みなさん「冷麵」はお好きですか?冷たいサッパリとしているスープに、のどごしが良い麵と、辛味のあるキムチが暑い季節にピッタリな食べ物ですよね。わたしたち日本人が馴染みのある「冷麵」は主に朝鮮半島が発祥の「韓国冷麵」と岩手県盛岡市が発祥の「盛岡冷麵」の2種類です。
この記事では「韓国冷麵」と「盛岡冷麵」の違いをご紹介します。韓国冷麵には種類があり「平壌(ピョンヤン)冷麺」「咸興(ハムフン)冷麺」の2種類です。
2種類の「韓国冷麵」と「盛岡冷麵」について詳しく解説していきます。「冷麵」を食べたことない方は、この記事を読んで「食べてみたい!」と思っていただけたら嬉しいです。
韓国冷麵とは
韓国冷麵とは、そば粉やデンプンを麺の主原料とした朝鮮半島が発祥の麺のことです。韓国冷麵には北朝鮮の平壌(ピョンヤン)が発祥の「平壌冷麵」と北朝鮮の港町、咸興(ハムフン)が発祥の「咸興冷麵」の2種類があります。これから、2つの冷麺について詳しく解説していきます。
平壌(ピョンヤン)冷麺
平壌冷麺は上記でお話ししたように、北朝鮮の平壌が発祥です。朝鮮戦争時、北から南に避難してきた人々が、韓国に普及させたといわれています。平壌冷麵は別名「水冷麺(ムルレンミョン)」と呼ばれ、冷たいスープの中に麺や具材が入っていることが特徴です。
麺の主原料
麺は、そば粉と※緑豆粉・ジャガイモのデンプンを主原料としています。そば粉を使用しているため、黒っぽい色が特徴です。
※ 緑豆粉・・・豆の種類である「緑豆(リョクトウ)を粉にしたもの。
具材
平壌冷麵の具材は以下になります。平壌冷麵は「ピョニョク」が定番の具材です。「ピョニョク」とは豚肉または牛肉を茹でて、薄切りにした韓国の定番料理のことです。そのほかの定番の具材は以下になります。
- キムチ
- ゆで卵
- 梨
咸興(ハムフン)冷麺
咸興冷麺は上記でお話したように、北朝鮮の港町、咸興は発祥です。朝鮮戦争時ソウルに避難してきた、咸興出身者がソウルに郷土料理のお店を開いたことで韓国に普及したといわれています。咸興冷麺は別名「ビビンネンミョン」と呼ばれ、コチュジャンなど甘辛い味噌を麺の上に乗せた、スープがない汁なし麺です。
麺の主原料
咸興冷麺は、ジャガイモのデンプンやサツマイモのデンプンを主原料としています。コシが強く、噛み応えのあるのが特徴です。
具材
咸興冷麵の具材は平壌冷麵と大きな違いはありません。しかし、咸興冷麵には刺身や牛肉が具材に入っていることがあります。刺身が入っている咸興冷麵を「刺身冷麺(フェネンミョン)」と呼び、牛肉が入っている咸興冷麵を「ビビン冷麵」と呼びます。
「刺身冷麺(フェネンミョン)」の刺身はガンギエイという魚です!
盛岡冷麵とは
盛岡冷麺は咸興の出身者が昭和29年に岩手県盛岡市に食堂をオープンさせ、冷麵を提供していたことが発祥とされています。麺の主原料を変えたり、酸味のあるカクテキに変えたりなど改良を重ね、現在の盛岡冷麺となりました。
麺の主原料
盛岡冷麺は、小麦粉やジャガイモのデンプンを主原料としています。
具材
盛岡冷麵の具材は、ゆで卵やキムチ、といった韓国冷麺と共通する具材の他に以下の物が定番です。
- 豚肉や牛肉のチャーシュー
- キュウリ
- 季節のフルーツ
夏はスイカ、冬は梨といった季節のフルーツが具材になっています。
韓国冷麺と盛岡冷麵の違い
韓国冷麺と盛岡冷麺の違いをご紹介します。
麺の主原料
韓国冷麵は、麺にそば粉や緑豆粉が使われている平壌冷麵と、ジャガイモのデンプンやサツマイモのデンプンが使われている咸興冷麺の2種類があります。盛岡冷麺は、日本人に合うように小麦粉を使用しています。これが一つ目の違いです。
具材
平壌冷麵や咸興冷麺の具材は梨・キムチ・ゆで卵といった比較的シンプルです。盛岡冷麺は、チャーシューやキュウリや季節のフルーツといった、韓国冷麵よりも具材が多いのが二つ目の違いになります。キムチでも盛岡冷麵は、日本人の味覚に合わせ辛味を抑えたキムチです。
まとめ
いかがでしたか?韓国冷麵と盛岡冷麺の違いを理解いただけましたか?ご紹介した「平壌冷麵」「咸興冷麺」と「晋州冷麺(チンジュ)」を合わせた冷麺を韓国三大冷麺と韓国では呼ばれています。
「晋州冷麺」は具材に錦糸卵や、韓国の伝統的な料理「ユッジョン(牛肉チヂミ)」を具材に使っています。そのほかにも魚介でスープの出汁をとっているのが特徴です。盛岡冷麺も「盛岡三大麺」と呼ばれています。「盛岡三大麺」とは「盛岡冷麵」と「わんこそば」「じゃじゃ麵」を合わせた麺のことです。
みなさんは韓国冷麵と盛岡冷麺、どちらが気になりましたか?暑い季節は、冷麺を美味しく感じられる季節です。冷麺を食べてみては?