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日本酒と焼酎の違い、あなたはわかりますか? この2つのお酒には、作られ方に大きな違いがあります。

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あなたはアルコールを普段から飲まれますか?どんなお酒が好きでしょう?ワイン、ブランデー、 ウィスキーなどの洋酒でしょうか?そういえばビールも洋酒ですよね。日本のメーカーのビールが多く出回っていて洋酒だということを忘れがちかもしれませんが、歴とした「洋酒」です。

「洋酒」という言葉の対義語は何だかわかりますか・・・?「日本酒??」と「?」を付けたくなるのももっともです。「日本酒」だと、1種類のお酒を指してしまうのに対して「洋酒」の場合は「西洋のお酒」という大まかなくくりになりますよね(対義語辞典の中にも「洋酒」の反対の言葉として「日本酒」と載っている物もあります)。

そこで登場するのが「和酒(わしゅ)」という言葉です。みなさんはこの「和酒」という言葉をご存知でしょうか?あまり聞きなれない言葉ですよね。でも「洋酒」対義語としては日本酒より「和酒」の方がしっくりくると思います。

今回はこの「和酒」である日本酒と焼酎の違いについての雑学です。日本酒はお米から作られるということを皆さんもご存知かと思います。しかし焼酎にも「米焼酎」などお米から作られているものもあります。今回はこの2種類の和酒「日本酒」と「焼酎」の違いについてみていきましょう。

日本酒と焼酎の原材料の違い

はじめに日本酒と焼酎との原材料の違いをご紹介します。

日本酒の原材料~お米

日本酒の原材料は皆さんもご存じの通りお米ですよね。「お米」と言っても日本酒造りに使われる物は皆さんがいつも食べているお米とは少し違います。「酒米」というお酒造りのために作られるお米を使います。食用のお米とこの酒米の違いを3つご紹介します。

1つ目はお米の粒の大きさです。酒米は食用のお米より大きい傾向にあります。というのも日本酒を作る時にお米を削る作業があります。米粒が小さいと削る時に砕けてしまうからです。だから酒米は食用のお米より少し大きい傾向にあります。

2つ目は心白(しんぱく)の大きさで、酒米は大きいのです。心白とはお米の中心にある不透明で白い部分のことです。この心白にはたんぱく質含有率が小さく、また、粘度が高いという特徴があります。だからお米を磨く際にも砕けるのを防いでくれます。

3つ目はお酒造りにあったお米ということです。麹の作りやすさ、給水率やたんぱく質が少ないなど良い日本酒を作るのにあったお米です。

酒米には例えば、豊潤な味のお酒ができる岡山県の「雄町(おまち)」、切れのあるお酒に仕上がる山形県の「出羽燦々(でわさんさん)」など、酒米の品種によって出来上がる日本酒の味も変わってきます

焼酎の原材料

次に焼酎の原材料です。焼酎の原材料にもお米が使われる場合があります(米焼酎)。またサツマイモから作られる芋焼酎、大麦からつくられ麦焼酎、そばの実から作られるそば焼酎、黒糖から作られる黒糖焼酎、変わったところでは米麹を原料とする泡盛、ジャガイモを原料とするもの、から作られる焼酎、トウモロコシを原料とするものなど、いろいろあります。

これらにも(酒米に種類があったように)それぞれ品種があるものもあります。例えば、麦焼酎で使われる大麦には(麦茶のCMでもおなじみの)「六条大麦」やビールづくりにも使われる「二条大麦」などがあります。

製法の違い-日本酒は「醸造酒」、焼酎は「蒸留酒」

ここからは日本酒と焼酎の作られ方の違いをご紹介します。日本酒は醸造酒焼酎は蒸留酒です。

日本酒は醸造酒

はじめに日本酒の作られ方です。日本酒は醸造酒です。お米から微生物の代謝により作られるお酒です。

1まず米麹を作ります。蒸したお米(酒米)に麹菌(正式には「ニホンコウジカビの胞子」)を振りかけて「米麹」が作られます

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カビの胞子だなんて・・・と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

2この米麹が(原料として新たに蒸した)酒米のデンプンを分解します。デンプンは多糖類です。実はデンプンは(分子が大きいので)酵母菌(酒酵母)によりアルコールへと変化させることができません。だから麹菌で酵母がアルコールへ変換(アルコール発酵)できる大きさ(ブドウ糖)へと分解します

3その後、(先ほどデンプンを分解してできた)ブドウ糖を酵母菌でアルコールへと変換させます。こうやってできたのが「もろみ」で、この状態のお酒が「濁酒(どぶろく)」です。このもろみを濾(こ)すことで透明な日本酒ができます。

日本酒の他にもワインやビールも醸造酒です。でもワインは少し違います。ワインの原料であるブドウには元々ブドウ糖が含まれています。だから日本酒のようにデンプンを分解させる必要がありません。こういったワインのような醸造酒を「単発酵酒」、また、日本酒のようにデンプンを一度分解させるものを「複発酵酒」と言います。

焼酎は蒸留酒

焼酎は「蒸留酒」と言います。「蒸留」とはいったい何を蒸留するのかというと、醸造酒を蒸留します。作られ方を以下に示します。

米焼酎の作られ方

米焼酎の作られ方を例に焼酎の製法をお伝えします。

1麹造り:蒸したお米に麹菌を入れて繁殖、麴を作る
2一次もろみ造り:麹に酵母と水を加え、6日ほど熟成させる。
3二次もろみ造り:一次もろみに蒸したお米と水を加え、さらに15日ほど発酵させる
4原酒造り:二次もろみを蒸留させ、原酒を作ります。
5できた原酒にその他いくつかの焼酎や水とブレンドして完成。

今回は米焼酎の例をご紹介しましたが、芋焼酎や麦焼酎なども一次もろみは米麹と酵母、水を使います。二次もろみを作る際に米焼酎は「お米」、芋焼酎は「サツマイモ」、麦焼酎は「大麦」といった違いで作られます。

蒸留酒には焼酎のほかにもブランデーやウィスキー、ウォッカやジン、ラム酒などがあります。

焼酎の2つの蒸留法

しかし、蒸留酒は蒸留方法により大きく分けて2つあります。焼酎には「甲類」や「乙類」といった種類わけがあるのをご存知かと思います。これは蒸留の仕方によって違ってきます。乙類焼酎は単式蒸留で甲類焼酎は連続式蒸留で作られるのです。それではこれらの蒸留の違いを見ていきましょう。

単式蒸留でできる乙類焼酎

まずは単式蒸留です。みなさんも中学か高校の化学の実験で、リービッヒ冷却管を使って何か液体を蒸留したことがあるかと思います。このリービッヒ冷却管を使った蒸留と同じ原理を使ったのが単式蒸留です。「二次もろみの中の液体を蒸発させ、その蒸気を単純に冷やす」方法です。

連続式蒸留でできる甲類焼酎

次に連続式蒸留についてです。(「連続」というだけあって)ここでは二次もろみを連続して何回も「蒸発しては冷ます」を繰り返すことのできる装置を用いて行われます。

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連続式蒸留は(単式)蒸留が何回も行われて、アルコールの純度(濃度)が高められます。

アルコール度数の違い

日本酒は醸造酒、焼酎は醸造酒を蒸留したお酒とお伝えしました。つまり、日本酒より焼酎の方が蒸留した分だけアルコール度数は高くなります

一般的な日本酒のアルコール度数は15~16度です。この日本酒のアルコール度数は世界各地にあるその他多くの醸造酒と比べると少し高めです。

日本酒のアルコールが15~16度に対して焼酎はさらに高いアルコール度数です。これは醸造酒を蒸留するからです。単式蒸留で作られた乙類の焼酎は法律で45%未満連続式蒸留で作られた甲類の焼酎は36%未満と決められています。

「あれっ?」と感じた人、そうなのです。連続式式蒸留で作れた焼酎の方がアルコール濃度は低いのです。実は連続式蒸留した焼酎は蒸留後に水が加えられ出荷されます。だから単式蒸留の方がアルコール濃度は高い傾向にあります。

味の違い

日本酒の味は先ほども少し触れましたが、原料となる酒米などによります。味を表す言葉には
 アルコールの刺激の違いによる辛口や甘口
 お酒のコクを表す旨口(うまくち)
 味の濃さを表す淡麗や濃醇(のうじゅん)
 香り高さを表す芳醇(ほうじゅん)
などがあり、それぞれ日本酒によりこのような表現が使われます。

焼酎は大きく2種類に分けてご紹介します。焼酎の2種類と言ったら連続式蒸留で作られる甲類のものと、単式蒸留の乙類のものです。

連続式蒸留によりつくられた甲類の焼酎は蒸留を何回も行うので原料本来の風味が失われてしまいます。だから、チューハイやカクテルなどを作る時に使われます。

逆に単式蒸留で作られる乙類の焼酎は(蒸留の際に旨味や風味がなくならず)原材料の味や風味が残ります。だからお湯などで割って飲みます。

最後に・・・

「酒は百薬の長」という言葉みなさんもご存知かと思います。適量のお酒はどんな薬よりも効果があるという言葉です。でもこの言葉の「適量」という部分をお忘れにならないでいただきたいです。

お酒が好きな人は気持ちが高揚してつい飲み過ぎてしまうこともあると思います。でも決して(お酒は呑んでも)「吞まれることのないように」気を付けましょう。肝臓が悪くなったらおいしいお酒も飲めなくなりますよ。

あと、アルコールを飲めない人に強要は絶対やめてください。特に「新入生歓迎コンパ」。毎年、急性アルコール中毒で病院に運ばれる方がちょこちょこいます。お酒を飲むときは各自のペースで、飲む量も「今日は最高でも〇本まで」と決めて飲むと良いでしょう。

おいしく楽しい時間を過ごしてくださいね。

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