みなさん、プリンは好きですか?ではパンナコッタはどうでしょう?今回はパンナコッタとプリンの違いをご紹介します。パンナコッタとプリンの決定的な違いは作り方にあります。
また似たようなスイーツ、ムースやババロアとパンナコッタとの違いといった洋菓子の話から、あなたが知っているあの日本料理は和風プディング??さらにみなさん一度は食べたことがあるであろう「プッチンプリンはプリンと言っていいのか?」といった話まで。
よだれが出てきそうなお話し満載です。スピードワゴンの井戸田さんの「あま~い!」という声が聞こえてきそうです。これを読んでぜひ誰かに話してあげてください。
目次
パンナコッタとは
発祥
イタリア発祥です。イタリア語パンナコッタ(Panna cotta)のPannaは「クリーム」、cottaは「煮詰める」という意味で、日本語に直すと「煮詰めたクリーム」という意味です。
材料・作り方
材料
- 生クリーム
- 牛乳
- 砂糖
- ゼラチン
作り方
パンナコッタは生クリームや牛乳に砂糖を混ぜ、加熱。ゼラチンを使い固めたものです。現在ではゼラチンを使って固めますが、伝統的な作り方ではゼラチンではなく卵の白身を使い、蒸し焼きにして固めていました。
パンナコッタにはバリエーションがいろいろあります。
- コーヒー風味:作る時にコーヒーを牛乳と混ぜて作ったもの。
- ソースをかける
カラメルソース
キャラメルソース
(イチゴなどの)フルーツ系ソースやジャム
チョコレートソース など。
- コーヒーゼリーなどの上にパンナコッタを作った2層のもの。
- ケーキのようにフルーツをトッピング。
プリンとは
発祥
プリンはイギリスの船乗りが作っていた「プディング」が元となっています。このプディングは「船で余った食材がもったいない」ということで、考え出されました。なんとお肉、野菜、ナッツ、パンくずなどを卵と牛乳に混ぜて蒸したものです。
この頃のプディングはスイーツというより「おかず」といったイメージのものでした。
当初は具材が入っていたのですが、そのうち何もいれなくなります。そして18~19世紀、フランスでカスタードプリンが作られました。
材料・作り方
材料
- 卵
- 牛乳
- 砂糖
作り方
材料を混ぜ合わせ、蒸す、またはオーブンを使い蒸し焼きにします。カラメルソースをかけたり、ホイップクリームでデコレーションしたりもします。
プリンとパンナコッタとの違い
上を読んでわかるように固め方が違います。プリンは卵の凝固作用を利用して蒸して固めます。これに対してパンナコッタはゼラチンを溶かし、冷やして固めます。
また、発祥の地はパンナコッタがイタリアなのに対して、プリンはイギリスです。
ちょっとブレイク~和風プディング
先ほどイギリスのプディングは「もともと食材を入れていた」とお伝えしました。日本食にも「卵を入れて蒸し固める料理」があることを思いう浮かべた方はいますか?そうです。茶わん蒸しです。茶わん蒸しも卵の凝固作用を利用して固めますよね。
だから茶わん蒸しは「和風プディング」(もしくはプディングを「洋風茶わん蒸し」)と言ってもいいでしょう。
大きな違いは「何を固めるか」です。プディングは牛乳を卵で固めるのですが、茶わん蒸しはだし汁を固めます。
ムースとは
特徴
ムースはふわふわしていてクリーミーな口触りが特徴です。
・発祥
17世紀のフランスが発祥と言われています。そのころ「食べる時の噛む動き」が下品とされていました。だから咀嚼行動をあまりしなくていい食べ物に人気があり、その流行の中ムースは生まれました。「ムース(mousse)」は、フランス語で「泡」を意味する言葉です。
材料・作り方
材料
- 卵白(メレンゲ)
- ホイップクリーム
- 砂糖
- チョコレートやフルーツピュレ
作り方
ムースはメレンゲが基盤となっています。卵白や砂糖を攪拌(かくはん)して作ったメレンゲとホイップクリームを混ぜたものです。だから本来は固まっていません。現在、洋菓子店など販売される場合、形が崩れないようにするためにゼラチンを加える場合もあります。
味をつけるため卵白やホイップクリームを攪拌しながらチョコレートやフルーツピュレを加えます。またムースはスイーツのみならず、野菜やお肉、魚を使ったムースもあります。こちらはフランス料理の前菜などによく使われます。
ムースとパンナコッタとの違い
パンナコッタはとムースも固め方が違います。パンナコッタはゼラチンを使い、形を作りますが、ムースは固めていません。メレンゲやホイップクリームなど泡立てただけのものです。だからムースはよりなめらかで軽い食感です。また、ムースはスイーツとしてのみならず、野菜やお肉などを加えて前菜にも使われます。
ババロアとは
発祥~フランスだけど・・・
「ババロア」という言葉はフランス語で「(現在ドイツにある)バイエルンの」という意味です。ドイツのバイエルンとフランスが関係しているのですが、できた経緯には2つの説があります。
- 料理人がバイエルン王国の貴族のために考案した。
- 1815年にフランスのシェフがバイエルン地方にもともとあった温かい飲み物をもとに考案した。
材料・作り方
材料
- 牛乳
- ゼラチン
- 砂糖
- 卵黄
- 卵白(メレンゲ)
- ホイップクリーム
作り方
はじめにゼラチンを牛乳で溶かします。これに砂糖と卵黄を混ぜたものを加えます。さらにホイップクリームやメレンゲを混ぜて冷やし固めて作ります。
ババロアとパンナコッタの違い
ババロアもパンナコッタもほとんど同じ材料で、どちらもゼラチンで固めます。唯一違う材料はババロアには卵を使うこと。さらにパンナコッタは生クリームを使いますがババロアは(生クリームを攪拌して空気を含ませた)ホイップクリームにして使います。だから空気が入る分柔らかな食感です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?最後に今回紹介した4種類のスイーツの違いをまとめます。
発祥
- パンナコッタ・イタリア
- プリン・イギリス
- ムース、ババロア・フランス
固め方
- パンナコッタ、ババロア・ゼラチン→冷やす
- プリン・卵の凝固作用→蒸す
- ムース・泡立てて、固めない
材料
- 卵を使う・プリン
- メレンゲを使う・ムース、ババロア
- ホイップクリームを使う・ムース、ババロア
- 生クリームを使う・パンナコッタ
なめらかさ(ふわふわ感)
- ムース > ババロア > パンナコッタ
最後に衝撃の事実をお伝えします。みなさん1度は食べたことであるであろう、プッチンプリンの話です。衝撃かもしれませんがプッチンプリンはプリンではありません。実はプリンというよりパンナコッタに近いスイーツなのです。
プリンは卵の凝固作用を利用して蒸し固めますが、プッチンプリンは寒天を使います。寒天は(パンナコッタで使うゼラチンと同じように)溶かした後、冷やして固めます。
プッチンプリンのプルプル感を出すには、(本来のプリンのように)卵で固めるのでは難しいようです。(また、プッチンプリンは寒天ですが、現在、ゼラチンを使ってプリンを作る方も多くいます)。