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工場で作られている野菜があることをあなたは知っていますか?

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野菜はどこでつくられているか尋ねられた時、普通「畑」と答えるのではないでしょうか?あまり見かけないかもしれませんが、なんと野菜を作るための「工場」でがあり、そこで栽培されている野菜もあります。今回はこのような野菜工場の雑学です。

野菜工場には大きく2つの形があります。太陽の光を利用するものと、人工的にライトを用いるタイプです。今回はこれら2種類の説明から始まり、工場で野菜を作るメリットやデメリット。野菜工場で作られる野菜の種類をお話しします。

これを読めば工場野菜に興味がわくこと間違いなし!です。

野菜工場とは・大きく2つに分けられる

野菜工場には大きく分けて2つの種類があります。

  1. 太陽の光を利用する工場
  2. 人工光(ライト)を用いて育てる工場

です。どちらも主に水耕栽培が用いられていますが、ここでは施設についてお伝えします。

①太陽の光を利用する工場

この工場は太陽の光のみで野菜を育てます。ビニールハウスなど温室を用いた野菜工場です。このような野菜工場を半閉鎖的環境型太陽光利用型といいます。

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代表的な物は1985年に開催されたつくば万博、ここで紹介された水耕栽培を行う温室トマトです。当時「1本の木から1万個のトマト」と謳い、トマトの巨木が展示されていました。

②人工光(ライト)を使う工場

太陽光を利用した半閉鎖的環境型とは異なり、完全に太陽光をシャットアウト。人工的なライトの光で野菜を育てる方法です。このような工場を閉鎖型環境型完全人工光型といいます。ライトには高圧ナトリウムランプ、蛍光灯、発光ダイオードなどを利用します。

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高圧ナトリウムランプはトンネルに設置されているオレンジ色のライトと同じです。
また、発光ダイオードとはLEDライトのことです。

この工場の外観は普通の機械工場と変わらない「まさしく工場」といった感じです。多くの棚で野菜が作られています。

完全閉鎖型工場で野菜を作るメリット

気象に左右されない安定生産

畑で野菜を栽培する場合、気象条件により収穫量が少なかったり多すぎたりします。収穫量が少ないのも困りますが、多すぎるのも市場価格が下がり問題です。その点、野菜工場での生産は、天候に全く左右されません。雨が降ろうが、槍が降ろうが、工場が稼働すれば野菜を作ることができるのです。

また、生育条件が一定なでの収穫量も一定、作りすぎることもありません。生産量がわかるので安定した価格で供給できるのも利点です。

安定しているのは生産量や価格だけではありません。生育条件が一定ということは品質(味)も当たり外れなく、いつも安定したものができるのです。

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安定した供給量や価格、味も一定ということで飲食店などが提携して工場野菜を利用しています(焼肉店のサンチェ、コンビニのサンドウィッチ用のレタスなど)。また、大手外食チェーン大戸屋は自社野菜工場を立ち上げ、生産。利用しています。

食の安全性

普通、畑にはいろいろな虫がいます。しかし(野菜)工場には虫がいません。虫がいないということは農薬を使う必要がないのです。そのため無農薬で安全な野菜を収穫できます。

生産スピードの速さ

畑でレタスを育てようとすると、同じ耕作地において年間1~3回しか収穫ができません。それが、野菜工場ではレタスの性質に合わせた光、気温、二酸化炭素濃度、栄養をコントロールすることで、1培地で年間10回も収穫することができるのです。

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また光の波長や養分を調整することで甘みがあるレタスを作ることもできます。

土地面積当たりの生産量

普通の畑は(当たり前ですが)地面に直に植えるので、1平方メートルの土地に1平方メートルの作付面積しか取れません。しかし野菜工場は棚で栽培することができます。そのため単位面積当たりの生産効率がいいのです。

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平屋のアパートの床面積(畑)と高層マンションの延べ床面積(工場)の違いと同じです。

労働者の作業軽減

畑仕事は重労働です。肥料を加えて土を作り、鍬(くわ)で掘り起こし、苗を植え、水をやり、雑草を抜き…。また野菜を作るノウハウも必要です。しかし工場ではこれらの仕事はありません。またすべての作業はマニュアル化されており、農業に疎(うと)いアルバイトでも作業できるのです。

連作障害がない

畑では、次も同じ野菜を植えると育たない連作障害が起きます。しかし、工場では障害を引き起こす土壌細菌はいません。養分の濃度を管理することで同じ野菜を繰り返し育てることができます。

野菜工場のデメリット・普及しない理由

栽培できる品目が少ない

まだ工場で栽培できる野菜の種類が少なく、多くの種類に対応した技術が確立されていないという欠点があります。

経費がかかる

何といっても費用がかかるということです。工場建設といった初期費用はもちろん、ランニングコストもかかります。特に光源。太陽光を利用する工場ではかかりませんが、人工光の場合はかなりの電力がかかります。

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人工光の強さは1万ルクスほど。昼間の太陽の光は10万ルクスと言われているので雲泥の差です。

工場で作られる野菜の種類

人工光を用いた工場野菜

(太陽光と比べて弱い)人工光でも育つ野菜として、次のような葉物野菜が多く作られています。

  • レタス類
  • ルッコラ・バジルなどのハーブ類
  • 小松菜・ほうれん草
  • アイスプラント(ツブリナ) など。

葉物野菜の中でも特にレタス類が多く作られており、人工光型の工場野菜の中の90%近くを占めています。

太陽光を利用した工場野菜

  • トマト類(大玉トマト、ミディトマト、ミニトマト)
  • いちご
  • パプリカ
  • ピーマン
  • キュウリ  など。

トマトはこれまでの工場栽培におけるデータが多いこと、また安定した需要があるため太陽光を利用した工場野菜で最も多く(60%以上)作られています。

最後に

いかがでしたか?野菜工場に興味を持っていただけたかと思います。

工場で作られる野菜は割高とお伝えしましたが、実はスーパーで最も安く売られている野菜が工場で作られています。それはモヤシです。モヤシも歴とした工場野菜ですよね。

この他に、馴染みある工場野菜としてカイワレ大根、野菜ではないのですが、ブナシメジやエノキダケなどのキノコ類もあることをお気付きでしょうか?

とはいえ今後、日本では今まで以上に工場野菜が増えていくでしょう。毎日の食卓に必要な野菜だけに、安く作られる技術が出てくることを願いたいです。

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