祭りの屋台などでおなじみのかき氷、冷たくて甘く、みなさん一度は食べたことがあると思います。近年ではふわふわのかき氷にフルーツやアイスなどをのせた、さまざまな種類のかき氷があります。そんなかき氷ですが、いつ誕生したかご存じでしょうか?かき氷はなんと平安時代から存在していた記録が残っていました。
本記事では、かき氷の名前の由来や歴史について紹介していきます。海外のさまざまな種類のかき氷やその他雑学についても紹介してきます。そのためかき氷が好きな方、そうでない方でも興味深い内容になっています。本記事を読めばよりかき氷に詳しくなり、知識が広がること間違いなしです。
かき氷は平安時代に生まれた
かき氷の歴史はさかのぼること、平安時代から食べられていた歴史があります。実は枕草子のあてなるもの、という章にかき氷の記述があります。削り氷(けずりひ)に甘葛(あまずら)いれて、あたらしき金鋺(かなまり)にいれたる、という一節があります。
削り氷はかき氷を、甘葛は当時食べられていた砂糖のような液状の甘味料、金鋺は金属製のお椀を意味します。枕草子を書いた清少納言が、かき氷を食べたという記録が残っています。あてなるものというのは上品なものを意味しますので、かき氷は上品なものとされていました。
かき氷は当時高級食材だった
かき氷は今でこそ祭りの屋台などで手頃な値段でいただけますが、平安時代、かき氷は高級食材でした。当時は氷を冷やし作る技術もなく、冬の時期にできた天然の氷を氷室なので、冷やして保管するぐらいしかできませんでした。明治時代になるとかき氷を販売する店が現れます。この時代から手軽にかき氷を味わうことができるようになっていきました。
かき氷にシロップをかけて食べるという、現代とほぼ同じ方法で食べられていたのですね。
かき氷の名前の由来
かき氷の名前の由来は諸説あります。まずひとつは東京の方言でぶっかき氷という言葉が語源の説で、大きな氷を砕いた不揃いな氷を意味します。ふたつ目は欠き氷また掻き氷が語源の説です。掻くには刃物を押し当てて、細かく削りとるという意味があります。氷を掻いて食べることからかき氷と呼ばれるようになりました。
ほかには夏氷(なつごおり)や氷水(こおりみず)と呼ばれていたりします。
かき氷の頭痛の原因
かき氷や冷たいものを一気にたくさん食べると頭が痛くなる経験、ありませんか?その現象の名前は、冷たいものの摂取または冷気吸息による頭痛という正式名称があります。昔はアイスクリーム頭痛と呼ばれていました。
頭痛のメカニズムはおおまかにふたつあります。まずひとつは人間の喉の奥には三叉神経という神経があります。急激に冷たいものを食べ、三叉神経が刺激されると、冷たさではなく痛みとして脳が判断して頭痛が起こります。
もうひとつは冷たいものを食べ、急激に体が冷えると人間は血液の血流量を増やし、温めようと働きます。その中の働きで頭の血管が膨張し、頭痛が起きるといわれています。
対策としては一気に食べるのではなく、ゆっくり食べるとよいです。
かき氷のシロップは同じ味
有名な話ではありますが、かき氷にかける一般的なシロップ、ブルーハワイ、いちごやレモンなどは全て同じ味です。でも食べてみるとそれぞれ違う味に感じます。なぜでしょうか?それは香料と色の違いによります。
香料とはそのままの意味でシロップの香りのことで、レモンやいちごの香りがします。そこに色が加わると、人間は先入観で黄色はレモン、赤はいちごとそれぞれかき氷を食べたときに違う味に感じるようになっています。
見た目で味を想像してしまうのですね。
7月25日はかき氷記念日
日本かき氷協会が制定した記念日です。7月25日に制定された理由はふたつあります。ひとつ目は1993年の7月25日、山形県山形市で当時の最高気温40.8℃を記録しました。
かき氷を食べるのに適している暑い日とされ、制定されました。ふたつ目は語呂合わせです。かき氷の別名、夏氷のなつご(725)おりの語呂合わせでもあります。
日本かき氷協会は、製氷メーカーとかき氷販売店のつながりを深める役割をもっています。
海外のかき氷
日本以外にもかき氷があり、各国それぞれに特徴があります。各国のかき氷やかき氷を使用したスイーツを紹介していきます。
ハロハロ
こちらはフィリピンのスイーツになり、主にかき氷が使用されたパフェになります。ハロハロはまぜこぜという意味で、果物や豆類、ナタデココやアイスクリームなどが使用されています。コンビニ、ミニストップにあるハロハロもこれに該当します。
アイスカチャン
マレーシアのかき氷になります。カチャンとは豆のことで、あずき豆やひよこ豆、ピーナッツなどの豆が入っています。とうもろこしやチェンドルという緑色の寒天などが入っているのも特徴です。
スノーコーン
アメリカにあるかき氷になります。見た目はかき氷を少し球状に固め、三角形のコーンに入れられています。アイスクリームのかき氷版といった感じです。
ピンス
韓国にあるスイーツになります。さまざまなフルーツや豆類、きなこや小さな餅がトッピングされたスイーツです。ふわふわな氷なのが特徴で、最近では糸ピンスという氷が糸状になったかき氷もあります。
各国のかき氷はどれもおいしそうで、いつか食べてみたいです。
まとめ
かき氷の由来、雑学について紹介していきました。平安時代、かき氷は高級食材だなんてちょっとイメージがつきませんね。昔のかき氷と比べて現代のかき氷は多種多様で作り方がさまざまですが、一方で平安時代のかき氷にシロップをかける食べ方も残っているのがかき氷の面白いところですね。