皆さんは面白い食べ物をご存じですか?日本では「ふぐの卵巣の粕漬」や「どぶ汁」があり、これは食べ物なのか理解できません。沖縄の「イラブー汁」の場合、地元の人でも特別な日にしか食べられないので、地元でも知らない人がいます。
世界では土地柄、限られた食材しか取れなかった影響で、栄養確保を目的とした「食べ物」や、具材が少ない「貧乏人のスパゲッティ」はイタリアの国民性です。海外の面白い食べ物は、土地柄の事情や国民性が反映されていると言えます。
私の地元では「ふぐの卵巣の粕漬」は生産している場所が限られているうえ、大変貴重で地元の人でも食べる機会がない面白い食べ物はあります。この記事では、日本の面白い食べ物の名前と世界の面白い食べ物の名前を紹介します。
目次
日本の面白い食べ物の名前
ふぐの卵巣の糠漬け
石川県に伝わる郷土料理です。猛毒のふぐの卵巣を3年間塩漬けと糖漬けにして解毒します。なぜ3年間塩漬けと糠漬けにすると解毒できるのかは不明です。
製造には資格免許が必要で、製品も厳しい検査をクリアする必要があります。
この製法が認められているのは、県内でも厳しい検査に合格した数社だけです。
鉄砲汁
北海道の漁師メシです。鉄砲汁と聞くと危険な食材が使われていそうですが、実際には漁で獲れたカニを使った海鮮汁です。諸説ありますが、カニの身を箸でとる姿と鉄砲の玉を詰めている姿が似ているという説が有力となっています。
イラブー汁
沖縄県の郷土料理です。かつては宮廷料理で滋養強壮に優れております。燻製にしたエラブウミヘビを手間と時間をかけてもどして出汁にした汁物です。滋養強壮に優れており、伝統的に人気料理となっております。
病後や産後の滋養強壮に人気です。
どぶ汁
茨城県から福島県南部の太平洋沿いの漁師料理です。地元では「どぶ」とは「すべて」という意味があります。アンコウすべてを入れることで、あん肝が溶け出し汁が濁ることから「どぶ汁」と呼ばれます。
寒い時期に、アンコウを入れた「どぶ汁」は身体が温まりオススメです。
海外の面白い食べ物の名前
「食べ物」(ロシア)
シー。訳すと「食べ物」。ロシアの家庭料理でさっぱりしたスープです。材料は、じゃがいも、ニンジン、発酵キャベツ、ニンニクです。あらゆる具材を詰め込んだフードで、まさに具材のキングフードだと言えます。
「貧乏人のスパゲッティ」(イタリア)
スパゲティ・ポヴェレッロ。ポヴェレッロを訳すと「貧乏人のスパゲッティ」。実際はチーズを絡めたパスタの上に目玉焼きを乗せたパスタです。具材がチーズと玉子だけなので、少ない具材=貧乏人と呼ばれた由来だといえます。日本でもおなじみ、ペペロンチーノも具材がないので、イタリアでは「スパゲッティ・ポヴェレッロ」です。
具材が少ないスパゲッティは種類に関係なく「スパゲッティ・ポヴェロッテ」です。
「五本の指」(カザフスタン)
ベシュバルマク。訳すと、ベシュ「5本」バルマク「指」。
名前からして危険な料理をイメージしそうです。ベシュバルマクはカザフスタンの家庭料理で、平麺に馬肉、または羊肉と玉ねぎをのせた「カザフスタン版の肉うどん」です。
カザフスタンではこれを手で食べることから、5本の指で食べる=ベシュバルマクと名前がつきました。
ちなみにカザフスタンでは麺料理が豊富です。
「ぐちゃぐちゃ」(ブルガリア)
ミシュマシュ。ミシュマシュを訳すと「ぐちゃぐちゃ」。
トマト、玉ねぎ、ピーマンなどの野菜に、玉子、チーズを加えたブルガリア伝統料理です。ぐちゃぐちゃにして混ぜて作ることが名前の由来となっております。
レシピが簡単なので、あと一品ほしいときに手軽に作れるのがポイントです。
「怒りんぼ」(イタリア)
アラビアータを訳すと「怒りんぼ」。
唐辛子を利かせたトマトソースを使った激辛料理。唐辛子を多め入れる、オイルに味付けをして唐辛子の味を濃くするといった辛さを追求した料理です。あまりに辛さに「怒りんぼ」のような真っ赤な顔になります。
激辛料理が好きな人にはオススメです。
まとめ
食文化は人に身近で大切なもの。面白い料理には土地柄や歴史があり名前の意味も重要です。日本では「イラブー汁」はかつて宮廷料理で庶民には滅多に食べることが無かったが、今では滋養強壮に優れていることから病後・産後に使われてします。
海外に目を向けると、ロシアの家庭料理シーの場合では。当時は食料もあまり無く簡単に品種を増やすことも困難な土地が理由で「食べ物」、シーの誕生です。
今回は一部の面白い料理と名前を紹介しましたが、世界にはまだまだ面白い料理や名前が隠れています。何かの縁で面白い料理や名前の料理に出会ったら、その料理が誕生した経緯を知るとまた違う味になるでしょう。