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パスタソースの種類-名前の意味を通してパスタソースを見ていきます

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先日「パスタの種類」の雑学をご紹介したJIKUです。前回はスパゲティに代表されるロングパスタ、マカロニなどのショートパスタ、ひき肉などを入れた詰め物入りのパスタなどをご紹介しました。そば粉を使ったパスタや餃子の話なども楽しんでいただけたかと思います。

しかし、パスタはパスタのみでは食べませんよね。そうです、パスタにはソースがなければ成り立ちません。そこで今回はパスタの種類の続編として、パスタソースの種類について、ソースの名前の意味を見ながらご紹介していきます

パスタソースの種類・・大きく5つの種類に分けてご紹介

パスタの種類には約650種類あるとお伝えしましたが、パスタソースの種類もイタリアのみならず、世界各国たくさんの種類があります。例えば日本で考え出されたソースとしてでも「たらこスパゲティ」や大根おろしを使った「おろしスパゲティ」などがありますよね。

なので、今回は本場イタリアに昔からあるいろんなパスタソースの中の一部を「トマト系」、「ミート系」「オイル系」、「クリーム系」、「チーズ系」の5種類に分けてご紹介します

トマト系ソース

まずはパスタソースの定番ともいえるトマトを多く使ったパスタソースをご紹介します。このトマト系のソースにはパスタのみならず、ピザなどにも使われるソースもあります。

アラビアータ(all’arrabbiata)

唐辛子を入れ、オイルで味付けをしたトマト系ソースです。イタリア語の「arrabbiata」は「怒り」を「all’」は「~風」意味しています。よくアラビアーは「怒りんぼ風」と訳されます。唐辛子の辛さが名前にもつながったようです。スパゲティ以外にもペンネやピザソースとしても使われます。

ペスカトーレ(pescatora)

魚介類を入れたトマト系ソースです。「pescatora」は「漁師」という意味です。昔、漁師が売り物にならない魚介類をトマトで煮込んだのが始まりと言われています。

現在はイカ、エビ、ムール貝、カニ、ホタテなどの海産物をトマトベースで煮込んだソースをとなっています。トマトの旨味と魚介類から出る出汁の旨味がうみ出すなんとも言えないソースです。


ちょっとブレイク~和の料理にトマト

日本人は昔からトマトに塩を振って生で食べる習慣がありましたが、近年「和の料理」にも使われるようになってきました。例えばおでんの具にトマトを入れたり、味噌汁にもトマトを入れたりするレシピがインターネットなどで公開されています。また岐阜県下呂市のB級グルメ「トマト丼」というのもあります。

トマトには(よく耳にする)うまみ成分の1つ「グルタミン酸」が多く含まれているからいろんな料理に合うのでしょうね。


プッタネスカ (puttanesca)

オリーブ、辛味を利かす唐辛子や、アンチョビ、ケッパー(地中海沿岸に自生する木で、そのつぼみを酢漬けにしたもの)などの塩味がきいたトマト系ソースです。「puttanesca」は「娼婦風」という意味です。ナポリでは有名なパスタソースです。

マリナラソース(marinara sauce)

ナポリの船乗りがよく食べていたので「船乗りの」を意味する「marinara」のソースと名付けられました。ニンニク、アレガノ(香辛料の1つ)、オリーブ油、バジルを加えたトマト系のソースです。ピザソースにも使われます。

ヴォンゴレ・ロッソ(vongole・rosso)

トマトベースのアサリのパスタソースです。「vongole」はアサリやハマグリに代表されるマルスダレガイ科の二枚貝を表す「vongola」の複数形です。ちなみに「rosso」はトマトの「赤色」を表します。


ちょっとブレイク~ヴォンゴレ・ロッソを嫌がるイタリア料理店

我が家の父親も好きなヴォンゴレ・ロッソなですが、イタリア料理店にはあまり作りたがらないところもあるようです。なぜかというとこのソースのメインとなる具材がアサリだからです。

シェフが一番嫌がるのが「アサリの砂出し」です。アサリの砂出しがうまくできているかどうかが問題なのです。「貝に砂が混じっていればクレームに繋がる」ので、お店の評判を落とさないために作らないと言います。

もしあなたが入ったお店のメニューにない時は、残念ですがシェフの気持ちを察してあげてくださいね


ミート系ソース

私たち日本人は「ミートソース」というと「挽き肉」を使ったボロネーゼ風のソースを思い浮かべると思います。しかし、お肉を使ったソースは挽き肉を使うものだけではありません。今回は挽き肉のソースで有名な「ボロネーゼ」と、挽き肉ではない肉を使う「スーゴ・アッラ・ジェノヴェーゼ」をご紹介します。

ボロネーゼ(bolognese)

この「ボロネーゼ」という名前は「ボローニャ風」という意味です。イタリアのボローニャ地方が発祥と言われています。

まずセロリやパセリなどの香味野菜と玉ねぎを炒めます。そしてじっくり焼いた挽き肉などとワインで合わせ、トマトペーストを加えたソースです。スパゲティやマカロニ、少し太めのリガトーニ、さらにはラザーニャやカネローネにもつかわれます。

スーゴ・アッラ・ジェノヴェーゼ(Sugo alla genovese)

玉葱と牛肉の使ったパスタソースです。直訳すると「ジェノヴァ(イタリアの北西部の都市)風の肉汁」となります。ナポリのスースなのですが、ジェノヴァの商人とのつながりでできたようです。お肉、セロリなどの香味野菜と玉ねぎで絡めるソースです。このソースには通常挽き肉は使いません

オイル系ソース

オイル系のパスタソースはオリーブオイルと白ワインを用いることが多いソースです。

アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ(aglio, olio e peperoncino)

日本でもおなじみのいわゆる「ペペロンチーノ」のことです。「aglio」はニンニク、「olio」が油、そして「peperoncino」は唐辛子を表します。

アロ・スコーリオ(allo scoglio)、フルッティ・ディ・マーレ(frutti di mare)

どちらもイカ、エビ、タコ、アサリ、ホタテ、ムール貝などの魚介類の入ったオイル系パスタ料理です。どちらも白ワインをベースに使います。「frutti di mare」はシーフードという意味です。

ネーロ(nero)

nero」とは「黒色」という意味です。このソースはイカ墨が入ったイカ墨パスタソースです。白ワインをベースに作ります。

JIKU

イカ墨パスタも歴としたイタリア発祥のパスタです。

ヴォンゴレ・ビアンコ(vongole・bianco)

「ヴォンゴレ」と聞くと「あぁ、アサリ!」と思った方、正解です。ヴォンゴレ・ビアンゴはアサリを使った白ワインベースのオイル系ソースです。ヴォンゴレ・ロッソの「rosso」は「赤色」でしたが「bianco」は「白色」という意味です。

クリーム系ソース

クリーム系ソースというと・・・カルボナーラを思い浮かべる方も多いと思いますが、今回クリーム系では載せていません。今回は「ポルチーニ」と「サーモン」のソースをご紹介します。

ポルチーニクリーム(porcini crema)

(トリュフ、松茸に並ぶ世界三大キノコのうちの1つである)ポルチーニ茸を使った生クリームベースで仕上げたソースです。porciniはporcino(子豚)の複数形でキノコが太った子豚の姿に似ているためつけられました。

サーモンクリーム(salmone crema)

読んで字のごとく、このソースはを使ったクリームベースで作られるソースです。

チーズ系ソース

チーズ系ソースにはパルミジャーノ・レッジャーノチーズ(日本でいうところのパルメザンチーズ)がよく使われます

カルボナーラ(carbonara)

カルボナーラもよく耳にすると思います。でも「あれっ、クリーム系に載せないでチーズ系?」っとお思いになる方もいらっしゃるのではないでしょうか?そうです。クリーム系パスタに分類しませんでした

実は本場イタリアでは生クリームを使わないからです。だからあえて今回はチーズ系で紹介します。「carbonara」」は「炭焼き職人風」という意味です。ベーコンと卵、粉チーズで作られます。

フェットゥチーネ・アルフレード(fettuccine alfredo)

「小さなリボン」という意味の「fettuccine(パスタの種類のところで紹介したタリアッテレの別名)」というパスタにバターとパルミジャーノ・レッジャーノチーズをのせた料理です。

名前の後半「alhuredo」はこのパスタソースを考え出したお店の名前(お店のシェフの名前でもあります)からとられました。イタリアよりアメリカでなじみ深いパスタソースです。

パスタ・イン・ビアンコ(pasta in bianco)

イタリアでの病人食です。日本でいうところの「おかゆ」のようなものです。茹でたパスタにオリーブオイルとパルミジャーノ・レッジャーノなどのチーズを振りかけただけのシンプルなパスタソースです。

vongole・biancoでも出てきた通りbiancoは「白色」を表す言葉です。

カチョエペペ(イタリア語: cacio e pepe)

カチョエペペのcacioは「チーズ」、pepeは「コショウ」を表します。ソースを作る時にパスタのゆで汁を加え、クリーミーでとろみのついたソースにします。

さいごに・・・

いろんなパスタソースをご紹介しました。しかし今回紹介したのはごく一部です。お話した通り、日本で考え出されたたらこスパゲティや大根おろしスパゲティなどがあるように、世界にはいろんなパスタの食べ方があります。

よって既存のパスタソースではなく、あなた自身が新たなパスタソースを考え出しても構わないのです。そう考えるとパスタの世界は無限ですよね。パスタを楽しみましょう。

もし、おいしいパスタソースができたらぜひ、ご一報ください。よろしくお願いします。

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