」です。円盤餃子とは焼かれた餃子がお皿に円形に並べて出されることから付けられました。そのルーツはお店でフライパンを使い、円形に並べて焼いた餃子を出したことからと言われています。
福島市には「ふくしま餃子の会」があります。この会が中心となりイベントで「大鍋餃子」を作ることでも有名です。直径120センチの大きな鉄板を使って、約700個もの餃子を一度に焼くのです。
栃木県 宇都宮餃子(宇都宮市)
餃子と言えば栃木県宇都宮市の「宇都宮餃子」ですよね。毎年静岡県の浜松市と1世帯当たりの餃子消費金額を競っていることでも有名です。
宇都宮餃子、商標は登録されているのですが、「これを使わなければならない」といった定義がないのです。つまり宇都宮市のお店が提供する餃子が全て「宇都宮餃子」なのです。
以前、宇都宮にいた姉宅の近所に薬膳餃子お店がありました。美味しかったので忘れられないのですが、のちにテレビにも出ていて納得しました。この薬膳餃子も宇都宮餃子になります。
埼玉県 みやしろ棒ギョーザ(宮代町)
埼玉県宮代町の「みやしろ棒ギョーザ」はその名の通り棒状で細長い形の餃子で、揚げ餃子です。ひき肉を巻いて揚げてあるというと春巻きを思いだす方もいるのではないでしょうか?この餃子は春巻きより細く、かつ長い形をしています。カリっと揚がったこの餃子はスナック感覚で食べることができます。
神奈川県 かわさき餃子(川崎市)
神奈川県川崎市の「かわさき餃子」、こちらも具材には決まりありません。でもこの餃子を盛り上げる「かわさき餃子舗の会」が考え出した餃子のたれが特徴的です。
一般的な餃子のたれは醤油とお酢にラー油を加えたものだと思います。しかしこのかわさき餃子舗の会では味噌味のたれを考えました。味噌とお酢のたれにラー油を加えて食べるという新しい餃子の楽しみ方を考えたのです。この味噌だれが、かわさき餃子定番のたれになっています。
長野県 伊那餃子(伊那市)
先ほど紹介したかわさき餃子も味噌だれを使いますが、この伊那餃子も味噌だれを付けて食べます。この伊那餃子で使われる味噌だれは地元の信州味噌を使って作られます。また、伊那餃子にはヴィーガンにも人気が高い地元産のスーパーフード「アマランサス」を具や皮に加えて作られます。
静岡県 浜松餃子(浜松市)
静岡県浜松市の浜松餃子は野菜が多いのが特徴です。もちろん豚ひき肉も入りますが、キャベツ多めでニラや玉ねぎが入った野菜がたくさん入っていてあっさりした餃子です。
静岡県 すその水ギョーザ(裾野市)
日本の餃子には焼き餃子が多いのですが、静岡県裾野市の餃子は水餃子です。このすそのギョーザには地元特産のモロヘイヤの粉が皮に練りこまれています。だから皮は少し緑がかっていて、もちもちしています。
また具には定番のキャベツ、ニラ、豚ひき肉の他に地元産のお茶の葉も入っているのも特徴です。
ちょっとブレイク・餃子とワンタンの違いは・・・地域?
日本では餃子の皮は丸くて薄い、ワンタンの皮は四角で厚めと行ったイメージを持つ方が多いと思います。また、餃子は焼いてワンタンはスープに入れるのがメジャーですよね?
でも中国では水餃子がメジャーだという話を聞いたことはありませんか?では餃子とワンタンの違いは何なのでしょう?
実は中国の地域により名前が変わるのです。中国の北部の地域では「餃子」、南部の地域では「ワンタン」と言います。また、ワンタンの皮には(ラーメンの麺を作る時に使う)「かんすい」を入れることもあります。
三重県 津ぎょうざ(津市)
三重県津市の津ぎょうざは大きいのが特徴です。直径15センチの皮にひき肉、玉ねぎ、ニラなどの具を詰め、油で揚げる揚げ餃子です。
この津ギョウザは当初、学校給食用のおかずとして考え出されました。
兵庫県 加古川ホルモン餃子(加古川市)
兵庫県加古川市にあるお店「力」の餃子は餃子の具に特徴があります。なんとホルモンが入っているのです。だからホルモンならではのコリコリ・ぷりぷりした食感がたまりません。また、たれには柚子胡椒が入っていて、さっぱりいただけます。
福岡県 八幡ぎょうざ(北九州市八幡東区・八幡西区)
北九州市の八幡東区・八幡西区。この地名の由来でもある世界遺産・官営八幡製鐵所(現・日本製鉄)がある地域です。製鉄所というハードで重労働な職場です。そのような場所で働く労働者たちに餃子は好まれ、いつしかソウルフードとしてこの地に定着していったといいます。
八幡ぎょうざの特徴は薬味として柚子胡椒が入っているところです。またお店によって大きく以下の4つのスタイルの調理法に分かれています。
1・鉄なべ系
お店でよく「餃子がアツアツの小さめの鉄鍋(鉄板)に2列に並べられて出てきます」よね。このスタイルは八幡ぎょうざが発祥で、八幡ぎょうざのメジャーな形です。これを「鉄なべ系」といいます。
2・中国本土系
餃子と言えば中国ですよね。中国大陸にも近いこの地方は昔から大陸とのつながりも深く、本場中国のような餃子を出す店も多くあります。このような餃子が中国本土系です。厚みのある皮を使い、肉汁があふれるようなジューシーさが特徴です。
3・ラーメン系
九州のラーメンと言うと豚骨スープを思い浮かべますよね。餃子焼く時にもこの豚骨スープを使います。餃子を蒸し焼きにする際に水を使うのではなく、豚骨スープを使うのがこのラーメン系です。
4・お母さん系
上の3つとは異なりぐっと身近な感じなのがこの「お母さん系」です。家庭で作られるようなシンプルな味がこのスタイルです。たっぷりの具を薄皮で包んだ懐かしさを感じるおふくろの味が特徴です。
最後に
今回は全国各地のご当地餃子をご紹介しました。興味を持った餃子はありましたか?
宇都宮餃子には定義がない
モロヘイヤが入った皮でお茶っ葉を加えた具を包む裾野市の餃子、
ホルモンが入った餃子などなど、驚かれた事かと思います。
でも、私にとって一番おいしい餃子は「我が家の餃子」です。私の知人で「カレーと餃子は自分のうちで作ったものが一番おいしい」という方がいます。私もこれに賛同します。
我が家ではだいたい1か月に1度、(8人家族なので)餃子の時は100個前後焼きます。買ってきた「○○餃子」を焼く時もありますが、やはり我が家の餃子が一番です。
こういうのを「手前みそ」というのかもしれませんが、自分好みにアレンジできるのも自前餃子の良いところですよね。ぜひ、みなさんも自分で餃子を作ってみてください。