あなたはプロレスというスポーツにどんな印象を持っているでしょうか?お互いの攻撃を示し合わせているため、危なくないと思っていませんか?実際は常に怪我と隣り合わせの勝負をしています。この記事では、プロレスの一撃必殺の危険技を8つ紹介します。
事実、プロレスにはショー的な要素があります。世界最大のプロレス団体であるアメリカのWWEは、プロレスを「スポーツエンターテイメント」と表現しています。それでも、試合中の怪我を防ぐため、レスラーは専用のトレーニングセンターで徹底的にトレーニングを積んでいるのです。
そんな鍛え抜かれた選手でも一発でやられてしまう危険技が、プロレスには存在します。プロレスラーでなければ絶対に大怪我をするでしょ
目次
どんな技が危険技になる?
プロレスには様々な技のカテゴリーがあります。
技のジャンルを表すと、以下の通りです。
- 投げ技
- 打撃技
- 飛び技
- 締め技
- 関節技
中でも投げ技と関節技は危険技になりやすいです。投げ技は、頭(脳)と首(神経)にダメージを受けます。技によっては、腕を固められてしまい受け身を取れないものがあります。一方の関節技は、がっちり決まってしまうと逃げ出すことが難しく、脱臼・骨折・じん帯損傷を招きやすいのです。
プロレスには「一方的に攻撃するのではなく、相手の技を受け切って最終的に自分が勝つ」という美学があります。もちろん試合展開や力量の差によっては早期決着もします。しかし、基本的な試合の流れだと技の出し合いになって観客も盛り上がるのです。そのため、技の危険度もエスカレートしていく傾向になりやすいのです。
こちらの記事では、プロレスのかっこいい技を紹介していますので是非ご覧ください。
かっこいいプロレス技をジャンル別に紹介!絶対に真似してはいけません!
こちらの記事ではプロレス独特の用語を紹介していますので、参考にしてください!
代表的なプロレス用語を簡単に紹介!プロレス観戦が楽しくなります!
プロレスの危険技:投げ技
ノーザンライトボム
全日本女子プロレスやGAEA JAPAN(ガイア・ジャパン)で活躍した「デンジャラスクイーン」北斗晶の必殺技です。相手の首を抱え込み、逆さに持ち上げた状態でジャンプして、脳天をマットに叩きつけます。相手は首を抱え込まれたままなので受け身が取れず、大ダメージを受けます。
こちらの記事ではプロレスの歴史を動かしたおもしろ名言を紹介していますので、参考にしてください!
北斗晶選手の名言も紹介しています!
プロレスのおもしろ名言を特集!プロレス史に輝くレスラー達の叫び!
1994年当時最強だったアジャ・コング選手は、東京ドーム大会でノーザンライトボム3連発を受けフォール負けしました。
垂直落下系の技
垂直落下とは、相手を頭の上に逆さまに持ち上げた状態で自分が倒れこみ、脳天から落とす技です。選手の肩口以上の高さから叩きつけられるため、頭と首にダメージを受けます。垂直落下式ブレーンバスターや垂直落下式フィッシャーマンズバスターなどがあります。いずれも決め技になることが多いです。
いくら首を鍛えていてもダメージを食らうので、かなりの危険技です。
三冠パワーボム
全日本プロレスで活躍した川田利朗選手が使った技です。通常のパワーボムは相手を背中から首にかけてマットに叩きつけます。しかし、三冠パワーボムは、相手を逆さまに持ち上げ体が伸び切っている状態で脳天を杭打ちにします。衝撃を逃がす場所が無いので、頭と首がつぶれるような形になるのです。
相手の首がつぶれそうになっていて、怖かったです。
タイガードライバー’91
全日本プロレス、ノアで活躍した三沢光晴選手が開発した技です。原型はタイガードライバーという技です。相手の両脇から腕を挿し込み、持ち上げて相手の体を回転させて首から背中にかけて叩きつけます。
タイガードライバーの変形であるタイガードライバー’91は、相手を持ち上げる途中で頭から落とします。腕を取られていて受け身が取れないため、相手は大きくダメージを受けるのです。
危険な技のため、使う場面と相手を選んでいたそうです。
スタイナー・スクリュー・ドライバー(SSD)
外国人レスラーのスコット・スタイナーが開発した技です。相手を逆さまに持ち上げ、時間を貯めてから一気にマットに叩きつける技です。SSDは受け身が取れず脳天がマットに杭打ちのような状態になります。迫力・威力が十分な技です。しかし、先述の通り危険な技なので多用されませんでした。
高角度バックドロップ
バックドロップは、相手を後ろから抱え込みブリッジする要領で肩口から後ろに投げる技です。バックドロップ自体、しっかり受け身を取らないと危険な技です。さらに高く持ち上げて投げるバックドロップは、脳天から首にかけて高角度でマットに落ちるのでとても危険です。
バックドロップは基本的な技の一つですが、必殺技にもなり得る破壊力があります。
プロレスの危険技:関節技
脇固め
相手の片腕をねじり上げて、自分の脇で挟み込み締め上げる技です。肩と肘に大ダメージを受ける技なのですが、恐ろしいのは抜け出すのが難しい点です。肩を押えられて動きが封じられてしまい、なかなか技が外せません。必死に這い出してロープブレイク※をするしかありません。
※ロープブレイク:リング四方のロープゾーンまで逃げると相手は技を解かなければならない
ロープブレイクなどプロレスの詳細なルールについて、こちらの記事で解説しています。
プロレスのルールがわからない人必見!勝敗の決め方と反則行為を紹介!
柔道の関節技の1つです。関節技の得意な選手は脇固めで試合を決めることができます。
ヒールホールド
両者がマットに横たわった状態で、相手の膝を両足でロックし、足首を掴んで左右に捻る技です。名称はヒールホールドですが、実際に技が効くのは膝です。この技は、あっという間に相手の膝に大怪我をさせることができてしまいます。さらに、膝の仕組みから捕まると逃げ出すことが不可能です。
そのため、90年代以降、多くのプロレス団体はヒールホールドを禁止しました。
総合格闘技でも禁止されていることがあります。
さいごに
プロレスは観て楽しむスポーツです。鍛え上げられた選手が躍動する姿を興奮交じりに見るのが醍醐味といえます。近年、技の危険度がエスカレートしている傾向を感じます。それに大怪我を負う悲しい事故も起きているのです。そのため、筆者はそろそろ派手さばかりを追い求める「技のインフレ」が収まることを期待しています。
派手な技の応酬を楽しみたいファンもいるので、落としどころが難しいのが実情です。プロレス界の永遠の課題かもしれません。