近年、スマホなどゲームでアイテムをもらう「ガチャ」という言葉をよく耳にしますが、今回はリアルなガチャ、いわゆる「カプセルトイ」についてのお話です。
近年カプセルトイを日本のお土産として購入する外国人も増えています。それゆえ、空港にガチャガチャエリアを設けている所も増えています。しかし、ガチャガチャは実は日本発祥ではありません。アメリカ発祥なのです。
今回はそんなガチャガチャの雑学です。はじめに、あらためて「ガチャガチャとはどんなものか」についてお伝えします。その後(フィギュアや小型玩具が入っている一般的なものとは違う)ちょっと変わったものや面白いもの。さらにはお得感があるものが入ったガチャガチャをお伝えします。
目次
あらためてガチャガチャとは?
みなさん「ガチャガチャとはどんなものか」ご存じかと思いますがあらためてご紹介します。
ガチャガチャとは小銭を入れてハンドルを回し、出てくるカプセルの中に玩具などが入っている。カプセルの中には何が入っているか分からないという、(電気を使わない)「自動販売機」の一種ですよね?
日本では玩具産業の1部門にもなっているガチャガチャですが、(冒頭にも書きましたが)日本発祥ではありません。アメリカで開発されました。日本には1965年にアメリカから入ってきて1970年代に全国へと広まってゆきました。
私が小さい頃は駄菓子屋やスーパーマーケットなどの一角に数台あるだけでした。しかし、現在は空港をはじめ街中にも1スペース(部屋)丸ごとガチャガチャエリアになっているとこもあります。
これまで日本では一世を風靡(ふうび)したガチャガチャがいくつかあります。例えば
- キン消し:1980年代から売り出された漫画キン肉マンに登場するキャラクターのゴム製フィギュアです。これまでに1億8000万個も販売されています。
- コップのフチ子さん:2012年に発売されました。コップなどの縁に座るOL風のフィギュア。当時10万個販売できれば「売れたなぁ」と思えるくらいだったのが2000万個も売り上げています。
など。
みなさんは思い出のガチャガチャはありますか?
面白いガチャガチャ
ここからは、面白いガチャガチャをいくつか紹介します。フィギュアなど小型玩具が入っているのが一般的な中、面白いもの、変わったガチャガチャ、お得感があるものを厳選しました。
赤の他人の証明写真!
あなたは他人の証明写真をじっくり見たことがありますか?会社の人事担当者でない限りほとんどの人は経験がないと思います。なんと赤の他人の証明写真が出てくるガチャガチャがあります。俳優の卵が小遣い稼ぎに撮った写真ではなく、一般の人の証明写真が1枚カプセルに入っているのです。
このカプセルトイを考え出した方は、コロナ禍で人とのかかわりが減ったこと。また近年、加工した写真。「盛った」写真。「映え」ている写真がSNSなどで増えている中、こういった写真でない、飾らない「素の姿」が証明写真にはあることに気付きます。こういったことからガチャガチャにしました。
第一弾の証明写真には考案者の知り合い10人にお願いしました(パートで働く主婦、就職活動中の人、小学校の教頭先生など)。カプセルには写真が1枚入っているだけ。だからどんな職業の人かなど全く分かりません。これもこだわった点の1つだそうです。
知らない人が真面目な顔をした証明写真、1枚300円です。
石(ici)
ご存じの方もいるのではないでしょうか?石が出てくるガチャガチャです。この石(ici)は本物の石ではありません。でも石を忠実に再現するために本物の石から型を取って作られた小物入れです。
日本ガチャガチャ協会の会長が「ガチャガチャに入っているものなら石でも買うかもしれない!」と言ったことが発端で作られました。この言葉を聞いた製作担当者、なんと子供と近所の河原に石を拾いに行きます。そしてこの拾ってきた石を中国へ送り3Dデータを取ったといいます。
中国へ石を送る際、税関で「どうして石を送るのか?」と尋ねられ、理解してもらうのに苦労したといいます。
本物と見間違えるような石(ici)。計6種類あり、鍵や小銭などが入れられる小物入れになっています。
知らない人からの手紙
知らない人から手紙が届いたら怖いし恐ろしくて封も開けたくないでしょう。しかし、買うのであればどうでしょう?これは、そんな知らない人からの手紙が入ったガチャガチャです。「知らない人」とはいえ、いろんな「差出人設定」のガチャガチャがあります。
例えば「じぃじ&ばぁばの便り」には6つのキャラクター設定があります。
- 悟りばぁば(107歳):仏のように悟ったばぁば。
- 口説きじぃじ(82歳):いまだに現役の恋愛じぃじ。
をはじめ「戦略じぃじ」「フォーチュンばぁば」「一流じぃじ」「知恵袋ばぁば」の計6つのキャラクターがあります。このガチャガチャに入っている手紙はデイサービスを行う会社が、利用されているお年寄りたちに手書きしてもらい、印刷したものです。
収益の一部が施設の利用料にあてられているようです。
「じぃじ&ばぁば」以外にも「妹からの手紙 お兄ちゃんへ・・・」というものもあります。この手紙にもいろんな設定があります。例えば「両親が離婚して離れ離れになった」や「私たちに弟はいなかった?」といったミステリアスな話まで。こちらも20代~40代女性が書いたものを印刷しています。
この他にも「手書きのラブレター」や「お母さんからのやさしい手紙」といったものもあります。
ガチャめし
高速道路で兵庫県を旅行中「お腹が空いた」と思った方。丹波篠山の西紀サービスエリア下り線では行楽シーズンなど期間限定の「ガチャめし」があります。500円のガチャガチャのカプセルの中に食券が入っていて、その食券に書かれた食べ物が当たります。
どんな料理の食券が出てくるかはあなたの運次第。
もちろん返品や交換はできません。
石膏(せっこう)像のカプセルトイ
みなさん「石膏像」と聞いてわかるでしょうか?美術のデッサンなどで使われる石膏で作られた「像」のことです。この石膏像が出てくるガチャガチャがあります。
芸大出身者などはよくご存じだと思いますが、有名なブルータスやラボルトなど全10種類のミニチュアがあります。材質は本物の石膏ではなくポリストーンという樹脂を使用しているのですが、石膏像の細かな所まで上手く再現されています。
石膏像風に仕上げたもの以外に大理石風に作られたものもあります。
本物の宝石ネックレス
なっ!なんと本物の宝石が付いたネックレスがガチャガチャで販売されています。1つ500円。ホワイトトパーズ、ガーネット、ペリドット、ルビー、ブルートパーズの5種類のうち1つが付いたネックレス(カプセル)が入っています。
ガチャガチャだから、やはりこれも欲しいものが当たる場合もあれば、どうでもいい宝石のネックレスが当たる場合もあります。
小中高生のみなさん、買ってみてはいかがでしょうか?
パワーストーン
宝石のネックレスに続いて、こちらも鉱石(こうせき)です。ハウライトトルコ、カーネリアン、タイガーアイなど、合計12種類のパワーストーンと言われる石があります。1回100円でパワーストーンが1個、小さな巾着に入っています。
あなたも綺麗に磨かれた100円の鉱石で幸運をつかみましょう!
ちょっとブレイク~宝石と鉱石
パワーストーンや宝石のネックレス出てくるガチャガチャを紹介しましたが、あなたは宝石と鉱石の違いわかりますか?
実は宝石も鉱石の1つです。またパワーストーンのガチャガチャに入っている石たちも(綺麗ですし)ある意味宝石です。あえて違いを探すなら「希少性」だと言えます。宝石は「宝の石」と書きます。パワーストーンもあなたにとって「宝」だと感じれば「宝石」なのです。
塩の雑学で紹介した岩塩は鉱物だとお伝えしました。岩塩にもきれいなものはいくつかありますから「宝石(鉱石)の仲間」にしたいところです。しかしなんせ岩塩は(「岩の塩」と書きますが)「塩」です。しかし水に溶けてしまいますから「鉱石」ではありません。
ケーキが出てくる!!
とある洋菓子店では「ケーキが出てくる」ものがあります。これはガチャガチャというより自動販売機なのですが、どんなケーキが出てくるかわからないのです。つまり欲しいケーキが出る場合もあれば期待外れなこともあります。
このケーキガチャは洋菓子店で売れ残ったものが出てきます。だから味は保証できます。「売れ残り」という意味ではフードロス対策にもつながるエコなガチャです。
ケーキは冷蔵が必要であること、また形が崩れないようにということで自販機での販売となっています。
ガチャガチャの大人買い!
ガチャガチャというと「全部そろえるために、いくらお金を費やしたか」という方もいると思います。お金だけのみならず、ストレスもたまりますよね。
実はガチャガチャも大人買いができるものがあります。「大人買い」というと「子ども向けの商品などを大人が箱ごと買う」といったイメージですよね。インターネットでは問屋から40個(など)買う(仕入れる)こともできます。また、シリーズ全ての種類を1つずつまとめて購入することもできるのです。
インターネットで「欲しいガチャガチャの名前、フルコンプ ガチャガチャ」で検索してみてください。するとお目当てのガチャガチャ全種類を購入できるサイトが出てきます。値段は少しお高めですがストレスなく買うことができます。
最後に~「ガチャガチャ」は登録商標
いかがでしたでしょうか?やってみたいガチャガチャはありましたか?最後ではありますがここまで話してきた「ガチャガチャ」は全てが「ガチャガチャ」というわけではありません。
実は「ガチャガチャ」はバンダイの登録商標なのです。だからバンダイ以外のカプセルトイはガチャガチャではありません。また「ガシャポン」「ガチャポン」もバンダイが商標登録をしています。ちなみに「ガチャ」はタカラトミーアーツの登録商標です。
さらに「ガチャガチャ」はカプセルトイ以外に、「カバヤ食品」が玩具菓子に商標を登録されています。
この登録商標がテレビ番組で少し問題になったことがあります。フリーアナウンサー羽鳥慎一さんの「子供は親が選べない『親ガチャ』」の説明の時です。羽鳥さんは「『ガチャガチャ』は(『登録商標』なので)言えない」と言いました。さらにその翌日「『親ガチャ』も(『ガチャ』が使われているから)深く追求するとダメ」と言いました。
この「親ガチャ」という言葉の説明で「バンダイのガチャガチャ」を連想し、商品イメージを侵害したかが問題です。インターネット上でも話題になりました。