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同じカカオ豆からつくられるチョコレートとココア、いったい何が違うの?~製造法から成分の違いまで。

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みなさん、ホットチョコレートを飲んだことはありますか?海外ドラマなどで一度は耳にしたことがあると思います。我々日本人にはあまりなじみがありませんよね。「飲んだことがないので1度飲んでみたいなぁ」なんてお思いになっている方も多いのではないでしょうか。

ホットチョコレートは牛乳にチョコレートを溶かした飲み物です。作ろうと思えばそれほど難しくはないですが、私たち日本人にはココアの方がなじみもあり、チョコレートは「食べるお菓子」というイメージが強いと思います。

ところでチョコレートもココアもどちらもカカオから作られるということはご存知だと思います。それではこの2つ、いったい何が違うのでしょう?今回はチョコレートとココアの違いについてご紹介します。

作られ方の違い

途中までは同じ工程です

チョコレートとココア。どちらもカカオ豆から作られます。はじめにこれらの作られ方の違いをご紹介します。でも、チョコレートもココアも途中までは同じ工程で作られます。まず同じ工程のところから見ていきましょう。

①カカオの実からカカオ豆ができるまで

収穫されたカカオの実はラグビーボールのような形をしています。大きさは長さも20センチくらいです。この収穫した実のことをカカオポッドと言います。カカオボッドには厚さ1センチほどの皮があり、まず皮を取り除く作業から始まります。

皮を取り除いたカカオポッドには果肉白くて甘い「パルプ」と呼ばれ部分があります。このパルプと一緒にバナナの葉っぱでくるんだり、また木箱に入れたりして1週間くらい発酵させます。こうすることでカカオ豆の香り成分が酸化されるのです。

発酵が終わったカカオを水分量6%以下まで乾燥させ、やっとカカオ豆が完成です。できたカカオ豆は工場へ出荷されるのです。

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ここまでが農場での作業です。

②カカオマスができるまで

農場から今度は工場での作業へと移ります。まずは「選別」と言われる作業です。「選別」とは工場に届いたカカオ豆の悪い物やゴミなどの不純物を取り除く作業のことです。そして次に殻ごと豆を砕いて殻を取り除きます。殻を取り除いたものを「カカオニブ」といい、ここで豆の中身のみになります。

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ピスタチオでいうところの食べる「実の部分」がカカオ豆の[カカオニブ]です。

次にカカオニブをロースターで焙炒(ばいしょう)させます。焙炒とは豆を炒る工程のことです。この工程はチョコレートやココアを作るうえで重要なところの1つです。というのもこの焙炒で味や香りを引き出されるからです。

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そういえば(節分の雑学でお話しした)大豆も生では食べられないので、炒って火を通しますよね。
あと、「香りや味を左右させる工程」ということで、まるでコーヒー豆の焙煎(ばいせん)のようでもあります。

最後にカカオニブをすり潰す工程です。すり潰すことでカカオニブにたくさん含まれる脂肪分(カカオバター)がドロドロしたカカオマスに変わります

「ここまでが、ココアとチョコレートのともに通る道のりです。このあと、チョコレートとココアとで工程が分かれます。」

ココアの作られ方

ここからはココアを作る工程です。

①共通の工程でカカオから作られた脂肪分たっぷりのカカオマスですが、この後そのカカオマスの中から脂肪分(カカオバター)を取り除く「搾油」という工程に入ります。

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チョコレートが手の上で溶けるのに対して、ココア(パウダー)が溶けないのは脂肪分がなくなってしまっているからです。

カカオマスかカカオバター取り出したココアの塊(かたまり)が「ココアケーキ」です。ここで取り出されたカカオバターはなんと、チョコレートを作る時に使います

②次に「粉砕」する工程です。ココアケーキはココアの塊なのでこれを粉砕します。粉砕してココアパウダーの完成です。

森永製菓の「純ココア」はこのココアパウダーそのものですが、市販のココアにはココアパウダーの他に砂糖やミルクパウダーなどがミックスされた製品が多く、この後これらを加えられます。

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ココアは「カカオマスから脂肪分搾り取った残り」。つまり搾りカスと言ってもいいのかもしれませんね。

チョコレートの作られ方

①ここからはチョコレートの作られ方です。はじめに(共通部分で作られた)カカオマス(ココアを作る工程で取り出された)カカオバター(脂肪分)、ミルクや砂糖などを混ぜます。

②次にローラーにかけて粒子が荒い部分などをなくし、滑らかな舌触りになるようにします。その後温度を調節して、型に入れて固まらせたのがチョコレートの完成です。

成分の違い

次にココアとチョコレートに含まれる成分を比較します。比較するのは
森永製菓のココアパウダー100%の純ココアvs.明治製菓の「チョコレート効果・カカオ95%」のチョコレートレート
です。ここではココアは約1杯分(5g)、チョコレートも1枚(5g)当たりの成分を表示します。

–全て5g(チョコレート効果1枚分、ココア1杯分)当たり–
 エネルギー:チョコレート31kcal、ココア18kcal
 タンパク質:チョコレート0.7g、ココア1.1g
 脂質   :チョコレート2.6g、ココア1.2g
 炭水化物 :チョコレート1.4g、ココア2.1g
  (炭水化物のうち 糖質・チョコレート0.6g、ココア0.7g
         食物繊維・チョコレート0g、ココア1.4g)
 ポリフェノール:チョコレート174mg、ココア180g

このデータだけから見るとココアの方はカロリーが低く脂質も少ないことところ以外はそれほど差が見受けられません。

でもよく考えてみてください。チョコレートは1度に数枚食べることもあります。またココアはココアパウダーのみをお湯で割って飲むことはしませんよね。砂糖を入れたり牛乳で割ったりすると思います。だから一概に比較はできません

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ちなみに牛乳は120ml当たり85kcalです。

ちょっとブレイク~チョコとガムを一緒に食べるとガムが消えるってホント?

実は私も以前、ガムを噛んでいると知らないうちになくなってしまい悩んでいたことがありました。そして私が行きついた結論が
ガムを食べているとなくなってしまうのは「もしかしたら口の中にガムを溶かす強力な細菌がいるのではないか??」です。だから口の中を除菌する方法をインターネットで探していました。

でも、実はそうではありませんでした。ガムを噛む前に食べていたチョコレートが原因だったのです。チョコレートの中のカカオバターにはガムを溶かす性質があります。原因が分かり「一安心」。

でも安心したのも束の間、そんなに安心してもいられませんでした。チョコレートで溶けるガムの成分(酢酸ビニル)には発がん性が疑われています。つまり発がん性物質を体の中に溶かし入れていたのです。

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おそろし~ですね。

だからチョコレートとガムは一緒に口にするのはやめましょう

チョコレート、チョコレート菓子、準チョコレート菓子の違い

みなさん、チョコレートやお菓子を買ったときパッケージ裏側、成分などが書かれた欄をご覧になられたことが1度はあると思います。その欄の1番上に「チョコレート菓子」や「準チョコレート」などと書かれているのを目にしたことがあると思います。ここからはこの表示の違いについてご紹介します。

表示には「チョコレート」「チョコレート菓子」「準チョコレート」「準チョコレート菓子」の4種類があります

(準)チョコレートの後に「菓子」が付く場合

まずは「チョコレート」と「チョコレート菓子」や「準チョコレート」と「準チョコレート菓子」のように「菓子」が付くのと付かない基準についてです。

これはチョコレートの割合によって「菓子」が付いたりつかなかったりします。チョコレート部分が全体の重さの60%以上であれば「チョコレート(または準チョコレート)」と言います。逆にチョコレート部分の重さが60%未満でつまりチョコレート以外(クッキーやナッツ、ビスケットなど)が40%以上ある加工品を「(準)チョコレート菓子」と最後に「菓子」が付きます。

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「チョコレート」であろうと「準チョコレート」であろうと「60%を境に」というのは同じです。

チョコレートと準チョコレート

それではチョコレートに「準」が付くか付かないかについてご紹介します。

(準が付かない)「チョコレート」に分類されるもの~3つあります

まずは「準」が付かないチョコレートの基準です。3種類の「チョコレート」があります。

1基本タイプ:カカオ分(カカオニブ、カカオマス、カカオバター、ココアケーキ、ココアパウダーの合計)の重さがが35%以上(そのうちカカオバターが18%以上)のチョコレートです。

2カカオ分+乳製品を使う場合:カカオ分21%以上(その中でカカオバター18%以上)と乳固形分を合わせた重さを合わせた重さが35%以上のチョコレートです。

3ミルクチョコレート:カカオ分21%以上(その中でカカオバター18%以上)は2とおなじですが、乳固形分が14%以上(そのうち乳脂肪分が3%以上)のチョコレートがミルクチョコレートです。

準チョコレートとは~2つに分類されます。

次に「準」が付く「準チョコレート」についてご紹介します。「準チョコレート」は「基本のタイプ」と「準ミルクチョコレート」の2つの基準があります。

1基本タイプ:カカオ分が35%未満15%以上(そのうちカカオバターが3%以上)、かつ(カカオバターを含む)脂肪分が18%以上のチョコレートのことです。

2準ミルクチョコレート:カカオ分21%未満7%以上(そのうちカカオバターが3%以上)、かつ(カカオバターを含む)脂肪分が18%以上、乳固形分12.5%以上(そのうち乳脂肪分が2%以上)のチョコレートを準ミルクチョコレートと言います。

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つまりカカオ分が多いのがチョコレート、少ないのが準チョコレートです。

最後に

今回、チョコレートやココアの違いについてご紹介しました。工場にカカオ豆が到着するまでの工程も結構あったと思います。チョコレートって安い物では100円以下で販売されていますよね。

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むかし5円チョコっていうものがあったのをご存知の方もいると思います。

これはカカオ豆が(意外と)安く輸入されるからです。どうしてこんなに安く私たちの手元に届くか考えたことがある方は少ないと思います。実はカカオが取れる地域は発展途上国が多く、カカオの仲買人の「言い値」で売らされているからなのです。つまり仲買人と農場は「アンフェアーな関係」です。

どれだけ作っても収入がそれほど上がらないといった農場の人たちを助けようと近年「フェアトレード」されたチョコレートも販売されています。「先進国の人たちが農場で働くとしたらいくらの価格になるか」といった価格で売買されたカカオ(チョコレート)です(コーヒー豆も同様)

「チョコレートで(貧しい人たちを)世界から救う」フェアトレードチョコレート、見かけたらぜひ購入しましょう。

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