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あなたは乾物と干物の違いわかりますか?~干物は乾物の中の1つです。

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「あなたは乾物を好きですか?」

あなたが思い浮かべた乾物はどんなものでしょう・・・?

「それでは干物は好きですか?」と聞かれた時、今度はどんな干物を思い浮かべましたか?

今回はこの2つの言葉「乾物」「干物」についての雑学です。「乾物」、「干物」とはどんなものか。また、「干物」といっても作られ方によりいろんな種類があります。そういった干物の種類や昔から日本に伝わる乾物についてご紹介します

(「干物」は「ひもの」としか読みませんが、「乾物」は「かんぶつ」以外にも「ひもの」とも読みます。混同しないためにも今回は「乾物」は「かんぶつ」としてご紹介します。)

干物とは

はじめに「干物とは何か?」についてご紹介します。

干物とは魚介類や海藻類を乾燥させ、長持ちするようにした食べ物です。「干物」と言っても使われる魚介類や作り方によりいろんな種類があります

干物の種類

ここからはいろんな干物の作られ方による分類をご紹介します。

素干し

はじめに「素干し」をご紹介します。素干しは読んで字の如く、獲ってきた魚介類を(ほぼ)そのままの状態で天日干し、乾燥させる方法です。

例:たたみいわし、身欠き(みがき)にしん、するめ、出汁昆布など。

塩干し

素干しは獲ってきたそのままを干しましたが、塩干はなんと獲ってきた物を1度塩(または塩水)に漬けます。その後乾燥させます。

:からすみ、めざし、魚の開き(アジ、サバ、サンマ、イワシ、ホッケ、キンメダイ、カマスなどの開き)。

煮干し

みなさんご存知の「煮干し」です。出汁をとる時によく使う魚です。こちらも読んで字の如くと思い、改めて字を読むと「煮て干す」ですよね。「煮るってどういうこと?」と感じる方も多いのではないでしょうか?実は「煮る」という表現に語弊があります。「煮る」というより塩を入れて「塩茹で」するのです。

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「昆布が海の中で出汁が出ないのなんでだろう?」
を思い出すのは私だけでしょうか?塩茹ですると魚の腐敗を遅らせることができます
ちなみに2月14日は全国煮干協会が制定した「煮干の日」です。「に(2)ぼ(1=棒)し(4)」という語呂合わせから付けられました。

煮干しに使われる魚:煮干しとして有名なのがカタクチイワシやウルメイワシですよね。そのほかにもトビウオやマイワシ、キビナゴ、サバ、アジなどがあります。また、シラスカタクチイワシやマイワシなどの幼魚を塩茹でして天日干ししたものです。

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シラスとシラウオは違うものです。
シラスはカタクチイワシやマイワシなどの幼魚でまだ色素がない魚の総称です。シラウオは魚の名前でキュウリオ目シラウオ科の魚のことを言います。お間違えなく。

焼干し

はじめに内臓を取り除いた魚を炭火で焼きます。その焼いた魚を天日干や陰干ししたものです。伝統的には囲炉裏を使い、藁で作った「わらづと」に刺し、吊るし、いぶしながら乾燥させていました。

使われる魚:イワシ、トビウオやハゼなどの海水魚からイワナやアユといった淡水魚まで様々です。

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宮城県などではお雑煮に焼干ししたハゼを使います。

節類(ふしるい)

「節類って?」と「?」を浮かべる方も多いのではないでしょうか?みなさんお馴染みのかつお節などのことです。

節類の例:鰹節(カツオ)、宗田節(ソウダガツオ)、鯖節(サバ・ゴマサバ)、鮪節(マグロ)、鯵節(ムロアジ)、鰯節(カタクチイワシ、マイワシなど)

ちょっとブレイク~かつお節の製造工程と途中の名前

節類の製造工程をかつお節を例に紹介します。かつお節は製造中間品にもいろいろ名前がついていますので名前と共に作られ方を見ていきましょう。

①なまり節

まず、内臓をとった魚を煮熟(しゃじゅく・90℃のお湯で煮込む)します。そして冷やして骨や鱗(うろこ)をとったのが「なまり節」です。

②荒節

次に「焙乾」という工程です。樫(かし)や楢(なら)の木を燃やしてなまり節をいぶします。いぶしてできるのが「荒節」です。

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スーパーなどでよく目にする「花かつお」や「かつお削り節」はこの「荒節」を削ったものです。

③裸節

焙乾してできた荒節を今度は1~2日天日干しし、その後表面を削ります。削って形を整えるのと同時に焙乾の際ににじみ出た脂肪分を取り除く工程です。こうしてできるのが「裸節」です。

④枯節(または本枯節)

最後の工程です。裸節に今度はなんとカビ菌を噴きかけます。カビ菌を噴きかけ、室(むろ・カビが好む高温多湿の部屋。「カビ付け室」ともいます)に2週間ほど。青緑色のカビが生やすのです。そして1度室から外に出し、カビを軽く落としながら日干しします。このカビ付け、日干しを数回繰り返してかつお節(枯節)の完成です。

凍干し

魚介類を冬の乾燥した寒さの中で凍結乾燥させる方法です。一番よく知られているのは寒天だと思います。また北海道や東北地方ではマダラやスケソウダラを使って作られる「棒鱈」も凍干しで作られます。

灰干し

植物(シダ、わら、ススキなど)の灰や、火山灰などを新鮮なわかめに振りかけ、天日干しするものです。「灰干しわかめ」といいます。灰を付けると(付けずに干したわかめに比べて)わかめの香り、色、歯ごたえが長く保たれます

乾物とは

干物は魚介類や海藻類を乾燥させたものでした。乾物とは常温で長期保存できるように水分を蒸発させた食品のことを言います。ここで言う「食品」とは野菜をはじめ海藻類、魚介類も含みます

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つまり「干物」も乾物のうちの一つです。

主な乾物

ここからは主な乾物をご紹介します。魚介類や海藻類については「干物」のところでお話ししたので、それ以外の日本に昔から食べられている乾物についてご紹介します。

干ししいたけ

収穫した生のしいたけを天日干ししたものです。

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魚介類のみならず、干すことでいい出汁の素となります。
でもこの干ししいたけ、苦手な人が多い乾物でもありますよね。

干芋

蒸(ふ)かしたサツマイモを切り、天日干しします。

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冬の季節、ストーブの上で焼くとおいしいですよね

切干大根

切って茹でた大根を冬の乾燥した気候を利用して乾燥させます。

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一般的に切干大根は細長く切った大根を乾燥させますが、岐阜県飛騨市の山之村では厚さ2センチくらいに輪切りにした大根を干して作ります。

かんぴょう

お寿司屋おせち料理などでご存知のかんぴょう。ユウガオの実を専用のカンナで削り干したものです。

最後に

結論・干物は魚介類や海藻類を乾燥させたもの。干物を含めた乾燥させて長期保存できるようにした食べ物全般が乾物です。

今回は紹介しなかったのですが、ドライフルーツ、うどんやそば、ひやむぎなどの乾麺、緑茶や紅茶などのお茶の葉乾物です。

さらに日本人の食事には欠かせない食物も乾物です。それはお米です。稲作を行ったことがある方はご存知かと思いますが、昔は収穫後の田んぼに稲を稲架掛け(はさがけ)して乾燥させていました。現在は稲架掛けするところは少なく、ほとんどが機械で乾燥させています。

お米もそうですが、小麦を含めた穀物全て乾燥させますよね。あなたは今日、何種類の乾物を口にしましたか?

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