みなさん大仏を見て不思議に思っていることはありませんか?まずは大仏の髪形!ぱっと見た感じはパンチパーマのように見えます。なぜ、このような髪型なのか気になった方は多いのではないでしょうか?このパンチパーマは仏像の中でもトップレベルの仏像にしかない特徴だといいます。一体どういうことなのでしょう?
また、今日は大仏のおでこにあるホクロのようなものについてもご紹介しています!このおでこのホクロについても気になっている方は多いでしょう。この記事を読めば、きっとお寺巡りが楽しくなるはず!他にも大仏の豆知識を書いておりますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
大仏とは?

大仏とは大きな仏像のことをいいます。仏像には基本の大きさがあり、丈六(じょうろく)といって一丈六尺(約4.85m)の整数の倍や整数分の1で作られることが多いです。大仏と呼ばれるのは4.85mよりも大きいものを大仏といいます。
4.85mというのは釈迦の身長であったという話があります。仏教が発祥のインドでは、紀元前1世紀のころから仏像が作られました。10mを超えるような仏像が作られるようになったのは実はインドではなく、中央アジアや中国だといいます。
釈迦という人は身長が大きな方だったのですね!
パンチパーマは悟りを開いた仏だけの特権!

悟りを開いた仏には体に32の特徴と80の細かな特徴があります。このうちの1つである「毛上向相(もうじょうこうそう)」がパンチパーマのような螺髪(らほつ)という特徴なのです。
パンチパーマ=螺髪
このパンチパーマのように見えるものは螺髪といいます。すべての仏像にあるわけではありません。この螺髪は髪の毛でできていて、右巻きとされています。螺髪は悟りを開いた如来(にょらい)という仏像にしかない特徴です。
この螺髪という言葉の由来は法螺貝(ほらがい)のような巻貝に見えることから名付けられました。奈良の大仏の螺髪は966個あるといわれていましたが、2015年にレーザー解析をしたところ492個であることが分かりました。螺髪の数が減ったのは火災などで数が減ったからだとされています。
螺髪はなぜ右巻き?
これは仏教の教えにある「右手は清浄」「左手は不浄」という言葉があるから。左より右の方が縁起は良いため、右巻きなのです。ちなみに奈良県にある東大寺の大仏の螺髪1つの大きさは直径22㎝、高さ21㎝、重さ1.2㎏もあります。
螺髪だけで作るのに3年も期間がかかったといいます。もう1つ有名な鎌倉の大仏は螺髪が「左」巻きです。詳しいことは分かっていないのですが、他の大仏との差別化をしたかったというのが有力な説だとされています。
鎌倉の大仏の螺髪は656個だといわれていますが、調査すると数が違うかもしれませんね。
仏像に階級がある
仏像には階級があります。如来をトップに菩薩(ぼさつ)、明王(みょうおう)、天部(てんぶ)、羅漢(らかん)・高僧と順に階級が下がります。如来とは悟りを開いた釈迦の姿。菩薩はインドで貴族だったころの釈迦で、悟りを開く前の姿です。
明王は如来の化身とされ、怒った表情で炎を背負っています。天部はインドのヒンドゥー教の神様が、仏教を守る神様に変化したものをいいます。羅漢は釈迦の優秀な弟子で、高僧は仏教を広めるために務める僧侶のことです。
髪型別の仏像の階級
螺髪は仏像の中でもトップの如来にしかない特徴でした。菩薩は髪を結んでいるか、丸坊主。明王の髪は三つ編みか、髪が逆立っています。天部の髪は結んでいて、羅漢と高僧は丸坊主です。
階級によって髪型も変わります。
おでこのホクロは何を表す?

ホクロのように見えますが、実は毛のかたまりです。白毫(びゃくごう)と呼ばれ、白い毛が右巻きで丸くなっています。これを伸ばしてみると4.5mあるといい、光で世界を照らします。この光は苦しんでいる人を見抜くことができるのです。
仏像が作られるようになったのはいつごろ?

釈迦は自分が死んだあとに、釈迦の仏像を作ることを禁止していました。しかし、みんなの釈迦を思う気持ちが高まり、釈迦が亡くなった600年後の1世紀に仏像が作られるようになります。
インドのガンダーラ地方で製作されるのですが、当時ガンダーラ地方はギリシャの影響を受けていてまるで彫刻のような仏像でした。また、このころの仏像には螺髪は見られません。
螺髪のある仏像の始まりはインドのマトゥラーで作られた仏像でした。
仏像には32の体の特徴と80の細かな特徴があった!

仏像には32の体の特徴と80の細かな特徴があり、このことを「三十二相八十種好(さんじゅうにそうはちじっしこう)」といいます。螺髪や白毫が当てはまるのですが、他にも
- 足の裏に土踏まずがない
- 手足に水かきのようなものがある
- 体から良い匂いがする
- 歯は40本あり、白く輝いている
- 全身が黄金に輝いている
などの特徴があります。
如来という存在は人間離れした特徴があるのですね。
まとめ
大仏のパンチパーマや、おでこのホクロについてはいかがでしたか?パンチパーマは螺髪という右巻きの毛で、ホクロは白毫という右巻きの毛のかたまりでした。鎌倉の大仏の螺髪は左巻きで、他の大仏と少し違った大仏です。
如来という悟りを開いた仏には他にも体から良い匂いがしたり、体が黄金色に輝いたりしているという特徴がありました。この記事を読むと仏像の見方が変わりますね。次のお休みは仏像を見にお出かけしてみませんか?