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うま味は「うまい味」という意味ではない?うま味の意味と歴史について解説!

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フランス料理、イタリア料理など、世界各国には、その地域特有の料理がたくさんあります。日本の食事は「和食」と呼ばれており、海に囲まれた地形を活かした海産物を活かした料理や、古い時代から製法が脈々と受け継がれてきたしょうゆや味噌などを使った料理が特徴です。

「ヘルシーで美味しい」と絶賛されている「和食」ですが、そこには「うま味」の存在があります。世界的に5つある基本味の1つである「うま味」ですが、その言葉の由来として多くの人が思い浮かべるのは「うまい味」だと思います。ですが、真実は違いました。実はうま味=うまい味ではのです!

今回の記事では、そんな「うま味」の真相に迫っていきたいと思います。

そもそもうま味とは何か?

うま味は味の要素を構成する基本味の1つです。基本味には5種類あり、うま味の他に「酸味・苦味・甘味・塩味」があります。うまい味だから「うま味」ではなく、基本味の中の名称の1つというわけですね!うま味の成分の代表的なものとして、グルタミン酸・イノシン酸があります。

グルタミン酸は植物、イノシン酸は動物に多く含まれています。その他にも、きのこ類に含まれるグアニル酸にもうま味の成分の1つです。

ほと

酸味・苦味・甘味・塩味ときて、うま味と来るのは何か違和感がありますね…。

うま味の歴史にせまる!

うま味は、1908年に日本で池田菊苗(きくなえ)という人物によって発見されました。池田菊苗は発見当時、東京帝国大学(現:東京大学)の教授で、だし昆布の中からうま味の成分の1つであるグルタミン酸を発見します。

うま味が日本で発見されることは必然だった?

うま味が日本で発見され、逆に他の国で発見されなかった理由として

  • 日本の食文化
  • 水の性質

以上の2つがあります。

1つ目の日本の食文化に関しては、日本料理の基本である「だし」が使われていることが大きな理由です。日本料理では基本的に出汁を取る際、昆布やかつお節を使用しますが、それらの食材はうま味の成分であるグルタミン酸やイノシン酸を多く含んでいます。2つ目の水の性質は「軟水であるか硬水であるか」という話です。

海外、主に欧米の国々では、コンソメの様な「だし」によってうま味の成分を増やし、料理を美味しくいただく方法自体は存在していました。しかし、水が硬水であったために、食材から出汁が取りにくい状態でした。対して日本は水が軟水であったため「だし」が取りやすく、出汁を使った食文化が発展したのです。

うま味は当初基本味として認められなかった!

うま味は1908年に日本で発見されましたが、実は2000年まで「基本味」として認められていませんでした。その理由として前述の「欧米では水の影響によってだしが取りにくい」というものがありました。

確かに欧米ではだしが取れず、うま味の成分を出せませんでしたが、トマトやチーズといった欧米特有の食材の酸味でうま味の成分を味わっていました。また、肉料理の煮汁でうま味の成分を多く摂ることができていたために、うま味の成分を増やすという行為に着目することはなかったのです。

なので、池田菊苗の提唱した「うま味」は欧米としてはピンとこず、うま味は他の基本味がうまく調和したものであるという結論になっていました。

うま味が世界に認められたきっかけは?

しかし、2000年の「グルタミン酸受容体」の発見によって「うま味」という味が実在すると証明されました。「グルタミン酸受容体」は舌の味蕾(みらい)という部分の感覚細胞に存在します。これは、グルタミン酸を「味の情報」として受け取るもので、この発見によって「うま味」は基本味の1つとして、世界に認められるようになりました。

ほと

文化の違いゆえに「うま味」はなかなか世界に認められなかったわけですね!

日本食おなじみの食材にはうま味の成分がたっぷり!

日本といえば、漁業がさかんで海産物が多く獲れます。また大豆を加工した食品の生産も古くから行われていて、特にしょうゆや味噌は日本食には欠かせないものとなっています。この2つの特徴は、日本の「うま味大国」の地位を不動のものとしています。

昆布とかつお節

うま味発見の立役者である「昆布」にはグルタミン酸が多く含まれており、汁物のだしや煮物などに利用されています。また、食物繊維・カルシウム・鉄分、そして私たちの生命維持には欠かせないヨウ素を含んでいます。美味しくヘルシーにいただける食材と言っても過言ではないでしょう!

また、かつおの身を乾燥させてから、それを削って作るかつお節ですが、うま味の成分の1つであるイノシン酸を多く含んでいます。こちらもだしを取る際によく使われるものです。かつおに限らず、魚介類はこのイノシン酸を多く含んでいます。周囲を海に囲まれた国である日本は「うま味の宝庫」であると言えるでしょう!

しょうゆや味噌

しょうゆや味噌の原料である大豆には、うま味の成分の1つである「グルタミン酸」が多く含まれています。和食でおなじみの調味料なので、知らず識らず「うま味」のあるしょうゆや味噌を食べていたという人も多いと思います。

ほと

日本でおなじみのお味噌汁にも、うま味はたっぷり含まれています!

お手軽にうま味を味わえる!うま味調味料!

いくらうま味の生物を味わうことができるからと言っても、毎日の食事で昆布やかつお節からだしを取るのは面倒です。そこに着目して開発されたものが「うま味調味料」です。うま味調味料はうま味の成分が含まれている食材からうま味だけを取り出し、粉末状にしたものです。

味つけに迷った際にこれを投入しておけば、間違いないです。

ほと

日本のうま味調味料メーカーとしては、味の素が有名ですね。

うま味は英語で〇〇と言う!

うま味は英語で「Umami」と呼ばれています。さらに基本味4種の中に、遅れて追加されたエピソードも相まって「the hidden fifth taste(隠されていた第5の味)」と呼ばれることもあります。

ほと

他の基本味に比べて浮き気味なのが逆に面白いですね!

まとめ

  • うま味は、基本味の1つとしての名称。うまい味だからうま味ではない。
  • うま味は1908年に日本で発見され、2000年のグルタミン受容体の発見によって、基本味の1つとなった。
  • 日本の水の性質と食文化によって「うま味」は生まれた。
  • うま味の成分は海産物や大豆製品に多く含まれている。
  • うま味は英語でUmamiと呼ばれている。

いかがでしたでしょうか?うま味をうまく扱うことによって、さまざまなメリットが得られます。うま味の成分がある食材を調理すると、各食材によって甘みや酸味が出ます。つまり調味料によって、味付けをする量が減ります。普段から健康に気を使っている人にはピッタリですね。

今回の記事で名前が出た食材以外にも「うま味」を味わえる食材は多くあるので、ぜひ探してみてはいかがでしょうか?

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ほと
趣味はオンラインゲームなど。身近な疑問を解決する記事を日々書いています。