漫画家の高橋留美子先生は「めぞん一刻」「うる星やつら」「犬夜叉」「らんま1/2」等の数々の大ヒット作品を生み出しました。ファンや漫画業界では「生ける天才」とまで呼ばれるようになっています。2023年4月6日にはフランスの芸術文化勲章「シュバリエ」が同国政府から授与され、現在では国際的な漫画家へとなりました。
今回は高橋留美子先生が「漫画で時代を変えた天才」と言われる所以についてご紹介します。ぜひ、最後まで楽しみながら読んで頂けると嬉しいです。
目次
天才漫画家の誕生秘話
父の愛情
高橋留美子先生は父親から強い愛情を受けたことでしょう。これは推測ですが、２男１女の末っ子として誕生したからです。
父である高橋光雄さんは産婦人科の開業医です。医者だけではなく俳人・水墨画としても活動をしていました。留美子先生は幼い頃、父と一緒に職場でカッパの絵を描いて遊んでいたのです。
2人の兄の影響
高橋留美子先生は幼少期から２人の兄が読んでいた少年漫画を愛読していました。主に週刊少年サンデーや月刊ガロを読んでいました。その影響で自身も漫画を描き始めるようになるのです。
留美子先生は「ちばてつや/あしたのジョー」「池上遼一/男組」「永井豪/デビルマン」の３名を憧れの漫画家として挙げています。後のインタビューでは「池上遼一先生に会うために漫画家となった」と語っています。
大学生時代
大学に入ると同人作家としても活動を広げます。目白花子さんと漫画研究会「（没）」を共同で設立。会誌「びびっと」で作品を発表しています。目白花子さんは講談社へスカウトされ、漫画家デビューした実力者です。
また大学１年生で「劇画村塾」という養成所にも入っています。劇画村塾とは「ゴルゴ13」「子連れ狼」の原作を手掛けた小池一夫さんが設立した養成所です。
高橋留美子先生は劇画村塾でも特別研修生として期待され、大学在学中にはプロ並みの腕前を持っていたことが分かります。
ここから高橋留美子先生が天才と言われるストーリーが始まります。
高橋留美子が天才と言われる所以
大学在学中にデビュー
1978年に週刊少年サンデーで「勝手なやつら」が佳作賞を受賞しました。当時の編集長が「すごいのがきた、天才だ」と評価していたのです。その後初連載となる「うる星やつら」が大ヒットします。
2作品同時連載
高橋留美子先生が天才と言われるひとつのエピソードとして語られるのが、2作品同時連載です。1980年～1987年に渡って「週刊少年サンデー/うる星やつら」「ビックコミックスピリッツ/めぞん一刻」を週刊連載していました。
漫画家は一つでも連載作品を生み出すことができれば成功と言える職業です。留美子先生は同時期に2作品を週刊連載、しかもどちらもTVアニメ化までされたのです。
一日で16ページ完成
高橋留美子先生は速筆として知られています。漫画を書くスピードが速く、完成度も高いのです。「うる星やつら」の原稿を27時間で完成させたことがあると述べています。「犬夜叉」の連載時には下書き、ペン入れを合わせて1ページ1時間で完成させたこともあるのです。
もちろん手書きですよ！凄すぎです！
４世代に渡ってヒット作を連発
高橋留美子先生が天才と崇め奉られるのは、４世代に渡りヒット作品を出していることが挙げられます。
- 1980年～1990年代「らんま1/2」
- 1990年～2000年代「犬夜叉」
- 2000年～2010年代「境界のRINNE」
- 2010年～2024年現在。「MAO」（連載中）
上記の他、同時期に「人魚シリーズ」などの短編集や「Pの悲劇」などの読切作品も手掛けています。その作品においてもTVアニメ化やドラマ化され、その人気は計り知れないです。高橋留美子先生はまさに天才と言えるでしょう。
漫画で時代を変えた？
高橋留美子先生の作風はラブコメディを主軸した作品が多いです。留美子先生が活躍する1970年代以前の漫画の作風は「男たるもの命がけ」といった作品が主流でした。留美子先生が描く漫画は男のダメな部分が顕著に現れています。
例えば「うる星やつら」の主人公「諸星あたる」というキャラクターが挙げられます。留美子先生の作品を読んでみると「主人公の男は半人前」として描かれることが多いのです。
- 「うる星やつら・諸星あたる」＝高校生
- 「めぞん一刻・五代裕作」＝浪人生
- 「らんま1/2・早乙女乱馬」＝男と女に変わる（1/2）
- 「犬夜叉・犬夜叉」＝半妖
- 「境界のRINNE」＝死神と人間の混血
この作風はおそらく留美子先生が育った環境が大きく影響していることでしょう。「そんな強気でいても本当は怖いんでしょ？」という妹から兄を見た視点の影響が漫画に入っていると思われます。この作風以降の漫画家や読者に多大な影響を及ぼしています。
高橋留美子は超人すぎないか？
るーみっくorRUMIKOの法則
留美子先生と言えばるーみっくわーるどの愛称が有名です。以下は作品に込められたであろうと、まことしやかに伝わる都市伝説になります。
- R…「らんま1/2」
- U…「うる星やつら」
- M…「めぞん一刻」
- I…「犬夜叉」
- K…「境界のRINNE」
- O…「１ポンドの福音」※英数字「ONE＝１」
これは「RUMIKOの法則」等と呼ばれ、作品タイトルの頭文字を並べると浮かび上がるアナグラムです。一部のファンが「留美子先生が意図的に付けたのではないか？」と話題を呼んだ法則になります。
スケジュール
ファンの質問により、高橋留美子先生のスケジュールが公式Xにて発表されました。なんと睡眠時間は3時間しかありません。夜通し漫画を描き続けています。留美子先生とっては漫画を描くことが原動力なのです。
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「高橋留美子原画集 ＣＯＬＯＲＳ １９７８－２０２４ (原画集・イラストブック)」
そんな高橋留美子先生の描く原画を収録した本が2024年3月29日に発売されました。約6時間に及ぶインタビューで明かす「高橋留美子を高橋留美子にするものは何なのか？」についても収録されています。
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おわりに
いかがでしたか？今回は高橋留美子先生が天才と言われる所以についてご紹介しました。睡眠時間が3時間しかないことには驚いた方が多いのでは？留美子先生は漫画を描く事が生きがいなのでしょう。ご自愛して頂きたいところです。
留美子先生は漫画を描くことが楽しく連載終了後は「早く次の漫画を描かせて」と担当編集者に伝えるというエピソードもあります。まさに天才たる所以と言えるでしょう。
この記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。ぜひ、ご参考になれば幸いです。
