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から揚げとフライドチキンの違いをご紹介・・あなたはどちらが好きですか?

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近年から揚げがブームですよね?私は田舎住まいなのですが、そんな私の家の近所(行動範囲内)にもから揚げの専門店が数件できたくらいです。私の甥や姪は「から揚げ週1回は食べたい!」と言うくらい子供たちにも人気ですし、大人の我らもビールのあてにもいいですよね。

そんなから揚げに対してフライドチキン。フライドチキンと言えばケンタッキーフライドチキンですよね。お店の前の銅像が創業者カーネル・サンダース氏。

カーネル・サンダース像というと1985年の阪神タイガース優勝の時に道頓堀に落とされて以来、(囚人のように?)チェーンで固定されてしまったことを思い出すのは私だけかもしれません。

本名は「ハーランド・デーヴィッド・サンダース」ですが、ケンタッキー州から食文化への貢献が認めらえて「カーネル」の称号が与えられたといわれています。

今回はこの2つの鶏肉の揚げものについての雑学をご紹介します。これを読めばこの2つの何が違うかが分かります

日本人の国民食ともいえるから揚げ

まずはから揚げについての歴史、そして日本各地にある特徴あるから揚げについてご紹介します。

から揚げの歴史

はじめにから揚げの歴史を簡単にご紹介します。

から揚げのように「食材に衣をつけて油で揚げる」という調理法は江戸時代に中国から日本に入ってきました。江戸時代に日本に入ってきたものは中国の精進料理の1つ「普茶料理」です。その中の豆腐を小さく切り、油で揚げ、しょうゆやお酒で煮たものがから揚げの原点ではないかと言われています。

日本の書物に「から揚げ料理」の記述が出てくるのは、20世紀に入ってからです。現在「から揚げ」の食材というと鶏肉を思い浮かべますが、20世紀も中ごろまでは魚を揚げたから揚げが一般的でした1970年代頃からやっと鶏肉を使ったから揚げが出始めたと言います。

日本各地のから揚げ

から揚げが日本の国民食ともいえるゆえんには各地に様々な特徴あるから揚げが存在することがあります。ここからはそんな各地のから揚げをご紹介します。

その前に、家庭での一般的な作り方を簡単におさらいしておきましょう。から揚げは・・・おろしにんにく、おろし生姜、酒、しょうゆなどを加えたタレに数分つけ込み、味付けした鶏肉に片栗粉などの衣をつけて揚げたものですよね。

それでは各地の鶏から揚げを見ていきましょう。

山賊焼(山賊揚げ)・長野県

長野県を中心にしたから揚げで、山賊焼山賊揚げと言われるものがあります。これには鶏モモ肉を使います。まず、モモ肉をすり下ろしたタマネギやにんにくを加えたしょうゆ味のタレにつけ込むのです。そして衣として片栗粉をまぶして油で揚げたものです。

黒から揚げ・岐阜県関市・栃木県佐野市

岐阜県関市には黒色をした「黒から揚げ」があります。これは「関市も世の中のB級グルメの波に乗ろう」という思いで考え出されました。真っ黒の衣にはひじきや関市名産のシイタケが入っています。

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関市の黒から揚げの「唐揚げ粉」は販売もされています。ぜひ一度ご購入を!

黒から揚げというと栃木県佐野市にも「佐野黒から揚げ」があります。(多くのから揚げはしょう油ベースのタレで味付けされますが)こちらのから揚げはなんと「ソース味のタレ」を使う決まりになっているのです。このソースの色がから揚げの黒さにつながっています。

手羽先から揚げ

手羽先とは鶏の羽先の骨周りについたお肉のことです。まずコショウや塩などで軽く下味を付けたお肉に、衣として片栗粉を付けて油で揚げます。その後、たれを塗り、塩・コショウ・ゴマを振りかけたものです。

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手羽先のから揚げは「名古屋めし」としても有名ですよね。名古屋には「世界の山ちゃん」や「風来坊」といった手羽先で有名なチェーン店もあります。
ちなみに「世界の山ちゃん」の創業者山本重雄会長は先ほど紹介した「黒から揚げ」の岐阜県関市出身です。

聖地??中津から揚げ・大分県中津市

大分県の中津市は「から揚げの聖地」と名乗っています。というのも中津市には多くのから揚げ専門店があることからのようです。「聖地中津からあげの会」を立ち上げ、ブランド化をしようともしています。

中津から揚げには決まりがないようで、お店によって味付けが違ってもいいのです。中津市のから揚げ愛は強く、1990年にケンタッキーフライドチキンの出店がされたものの5年後に撤退してしまったというエピソードもあります。

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でもから揚げ専門店の発祥の地は中津市の隣の宇佐市だそうです。

せんざんき・愛媛県今治市

せんざんき(千斬切・せんざん雉)は愛媛県東部の今治市辺りの郷土料理です。いろんな部位の鶏肉に下味をつけて骨ごと揚げます。この郷土料理、今でこそ鶏肉を使っていますが、江戸時代にはキジの肉を使っていたと言われています。

半羽揚げ・新潟県新潟市~三条市

この半羽揚げはその名からも想像できると思いますが、鶏肉の半身(はんみ)をそのまま使います。はじめに鶏を縦半分にさばき、その後骨が付いたまま薄い衣をつけて揚げます。お店にもよりますが、カレー粉をまぶしたカレー味のところが多いようです。

鶏の半身揚げ・北海道

新潟は半羽揚げでしたが、北海道は半身揚げです。この半身揚げには衣をつけません。塩やしょうゆのタレで下味をつけたお肉を油で素揚げします。小樽市から釧路市辺りが発祥と言われています。

フライドチキン

ここまでは日本のから揚げについてご紹介しました。ここからはフライドチキンについてのお話です。

フライドチキンの歴史

「フライドチキン」と言えばみなさんお馴染みのケンタッキーフライドチキンですよね。実はカーネル・サンダースが開発するよりずっと前からアメリカでフライドチキンは食べられていました。しかし白人が食べる料理ではなく、アフリカ系のアメリカ人が食べるものでした。

昔アメリカで「油で揚げるという調理法」は「鮮度が落ちた食材」や「骨の周りなどについた食べづらい部分」を食べられるようにするといった意味で考えられていました。つまり骨ごと油で揚げたフライドチキンは「人奴隷の食べ物」でした。

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日本での油で揚げる天ぷらや、油をふんだんに使う中華料理も高級というイメージがありますが、アメリカをはじめとする西洋の食文化の中では考え方が違っていました。

作り方

今回は(白髪・白ひげ・白スーツで世界的に有名な)カーネル・サンダースが考え出したケンタッキーフライドチキン。そのオリジナルチキン作り方をもとにご紹介します。

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ちなみにケンタッキーフライドチキンは日本に1172店舗、世界には25000店舗もあります。

お肉・5つの部位

ケンタッキーフライドチキンで同じオリジナルチキンを注文してもいろんな形のチキンがあると思いませんか?実はオリジナルチキンに使われているお肉には5種類の部位が使われています。皆さんもよくご存知の胸肉、モモ肉、手羽肉のほかに腰肉、さらに肋肉(あばらにく)が使われます。

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骨付きのチキンは食べにくいですよね。実は手羽肉の骨はひねると簡単に抜くことができます。また腰骨も簡単に抜き取ることができますよ。
日本のお店では国内産の鶏肉を使い、その産地(都道府県)がレシートに記載されています

作り方のルール

カーネル・サンダースが10年かけて考え出したこのフライドチキンの製法は現在にも引き継がれ、かつレシピはアメリア本部の金庫に厳重に保管されています。そんな作り方ですが今回はざっくりですがご紹介します。

①衣をつける

はじめに、先ほどご紹介した5つの部位の鶏肉に衣を付けます。この衣の粉にどんな物が入っているかも秘密にされています。その配合は世界で数人しか知らないのです。

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公表されているのは11種類のスパイスやハーブが入っているということだけで、11種類がどんなものでどんな分量なのかは明らかにされていません。

また、鶏肉への衣のまぶすまぶし方にも決まりがあります。まず、大きなトレイいっぱいに入った粉の上に生肉を置きます。そして、次に粉の下に手を潜り込ませて、下から上へと10回かき混ぜます。その後粉の中に埋もれたお肉を上から7回押えるのです。

最後に余分につき過ぎた粉をお肉から落とすのですが、これにもルールがあります。まずお肉を右と左の手の指で1つずつ摘みます。摘まみ上げたお肉を1回振ったあと、右手と左手の小指側を1回たたき合わせ、その振動で落とします。これで下準備完了です。

②油で揚げる

次に油で揚げる工程です。衣をつけた鶏肉をまとめてかごの中に入れます。そしてかごごと加熱した油の中に入れ、なんと蓋をします。蓋も簡単には開かないようにコックを回して締め付けます。この「蓋を閉める」ことがケンタッキーのキーポイントです。なんとフライヤーが圧力鍋になっているのです。15分圧力をかけて揚げることでお肉がふっくらかつ、ジューシーに仕上がります。

1991年にケンタッキーフライドチキンではなくなりました

今までさんざん「ケンタッキーフライドチキン」とお伝えしてきたのですが、実は1991年に本場アメリカではカーネル・サンダースが創り出したケンタッキーフライドチキンはケンタッキーフライドチキンではなくなりました
フライド(Fried・揚げ物)という言葉は健康志向が高まった世の中にマッチしないからだとか、ケンタッキー州が「ケンタッキー」という言葉を商標登録したからだとか言われています。現在アメリカでは「KFC」です

まとめ

フライドチキンとから揚げの違い、お分かりになられたでしょうか?

一般的なから揚げは数分タレにつけ込んだお肉を揚げますが、日本各地のから揚げの中にはフライドチキンと同じように粉を付けて揚げるところもありました。ケンタッキーフライドチキンは圧力をかけて油で揚げますが、これはカーネル・サンダースが考えた方法であり、一般的には圧力はかけません。

実は「から揚げ」、英語では「Fried Chicken」と言います。逆に言えば、ケンタッキーフライドチキンもから揚げの1種類なのです。違いと言えば、から揚げとフライドチキンそれぞれのルーツと、「から揚げ」という料理は鶏肉に限らないということです。

今晩の夕食はから揚げにしませんか・・・・?

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