最近よく聞くライトノベル。そこから数々の名作が世に出ておりますが、ここで一つ質問です。ライトノベルと小説、どちらも文章を使った作品なのに何が違うのでしょう？じつは双方に違いはありません。ライトノベルも小説も文章を使う点は変わりませんが、あえて言うならターゲットの違いです。
ライトノベルは若い年齢をターゲットに対して、小説は全年齢をターゲットにしています。対象となるターゲットが違うので、文章の構成やイラストの有無に違いが見られます。作品発表後の経営戦略にもライトノベルと小説に違いがあるのが特徴です。
ライトノベルは、ヒット後の経営戦略はアニメ化や映画化の方向性に、小説だと実写化に向かいます。この記事では、ライトノベルと小説の何が違うのかについて説明します。
ライトノベルと小説の作品内容の違い
ライトノベルと小説の違いは作品内容に違いがあります。ライトノベルは非現実的な世界で、小説は現実的な世界が舞台です。その影響で文章の使い方など細かな違いが見られます。なぜ文章の使い方や構成に違いがあるのか。理由はターゲットとなる年齢層の違いです。
ライトノベル
ライトノベルは、非現実的で非科学的な世界を舞台にした作品です。ライトノベルの目的はいかに読者にその世界観が使わるのかが重要。場合によって現実ではあり得ない漢字や当て字を使うケースもあります。
小説
小説は現実的で社会的根拠がベースの作品です。非科学的要素はなく、現実社会でも起こる出来事を全年齢に伝わるよう正しい文法を使うのが小説の特徴。日常生活の光景が舞台になるケースもあり、作品がヒットすると作品の舞台が有名になります。
米澤穂信（よねざわほのぶ）作の推理小説「氷菓（ひょうか）」の舞台は、岐阜県高山市です。
ターゲットに合わせた文章と構成
ライトノベルのターゲットは比較的若い年齢層で、小説は全年齢をターゲットです。ターゲットの違いから作品の文法、構成にも違いがあります。
ライトノベル
ライトノベルは読み手に伝わることが最優先。非科学的で非社会的の世界を読者に伝えるには、必ずしも正しい文法で書く必要がありません。多少、文法に問題があったとしても読者に伝わることが重要です。
ライトノベルの特徴に、イラストや挿絵が多い点が挙げられます。作品に描かれているイラストや作品のイラストを描いたイラストレーターが目的で購入する人もいます。このようなニーズにも応えるのがライトノベルの特徴です。
自分でイラストまで描くライトノベル作家もいます。
小説
小説は正しい文法で正確に伝えることが優先されます。小説は現実的で科学的根拠に基づいた世界が舞台。読者に内容を正確に伝えるには、正しい文法が必要です。
小説の特徴として、イラストや挿絵がほとんどありません。作品は、現実で化学的根拠に基づいた世界なので、読者は作品の世界をイメージしやすいのが特徴。読者のイメージする世界観を重視するのが小説なので、イラストや挿絵は必要最小限になります。
正しい文法にみで書くと、似たような構成になりがち。どのように個性を出すのかが作者の腕の見せ所です。
ターゲットを目標にした経営戦略
若い年齢層がターゲットのライトノベルは、人気が出るとアニメ化や映画化に向けた経営戦略に入ります。小説の場合、実写化に向けた経営戦略になるケースが多いです。この違いについて説明します。
ライトノベル
ライトノベルの読者ターゲットは若い年齢層。今ターゲットのブームは何か？その原因は？を調査して作品内容を決めます。ライトノベルは非現実的、非社会的なので、ヒットしたらアニメ化へ経営戦略が取りやすいです。
特に異世界モノアニメは、原作がライトノベルだというケースがほとんどです。
小説
小説は読者が全年齢なので調査内容もライトノベルと違い、ターゲットに関して幅広く調査を行います。現実で化学的根拠に基づいた世界なので、実写化やドラマ化にしやすいのが特徴。現実で化学的根拠に基づいた点も、モデルとなった場所では町おこしのイベントに繋がりやすい要因です。
NHK大河ドラマは、当時の伝記（現在の小説）を元としたドラマだと言えます。
さいごに
ライトノベルと小説の違いは、ターゲットの年齢層。ターゲットの年齢層が変われば求められるニーズも違います。自分の作品のターゲットは誰なのかについて調査し、制作に入るのは共通点です。
しかし近年ではライトノベルと小説の違いにも変化がみられるようになりました。ライトノベルから小説が誕生したケースや、逆に小説からアニメ化した作品も増えたと言えます。実際、ライトノベルと小説に違いに明確な定義がなくなっているのが現状です。
これからは本だけでなく、モバイルからヒットするライトノベルや小説が誕生するのが当たり前の時代になるのかもしれませんね。
