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日本のゲテモノ料理~ゲテモノはソウルフード??あなたは食べられますか?

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みなさんは「ゲテモノ」と聞くとどんなイメージをもつでしょう。しばしばテレビで「海外のゲテモノ料理」などを目にしたことがあるかと思います。「えーこんなモノを食べるの?」と躊躇したくなるものがゲテモノですよね

海外のゲテモノ料理も、日本のゲテモノ料理もその地域の人にとっては貴重な食材です。だからゲテモノというのは本来失礼なことかもしれませんね。地域食(ソウルフード)なのですから。(ゲテモノというより「珍味」という表現の方がいいのかもしれません。

今回はそんな日本に昔から食べられているゲテモノ(珍味、ソウルフード)の食材、料理についてご紹介します。いろんな意味で生唾(なまつば)を飲み込みながらお読みください。

日本のゲテモノ料理

それでは日本の各地で昔から食べられているゲテモノをご紹介します。「えーっ、そんなの食べられるの?」というものもあれば、「知ってる!」というもの、さらには「食べたことある!」というものもあるかもしれません。ソウルフードや珍味だと思いながらご覧ください

蜂の子の佃煮

蜂の子は「幼いハチ」のことではありません。ハチの幼虫のことを「蜂の子」と言います。ハチの中でも特にクロスズメバチの幼虫で、地中にある巣を見つけて、巣から捕まえます

佃煮や甘露煮にしたり、蜂の子の炊き込みご飯にしたりします。長野県、岐阜県、静岡県など昔から食べられていて、ヘボと呼ぶ地域もあります。

イナゴの佃煮

イナゴというとみなさんも聞いたことがあると思います。イナゴはバッタ科イナゴ属でバッタの一種です。もちろんイナゴにもたくさん種類があり、その中でも食用とされるのは主にコバネイナゴです。

私が小さい頃、アフリカでイナゴが大派生したというニュースを見たことがあり、「食べればいいじゃないの?」と思ったことがあります。しかしアフリカのイナゴは大きくて、硬いのであまり食用には向かないとのことです。さらに駆除のため殺虫剤をまくため、安全性を考えると食べられません。

イナゴは稲を食べるので、日本では各地で捕まえて駆除したものを食べていました。

さざむしの佃煮

瓶詰などでも販売されています。冬の時期、川の石の裏側にへばりついているようなトビケラやカワゲラの幼虫のことを「さざむし」と言います。長野県の上伊那地域などの地域食です。

さざむしを獲ることを地元では「さざ虫踏み」と言います。さざ虫踏みは歴とした漁としても成り立っていて、漁業協同組合が「虫踏み許可証」を発行するほどです。さざむし1キロ6000円になることもなります。

カイコのさなぎの佃煮

むかし養蚕が盛んだった地域では絹を紡ぎ取ったときに残る中の幼虫を貴重なたんぱく源として佃煮にしていました。長野県や群馬県の一部の地域では「どきょ」と呼ばれているカイコ、現在でも長野県などのスーパーで目にすることができます。コイや豚、鶏などの餌にも使われています。

イソアワモチの味噌煮

沖縄県の伊是名(いぜな)島などで食べられています。ナメクジに近い仲間で、「殻のないアワビ」のようでもあります。現地では「ホーミー」と呼ばれています。味噌で煮たり、炒めたりして食べます。

ちょっとブレイク~エスカルゴはゲテモノ?日本でもカタツムリを食べていた地域が・・・

エスカルゴというとフランス料理に出てくるカタツムリのような生き物というイメージがあると思います。実際エスカルゴは「カタツムリ」です。でも「フランス料理」というと食べてみたくなるのはどうしてでしょうね。

実は日本でもカタツムリを食べていた地域があります。岐阜県の飛騨地方では「クチベニマイマイ」というカタツムリを焼いて食べていたと言います。それもフランス料理のような高価な料理としてではなく、子供のおやつとして食べていました。

ジビエの雑学でもお話ししましたが、フランス料理ではカラスも食べたりします。ところ変われば品変わる(?)ではないですが、文化の違いなのでしょうね。

ちなみに、皆さんはまねをして安易にカタツムリを食べないでくださいね。カタツムリにはたくさんの寄生虫がいます。エスカルゴは寄生虫がつかないように養殖されたモノです。

ユムシの刺身

ユムシと聞くと「釣りの餌?」と思う方もいらっしゃると思います。そうです。マダイやカレイを釣る時に使う餌のユムシを北海道の一部の地域などで、お刺身や煮物、酢味噌和えや干物にして珍味として食べます。

韓国や中国でも食べられていて、韓国でも刺身や焼いて食べますし、中国では炒め物に入れて食べます。

アメフラシ味噌和え

姿はナマコの仲間のように見えるアメフラシですが、なんと軟体動物で、タコやイカの仲間です。毒を蓄積するので、毒を持つ海藻がない地域で食べられています。島根県、鳥取県、鹿児島、千葉のそれぞれ一部の地域で食べられています。お酒のつまみなどに刻んだものをゆず味噌などであえて食べます。

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昭和天皇も試しにお食べになられたという記録もあります。

日本に持ち込まれた海外の食用生き物

ここまでは日本で昔から食べられていた生き物をお伝えしました。ここからは海外から食料源として持ち込まれたものの、日本人の食に定着しなかった、現在では日本の生態系を脅かすような生き物たちをご紹介します。

ジャンボタニシ

台湾から日本に食用として持ち込まれました。しかし、稲を食べてしまうなど、現在では厄介者です。また、においがきついのも食べられない理由ともされます。

ウシガエル

食用ガエルともいわれるウシガエルですが、原産は北アメリカです。日本には1917~18年頃初めて17匹を輸入、貧困に悩む農村での飼育をするように勧めます。しかし、日本でカエルを食べるということが定着しません。

だから、1932年にアメリカへ冷凍ウシガエル肉の輸出が始まります。戦争中は中断しますが、戦後、養殖場から逃げ出し、自然の中で繁殖したウシガエルを獲る「ウシガエル漁」が行われます。水産庁がウシガエルの資源確保の通達を出すほどです。

しかし、日本から輸出されたウシガエル肉から農薬が検出され、輸出ができなくなったといいます。

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今の中国産の食材と同じようなことで日本もアメリカからウシガエル肉の輸入を拒まれたのですね。

後ろ足の皮をむいて食用とします。鶏肉のササミのような味です。

ちなみに養殖していたウシガエルの餌となったのが次に紹介するアメリカザリガニです。

アメリカザリガニ

アメリカザリガニというだけあってアメリカ原産で世界中に生息しています。アメリカでも食べられますが、中国の方は好んで食べます。日本ではほとんど食べられていません。日本の料理屋で出しているお店もありますが、中国からの輸入品だそうです。

ザリガニも、エスカルゴではないですが、養殖したものでない限り、農薬などが怖いですよね。触感はシャコに似ていますが、やはり泥臭いです。

ブラックバスやブルーギル

1925年にブラックバスに日本にやってきて、ブルーギルは1960年に当時の皇太子である平成天皇が持ち帰った15尾が最初といわれています。

最後に・・食糧不足のための昆虫食の開発

ここまで、これまでのゲテモノについてご紹介しましたが、最後にこれからのお話をします。

今後食不足が予想されます、私たちもゲテモノと言われるようなものを普通に食べる時代が来るかもしれません。それを見越して、ベンチャー企業が良質なたんぱく質を求めてなんとコオロギを育て始めました。ハ虫類を飼っている方は餌としての冷凍コウロギを購入されている方もいるかと思いますが、人が食べるものとしてのコウロギです。

東南アジアでは昔から普通に食用として売られていますし、日本でもすでに徳島大学の研究をもとに無印良品でコオロギチョコが販売されています。今後、世界を襲うかもしれない食糧不足に向けてゲテモノを食材とする準備が着々と進められています

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