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日本の紙幣の雑学。ネズミが食べるため改定されたお札があった。

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みなさんの生活になくてはならないお金。その中でも今回は紙幣についての雑学をご紹介します。

あなたはお札の肖像画というと、どんな人を思い浮かべますか?これまでのお札で一番多く登場したのは、飛鳥時代の皇族であり政治家でもあった聖徳太子です。

しかし一番長い間使われるお札は聖徳太子ではありません。実は明治時代に作られたお札に描かれた武内宿禰(たけうちすくね)で、このお札は現在も使えます。

またお札に登場したことのある8種類の動物。一万円札の偽造防止技術ネズミが食べてしまうため、すぐに改定されたお札の話。そして最後に紙幣と貨幣の違いをお伝えします。

これを読めばお札に詳しくなること間違いなし!です。

一番多く登場した人は?

お札の肖像画は「1人1回しか選ばれない」とお思いの方も多いのではないでしょうか。実は何度も登場した人がいます。(昭和生まれの方はご存知かと思いますが)それは聖徳太子です。聖徳太子がはじめて登場したお札は1930(昭和5)年発行の百円札。この百円札から始まり1958(昭和33)年発行の1万円札まで。百円札4回、千円札1回、5千円1回、1万円札1回の合計7回もお札になりしました。

一番長く使われている人は?

ちなみに一番長い間使われている(使うことができる)肖像画は聖徳太子ではありません。武内宿禰です。実は武内宿禰が描かれた1889(明治22)年発行の1円札で、現在も使うことができます

実在した人物を除けば1885年の1円札に描かれた七福神・大黒天(だいこくてん)の紙幣が最も長いお札です。このお札も現在使うことができます

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1円札が現在も使えるとは驚きではないでしょうか。
この1円札、さぞかし「プレミアは付いて高くなっているのでは?」と思う方も多いかもしれません。しかし、それは古物商などで買い取ってもらう場合の話。残念ながら1円は1円。使う時は1円でしか扱われません

人だけではない、動物も登場しています。

お札に登場するのは人だけではありません。これまでに様々な動物も描かれています。以下にこれまでお札に登場した動物を紹介します。

  • ネズミ(1885年10円札)
  • イノシシ(1890年と1899年10円札)
  • 馬(1944年5銭札)
  • ニワトリ(1946年1円札)
  • ハト(1947年10銭札)
  • ライオン(1957年五千円札)
  • キジ(1984年一万円札)
  • 鶴(1984年千円札)
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また、動物ではないのですが、現在の一万円札裏面には鳳凰(ほうおう)が描かれています。

偽造防止技術

パソコンやコピー機の技術が発達した現在、お札には偽造防止のため様々な工夫がされています。ここでは1万円札の偽造防止技術を全部で8個ご紹介します。

1透かし

みなさんご存知、お札の中央部分に光を当てると福沢諭吉が浮かび上がりますよね。他にも透かしは肖像画右側にもあります。ここに光を当てると(「川」の字のような)縦の3本の線が浮かび上がります。

2パールインキ

お札の左右、両脇の余白部分にはパールインキという特別なインクが使われています。お札を傾けると薄いピンク色の模様が現れます。

3識別マーク

目の不自由な人でも、お札の右下に手で触ると「いくらのお札か」がわかるようになっています。一万円では閉じカッコ型( 」)、五千円では8角形の図形、千円では横棒のざらつぎを感じられます。

4マイクロ文字

お札の表や裏にマイクロ文字が書かれています。紙幣中央下側、波打った線のように見える所や、裏側の模様の線を虫メガネなどで拡大すると「NIPPON GINKO」と文字になっていることが分かります。

5特殊発光インキ

表側の「日本銀行総裁」の印章部分。ここに紫外線を当てると印章がオレンジ色に。またその印鑑が押されているエリアは黄緑色に光ります。

6潜像模様

お札を傾けると文字が浮かび上がる所が2か所あります。これが潜像模様です。1つは印章のすぐ下部分。ここを傾けると「10000」が。もう1か所は裏側右上に「NIPPON」の文字が浮かび上がります。

7ホログラム

お札左下にホログラムがあります。角度を変えると模様「10000」が浮かびます。

8深凹版(ふかおうはん)印刷

お札全体、使われているインキは盛り上がっています。だから触るとざらざら、凹凸(デコボコ)が感じられます。このような印刷方法を深凹版印刷といいます。

ネズミが食べたお札・コンニャクが原因だった!

過去に「ネズミが食べてしまうためすぐに改定された」お札があります。それは1885年に発行され、大黒天が描かれた10円札です。

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「1885年の大黒天が描かれたお札」というと、はじめの方に1円札をご紹介しました。1885年には1円、5円、10円、100円の4種類のお札が発行されましたがこの4種類、全部に大黒天が描かれました。このことから、この年のお札は「大黒札」と呼ばれています。この大黒札のうち1円札だけ現在使用できます。

この10円札、大黒天の足元にネズミが描かれているのですが、これが原因でネズミが食べたかと思いきや違いました。実は材料に原因がありました。紙の質を丈夫にするために原料にコンニャクの粉が混ぜられていたからなのです。ネズミはこのコンニャク目当てでお札を食べていたのでした。

・貨幣と紙幣の違い?・発行元が違う

ここまで、お札についていろいろお伝えしました。お金というと紙幣の他に硬貨もあります。紙幣と硬貨には違いはあるのでしょうか?

実は作っている機関、発行元が違います。お札は正式には「日本銀行券」といい、日本銀行(日銀)が発行しています。これに対して貨幣は日本政府が直接発行しています。

実は日銀、日本政府の機関ではありません。「日本銀行法」に記された許可法人なのです。簡単に言えば日銀は1民間銀行に過ぎず、紙幣はそこが発行する証券(日本銀行券)なのです。

最後に

いかがでしたか?お札、意外と面白く、知らない事も多かったと思います。

2024年には新たにお札が発行され、これまでとは違ったものへと変わってゆきます。特に目を引くのが「10000」などの数字が大きくなり、違和感があるかもしれません。発行されたらぜひ、いろいろ観察してみてください。

しかし、現在日本で進められている(現金を減らそうという)キャッシュレス化。現金を持ち歩かず、カードやスマホだけという方もいるかと思います。こういった方など、渋沢栄一の一万円札を拝む機会がない人も現れてくるかもしれませんね。

そういえば2000年の沖縄サミットを記念して発行された二千円札。みなさんは使ったことがありますか?今度発行される紙幣が二千円のようにはならず、普及することを祈りたいです。

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