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変わったお城・お城が好きになる、日本のユニークなお城を集めました

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みなさんお城は好きですか?お城と言うとどんなイメージをお持ちですか?お城にはお殿様・お姫様がいて、屋根にはしゃちほこ外にはお堀や石垣がありお城の周りには城下町が広がって・・・といった感じではないでしょうか?

今回はお城が好きな人はもちろん、あまりお城に関心がない人でも一度は行ってみたくなるような変わったお城を集めました。お堀が変わった形をしているお城、城下町より低い位置にあるお城、しゃちほこが3つも乗っているお城、新幹線の駅前あるお城などなど8つのお城を厳選してご紹介します。

五稜郭(北海道函館市)・星形のお堀

みなさん。北海道の函館を観光したことがありますか?函館山、赤レンガ倉庫、朝市などとともに有名なのが五稜郭ですよね。上空から五稜郭のお堀を見ると星形に作られているのが特徴です。

五稜郭はそれまで函館山のふもとにあった奉行所を移転して1866年に建てられました。完成はしたものの、なんとそのわずか2年後の1868年に江戸幕府が崩壊してしまうといった残念なお城です。1914年(大正3年)には公園(五稜郭公園)となり、1964年には展望タワー(五稜郭タワー)ができ、星形のお堀を見下ろすことができます

宇和島城(愛媛県宇和島市)・敷地の形が五角形

箱館の五稜郭のお堀は星型ですが、この宇和島城は五角形でした。今でこそ周りは住宅地に囲まれていますが、江戸時代、当時はお堀の五辺のうち2つが海に面していて残りの3辺が堀(水路)でした。

そんなこともあり、五角形の城と知らない敵陣を(ほかの多くのと同様に)四角い城郭(じょうかく・お城の敷地)だと勘違いさせたといいます。そして死角となった辺から出入りするという戦略をとることができました。敵陣のみならず、幕府の隠密(おんみつ・こっそり内情を探る偵察団)も四角形だと見誤ったと言われています。

小諸(こもろ)城(長野県小諸市)・城下町でなく城上町??

五角形の宇和島城は海に面したお城でしたが、今度もお城の場所が変わっています。長野県小諸市にあるこの小諸城はなんと城郭が(城下町と言われる)市街地よりも低い位置にあるのです。ふつうお城の方が高い位置にあり、城主が市民を見張る形なのに対して、市民の方がお城を見渡すことができました。このことから「穴城」や「鍋蓋(なべぶた)城」といった別名もついています。

新発田(しばた)城(新潟県新発田市)・しゃちほこが3つも

普通しゃちほこはお城の屋根の両端に1つずつ、合わせて2体ですよね。ところが新発田城にはしゃちほこが3体あります。この理由は新発田城の屋根の形にあります。

一般的に最上階の屋根瓦のてっぺん(山で例えると尾根にあたる場所)は左右1直線に伸びていますよね。だからその右端と左端に1体ずつ、合わせて2体のしゃちほこが乗っています。

しかし新発田城は左右に伸びる屋根の中央からもう1つ手前に3つ目の尾根があり、屋根が丁字(ていじ)型になっています。だからここにもしゃちほこが乗っているので合計3つあるのです。この丁字型の屋根を持った建物が新発田城の三階櫓(やぐら)です。

新発田城の城郭は旧陸軍の駐屯地だったこともあり、現在でも陸上自衛隊が置かれています。二の丸隅櫓(すみやぐら)など、見ることができる建物もありますが、残念なのですが、三階櫓の中に入ることはできません

また、現在新発田城の周辺は「新発田城福祉公園」にもなっています。

ちょっとブレイク・お城と宮殿の違いって?

みなさんは、お城と宮殿の違いを考えたことがありますか?実はお城は敵から防衛の働きをする拠点であり、宮殿は王政の下、市民生活を見守るための拠点です。

日本でもお城が栄えていた江戸時代以前は武家社会であり、国(各地域)を守るための中心的拠点としてお城がありました。江戸幕府陥落以降、天皇(君主)制となった明治、大正、昭和の第二次世界大戦以前まで皇居という宮殿が、市民を守るための拠点となりました。

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学生時代の歴史の授業で学んだ「大政奉還」や「王政復古の大号令」という言葉を思い出した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

首里城(沖縄県那覇市)・中国寄りのお城

首里城というと沖縄の観光スポットとして有名ですよね。しかし2019年に起きた火災で正殿やその他の建造物、収蔵品や展示物が焼失、焼損したことを覚えている方も多いと思います。でも実は首里城の火災はこれが初めてではありません。1453年、1660年、1709年にも火災に見舞われ、そのたびに修復されてきました

首里城は沖縄が昔から中国の影響を多く受けてきたことを感じられるお城です。門を始めとする様々な建造物は朱塗り(漆で朱色に塗ること)されていたり、初期のお城の瓦には高麗(こうらい)瓦が使われていたりもしました。

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(しゃちほこではないのですが)沖縄のシーサーも中国大陸をから伝わったものです。

苗木城(岐阜県中津川市)・自然の巨岩を利用した石垣

この苗木城も残念ながら建物は残っていません。石垣やお堀跡しか残っていないものの、知る人ぞ知る城(跡)です。というのも石垣がこの城跡の特徴なのです。なんとその地に元々あった大きな岩がそのまま石垣の一部として利用されています。また、積み上げた石垣も年代により石の積み方が違うのもこのお城の見どころです。

現在、天守跡は展望台となっています。そこから見る景色の良さから2018年に「絶景!山城ランキング」で堂々の第1位になりました。また2017年の城の日(4月6日)には公益財団法人日本城郭協会の「続日本100名城」にも選ばれています。

行きやすいお城と行くのに大変なお城

ここでは行きやすいお城行くのが大変なお城をご紹介します。

新幹線の駅を出てすぐ、三原城(広島県三原市)

はじめに行きやすいお城をご紹介します。
ここの見出しを読んで「新幹線の駅前がお城だなんて、観光目的で後に作ったものじゃないの?」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。この駅、いやお城は山陽新幹線の三原駅北口を出てすぐ目の前にある三原城です。

この地は以前沼田川の河口域に位置していました。そして三原湾にあった小さな島や、川の中州をつなぎ合わせて砦(とりで)とし、水軍の拠点としたのが始まりです。

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「三原城は新幹線の駅を出てすぐだなんて最高な場所じゃない!」と思った方。実は三原駅にはこんな穴があります。朝でこそ新幹線ひかり号が2本程度停まりますが、そのほかはすべてこだま号のみ。かつ朝以外はほとんどの時間が1時間に1本しか停車ません。

最寄り駅から約1時間、岩殿山城(山梨県大月市)

新幹線の駅前の三原城とは打って変わって、今度は中央本線の大月駅から約1時間の城跡です。東京スカイツリーと同じ高さの岩殿山に位置する岩殿山城をご紹介します。山にお城があるのはよくありますが、この岩殿山、傾斜が厳しく、険しいのです。頂上の南側は150mの高さの崖があり、またその先、川へと急角度で落ち込んでいるといった土地です。そんな場所なのですが、天気がいいと富士山が拝めます

最後に

今回は8つのお城に絞ってご紹介しましたが、行って見たくなったお城はありましたか?

でも実は日本には城跡が(大きい物小さいものを合わせると)2万から5万個もあると言われています。私の住む町にも今は跡形もなく、看板すら立っていないものの「むかしお城があった」という話があり、30数年前「よみがえれ、○○城!」というイベントが行われました。

あなたが知らないだけかもしれませんが、あなたの住むすぐ近くにも昔お城があったと思います。今回紹介したお城も訪ねていただきたいのですが、ぜひ、あなた自身が住む町のお城やそのお城にまつわる歴史を探ってみてください。そして、もしおもしろいエピソードなどが見つかりましたら教えてください。よろしくお願いします。

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