みなさんは床屋、美容院どちらを利用しますか?床屋の目印として青・白・赤の3色で回転する棒を一度は見たことがあると思います。ですが何故あの3色なのか、気になる人もいると思います。
本記事では3色である理由や回っている理由、そのほか床屋についてのさまざまな雑学を紹介いたします。この3色である理由はさまざまなものがあり、由来は中世ヨーロッパにまで遡(さかのぼ)ります。この記事を読めばより床屋に対して理解が深まります。
床屋のポールの名前は「サインポール!」
あのポールの名前はサインポールと呼ばれています。これは和製英語であり、実際の英語ではバーバーポール(baber pole)と呼ばれています。過去に日本では有平棒(あるへいぼう)と呼ばれていました。これはポルトガルから伝来した菓子アルヘイに似ていたためにそう呼ばれていました。
この3色のサインポールは16世紀ごろパリで初めて作られました。
青・白・赤、3色の理由
実はこの理由には明確な由来がなく、諸説あります。今回3つほど紹介いたします。
動脈・静脈・包帯説
ポールの赤が動脈、青が静脈、白が包帯をあらわしている説です。この説は12世紀ごろのイギリス発祥と言われています。当時の理容室は外科医も兼ねていたので、血液をあらわす赤と青の色と包帯の白色が目印として取り入れられたといわれます。
ですがこの説はガセというのが有力です。理由としては動脈静脈が発見されたのは17世紀ごろのことです。それより前にサインポールは生まれているのはおかしいということでこの説はガセと言われています。
瀉血(しゃけつ)説
この瀉血というのは中世ヨーロッパでの病気の治療方法です。当時のヨーロッパでは体の悪い部分には悪い血が集まるという考えがありました。腕を切開しそこから体内の血液を出す、その血液とともに体内の悪い病気の元を出すという考えのもとに行われた治療方法です。今の時代から見たら驚きの治療法です。
瀉血は腕を切開し、出た血を腕から棒に伝わらせ血を受け皿にうけるため、患者の腕を棒に握らせて行いました。この棒がサインポールの元といわれます。この棒は腕から血が伝わるため、見栄えの問題で赤く染めていました。そして治療用の包帯を洗って干す際にその棒を使用していました。
そして1700年ごろイギリスで理容室と外科医を区分けした際、理容室は看板に青を付け加えることを定められました。これが現在のサインポールの色、青・白・赤となりました。これが一番有力の説といわれています。
フランス国旗説
フランス国旗の色がそのままサインポールになった説です。由来は1800年ごろにフランス国旗を野戦病院の印として巻きつけたという由来があります。現代の床屋では青、白、赤の3色ではなく青、白の2色のみのサインポールなどさまざまなデザインのサインポールがあります。
くるくる回るその理由とは?
現代ではその理由としては、単純に営業している際に回るようになっています。サインポールは回ると基本的に上に吸い込まれるようなデザインになっており、とても特徴的で目が惹かれます。このデザインは世界共通です。床屋の目印としてはとても分かりやすい物となっています。
床屋という名前の理由
語源は江戸時代の髪結い床(かみゆいどこ)と言われています。髪結いとは男性の髪を結ったり、髭や髪の毛を剃るといった職業でした。髪結い床は露店でさまざまな場所におもむき、仕事場を仮設し仕事をしていました。
その仕事の際、座るための簡易的な床を使用したため、床屋と呼ばれていました。その床は木や竹でできており、折りたたみで持ち運びが可能でした。
床屋と美容院の違い
両者に大きな違いがあり、まず違うのは法律です。床屋いわゆる理容室は、理容師法という法律のもとで営業しています。美容室は美容師法という法律のもとで営業されています。最初は理容師法のみでしたが、1957年ごろに美容師法が設立され、美容師と理容師にわけられました。
取得する免許もそれぞれ違い、行えることにも違いがありそれぞれの法律では
- 理容は頭髪の刈込、顔そりなどで容姿を整えること
- 美容はパーマ、結髪、化粧などで容姿を整えること
と定義されています。
シャンプーする際の体の向きも理容室、美容室によって違うといわれていますが、店によるので曖昧となっています。ちなみに美容室にサインポールはありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか、サインポールの成り立ちや床屋の雑学について紹介しました。床屋の目印として目立つサインポールの赤色が元は血液だったかもしれないとは、驚きですよね。
床屋と美容室は作業内容に違う部分があります。利用する場合、利用したいサービスに合わせて、床屋、美容室を選択していく必要があります。特に顔そりは美容室では行えないので、床屋で剃ってもらい、さっぱりするのも気持ちよいのでオススメです。