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さつまいもの雑学~あなたが好きなのはほくほく系?ねっとり系?

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皆さんが「秋を感じる食べ物」というと何でしょう?栗や柿、サンマなどがある中、なんといっても庶民の秋の味で忘れてはいけないのは「さつまいも」だと思います。幼稚園や小学生時代に「芋掘り」を行ったという方もいるのではないでしょうか?またさつまいもチップス「おさつどきっ」が販売される季節ですよね。

現在、さつまいもがブームといっても過言ではありません。街にはさつまいもスイーツ専門店もありますよね。数あるお芋の種類の中でさつまいもがスイーツとなるのはその甘さからです。

英語でさつまいもはsweet-potatoといいますよね。これはジャガイモ(potato)に対して「甘い芋」という意味で付けられましたが、英語だけではありません。フランス語やイタリア語でもさつまいもに「甘い芋」という意味の言葉が当てられています。

そんなお笑い芸人「スピードワゴン」の井戸田潤の「あま~い!」という声が聞こえてきそうな「さつまいもの雑学」です。歴史、人気の品種、ジャガイモとの違い、さつまいもを原料にして作られるもの等などをご紹介します。

歴史

さつまいもはいつ頃から作られているかというと、なんと紀元前1000年ごろからと言われています。原産地は中南米です。そんなさつまいもは、15世紀末にコロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパに持ち帰ります。でも暑い地域の作物であるさつまいもは。残念ながらヨーロッパでは広まりませんでした。その後ポルトガル人によって(インドや東南アジアといった)当時の植民地の国々に伝えられたと言われています。

日本には中国から1600年ごろ当時の琉球(沖縄)に伝えられました。その後、当時の薩摩藩であった鹿児島県で作られるようになり、皆さんご存知の「さつまいも」と呼ばれるようになりました。

JIKU

現在世界には4000品種のさつまいもがあり、日本だけでも40品種があると言われています。

さつまいもの品種~あなたが好きなのはほくほく系?ねっとり系?

以前はさつまいもというと「ほくほくしたもの」というイメージだったと思います。しかし近年、安納芋に代表されるようなねっとりしたものの人気が高まってきています。今回はそんなさつまいもの品種をほくほく系ねっとり系、さらにしっとり系の3つに分けてご紹介します。

ほくほく系

鳴門金時

鳴門金時は鳴門海峡に接する大毛(おおげ)島が発祥です。中が黄金色に輝くことからこの名が付けられました。糖度も高く、栗のようにホクホクした食感が特徴です。

紅あずま

紅あずまは中が黄色で、皮は少し紫がかった紅色をしています。収穫後2ヶ月くらい貯蔵することで、でんぷんが糖に変わり、より甘くなります。

高系14号

鳴門金時や紅あずまと同じ系統なのがこの高系14号です。ホクホク間だけでなく、ねっとり感も味わうことができます。早取りができ、長期間保存がきくのも特徴です。

紅さつま

西日本で多く栽培されているのがこの紅さつまです。高系14号から作られました。やはり高系14号と同じくホクホクした食感が特徴です。鹿児島を代表するさつまいもです。

紅こがね

紅あずまを品種改良して作られたのがこの紅こがねです。紅あずまに似てホクホクしているのが特徴です。デンプンを多く含むので、収穫後、しばらく保存すると甘さが増してきます

ねっとり系

安納芋

ねっとり系のさつまいもの代表格と言っても過言ではないのが安納芋ですよね。収穫したては焼いてもホクホクしてねっとり感は感じられません。2週間ほど貯蔵した芋を焼くことで、身がクリームのようにねっとりしてきます。焼く前の糖度は16度くらいなのに、時間をかけてじっくり焼くことで40度くらいまで上がります。

シルクスイート

このシルクスイートは「紅まさり」と「春こがね」のかけ合わせでできました。収穫したてのシルクスイートを焼くと「ホクホク」した触感ですが、新聞紙に包んでしばらくの間冷暗所に貯蔵すると、ねっとりした焼き芋ができます。また、絹のようになめらかな食感からこの名がつきました。

マロンゴールド

さつまいもの皮言うと普通「紅色」ですが、このマロンゴールドは皮が黄白色、中身は淡黄色をしています。ジャガイモに似た色合いですが、加熱すると中の色が栗のような黄金色に変わるのです。この色がマロンゴールドという名前の由来です。ほどよい甘さとしっとり感を持った滑らかさが特徴です。

しっとり系

紅はるか

紅はるかは皮の色や味に優れた「春こがね」、優れた外観を持つ「九州121号」でこのかけ合わせでできました。他のさつまいもより「はるかに優れているさつまいも」という意味で名づけられました。水分が多くてクリーミーです。また、しっかりとした甘みを持つのに後味がすっきりするのも特徴です。

この紅はるかにはいくつかのブランドがあります

茨城県の会社では「紅天使」というブランドで販売しています。この紅天使は水分が多く、焼き芋にすると糖度が60度を超え、スプーンですくえるほど柔らかくなります。

また大分県のでは「あんことほぼ同じ糖度」と謳った「甘太(かんた)くん」というブランド名を付けました。

さらに、宮崎の販売先では「葵はるか」というブランドで販売されています。葵はるかは40日以上、最適な湿度と温度に設定した冷蔵庫で熟成させ、糖度が60%以上にして販売されます。

ちょっとブレイク~10月13日はさつまいもの日

近年どんなものにも「○○の日」がありますよね。私も前に「今日は何の日()」でいろんな記念日をご紹介しました。さつまいもにも記念日があり、10月13日がさつまいもの日です。川越いも友の会が決めたこの日、江戸時代に江戸から13里の川越の焼き芋のことを

栗(九里)より(四里)うまい十三里(9+4=13)

と言われていたことから付けらえました。毎年10月13日に川越いも友の会では「いも供養」が行われています。

ジャガイモとさつまいもの違い-イモができる場所が違う

ジャガイモもさつまいももどちらもイモ類ですよね。この2つの違いを考えたことありますか?英語でもpotatoとsweet potatoと言いますし、「品種の違いで甘いイモと甘くないイモ?」とお思いになる方、もちろんそうです。しかし決定的な違いがあります。イモができる場所が違うのです

実はジャガイモができるのは茎で、さつまいもは根っこなのです。

専門的にはジャガイモは茎が膨らんだ塊茎(かいけい)で、さつまいもは根っこが膨らんだ塊根(かいこん)です。

ジャガイモが茎ということは簡単にわかります。ジャガイモを日の当たるところに置いておくと段々緑色になっていきます。これはジャガイモに含まれる葉緑素の影響です。つまり光合成をするのです。さつまいもは根っこなので光合成をしませんし、放っておいて細い根っ子(ヒゲ)が生えますが、緑色にはなりません

また、次に記すそれぞれから取れるデンプンにも違いがあります

そのまま食べるのではなく、○○の原料として使われるさつまいも

デンプンを取る

デンプンというと小学生のころ「ジャガイモにヨウ素溶液を垂らして青紫色になった」といった実験を思い出す人もいるでしょう。「さつまいもの品種」のところでも何度も出てきましたが、さつまいもにはデンプンがたくさん入っています。でもジャガイモと違った性質を持ったデンプンです。

ジャガイモは片栗粉の原料で、「あんかけ」などでもわかるように透明で糊のような状態になります。これに対して、さつまいものデンプンは「わらび餅」のようにゼリー状になりやすく、糊のような粘りが少ないのです。だからさつまいののデンプンはわらび餅くず切り春雨ゴマ豆腐などが利用されるのです。

芋焼酎

芋焼酎はさつまいもで作られます。鹿児島では江戸時代からいも焼酎がつくられてきました。昔は家庭でも焼酎が作られており、鹿児島では「味のよい焼酎を煮れる女が立派な主婦」とも言われていました。(焼酎については「日本種と焼酎の違い」もご覧ください)

芋蜜「あめんどろ」

蜂蜜やメイプルシロップならぬ、さつまいものシロップが「あめんどろ」と呼ばれる「芋蜜」も作られます。南薩摩地方に昔から伝わるものです。時間をかけて煮詰めて作ります。

最後に

いかがでしたでしょうか?いろんなさつまいもの種類をご紹介しましたが、あなたはどのさつまいもが好きですか?

2020年より「日本さつまいもサミット」が開かれています。ここではさつまいもの品評会が行われています。その年の優れた生産者に「Farmers of the year」が贈られるのです。また(同じ「紅はるか」でもいろんなブランドがあるように)さつまいも品種ごとの生産者に贈られる「SATSUMAIMO of the year」も選ばれているのです。

この授賞式が2022年夏には「さつまいも博」の会場で行われました。さつまいも博とはさつまいもスイーツのイベントです。近年増えてきたさつまいもを使ったスイーツを出すお店。その中で選ばれた17店舗が商品持ち寄り、来場されたお客に食べて頂くのです。

アレンジされた「干し芋」や「焼き芋」、またさつまいもの「アイス」、「サンドイッチ」、「ティラミス」などさつまいも好きにはたまらないイベントでした。

あなたはどんなさつまいもスイーツが好きですか?また、どのように調理したさつまいもを食べてみたいですか?ちなみに私は昔ながらの「いしや~きいもー、おいも!」と言いながら売られえていた焼き芋が好きです。

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