クジラとイルカの違いをご存じでしょうか?答えは、実はどちらも同じクジラです。大人の全長が4m以上だとクジラ、それ以下だとイルカと呼ばれております。この基準にハッキリした基準はなく、シロイルカは最長で5.5mですがイルカに判別されます。
クジラもイルカも同じ「クジラ目」に属する哺乳類ですが、「クジラ目」には「ヒゲクジラ類」と「ハクジラ類」に分けられます。この「ハクジラ類」は肉食でイルカやシャチも同じ「ハクジラ類」です。
分かりやすく説明すると、
- 大人の全長4m以上をクジラ
- 4m以下をイルカ
- イルカは「ハクジラ類」に属する
- 同じ「ハクジラ類」にはシャチも属する
となり、クジラ、イルカ、シャチは同じハクジラの仲間です。
この記事では、クジラとイルカの違いを解説し、両者の関係も説明します。
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目次
クジラとはなに?

クジラとは大人の全長が4m以上になる「クジラ目」に属する哺乳類です。クジラは「ヒゲクジラ亜種」と「ハクジラ亜種」に分けられます。
ヒゲクジラ亜種
全体的に体長が大きい種類が多いのが特徴です。体長は12から14m前後、体重は13tから18tで、地球上最大とも言われるシロナガスクジラもヒゲクジラ類の一種です。
ハクジラ亜種
顎に歯をもつのが特徴です。ハクジラ亜種は、顎の歯をつかい獲物に罠を仕掛けで捕食します。なかには自分の体長よりも大きい獲物を狙うクジラもおり、有名なのがダイオウイカを狙うマットウクジラです。
イルカとはなに?

イルカは大人の全長4m以下の「クジラ目」に属する哺乳類です。この4m以下という定義もあいまいで、中には5mのイルカも存在しております。
イルカが泳ぐスピードは?
イルカの泳ぐスピードは時速55キロほどです。それを群れになって1日中泳ぎ続けます。
水族館のイルカショーを見れば、その速さを実感することが可能です。
どこまで深く潜れる?
陸地から近い場所では水深4~20mほど、陸地から離れると水深100m以下まで潜ることが可能です。
水温だけでなく、水深が深い環境まで適応性があるイルカはやはり凄いです。
クジラとイルカの違いとは?

エサの種類と食べ方の違い
ヒゲクジラ亜種とハクジラ亜種はエサの種類、食べ方が違います。
ヒゲクジラ亜種
ヒゲクジラ亜種は、海中を漂うプランクトンをヒゲで絡めて丸ごと捕食します。海面に口を開けながらジャンプするシーンがこれです。
ハクジラ亜種
ハクジラ亜種のイルカは、小魚、タコ、イカを捕食。なかにはイカだけを食べるマッコウクジラやトリッククジラもいます。
イルカも含め、クジラは高い知能をもっているのが特徴です。
群れの作り方
クジラとイルカは普段の生活習慣も違います。特に群れでの生活方法に大きな違いが見られます。
クジラ
大型のクジラだと1匹での生活が基本です。理由は諸説ありますが、自身が出す声(周波数)が他のクジラと違うのが原因だと言われております。
大型クジラの生態は謎の部分が多く、今後この定説が覆るかもしれません。
イルカ
数十~数百匹の群れで生活するのが基本です。イルカは仲間と協力して獲物を狙います。効率的に獲物を狙うために群れでの生活は必要不可欠です。
群れで生活するのは、自分たちが生存するための手段だと言われます。
シャチも同じ仲間?

共通点は哺乳類
シャチもクジラと同じ「ハクジラ亜種」。体の大きさも模様も違いますが、クジラと同じ哺乳類です。シャチは「ハクジラ亜種」の「マイルカ科」に属しています。
大きさの違いで判別しているだけ?
シャチと呼ばれる理由は分かりやすい体色が理由です。シャチは別名「海のギャング」と呼ばれるほど獰猛(どうもう)な性格をし、アザラシなども捕食します。
実はシャチは非常に頭が良く、一部の水族館でも見ることが可能です。
まとめ
クジラとイルカの違いは体長4m以上がクジラ、4m以下がイルカと呼ばれているだけです。結局、大きさの違いだけでどちらも同じ仲間と言えます。
しかし中には体長4m以上のシロイルカや、8m前後のシャチがクジラと呼ばれていないなど、判別基準はあいまいです。クジラやイルカは見た目も生態もお互い違いますが、どちらも哺乳類だと言う共通点があります。
水族館で見かけることが多いイルカは、実は小型のクジラの群れを見ていたわけです。見た目が違うクジラとイルカですが、いくつかの共通点があります。それは音でほかの仲間とコミュニケーションをとることです。
クジラを例にあげると、数百キロ離れた仲間と音で会話が可能です。水族館で見かけるイルカも、音を出しながら仲間と連携して泳ぎます。見た目や大きさが違うクジラとイルカ。実は同じ鯨類(げいるい)です。
水族館でクジラとイルカをみかけたら、どちらも同じクジラだと驚くかもしれませんね。