赤穂の塩と伯方の塩。どちらも有名な銘柄ですがその違いをご存じでしょうか?赤穂の塩は、オーストラリアから輸入した原材料に「にがり」を入れて加工した塩で、兵庫県赤穂市で精製されております。
伯方の塩は、愛媛県今治市伯方島にある伯方塩業株式会社が販売している商品名です。輸入塩を加工する精製は同じですが、海水と室内で自然乾燥するのが特徴の塩と言えます。
赤穂の塩と伯方の塩は精製こそ違いますが、
- どちらも原材料が輸入品である
- 赤穂市・伯方島のどちらも塩田での塩業は廃れている
- お互いにかつて塩業が盛んであった地元を大事にしている
以上が共通点だと言えます。
この記事では、赤穂の塩と伯方の塩の違いはなにかについて解説します。
目次
赤穂の塩と伯方の塩の違い
赤穂の塩(兵庫県赤穂市)
赤穂市はかつて塩業で栄えた場所。赤穂の塩と言えば、昔からにがりを含んだ製法です。赤穂の塩は塩に含まれるナトリウムが少ないのが特徴で、にがりを含むことで素材の旨味を引き立てる効果があります。
現在の赤穂の塩は、国産の塩ではなくオーストラリアからの輸入塩ですが、にがりを含む工程は変わらない精製です。
赤穂の塩はナトリウムが少ないことが特徴なので、素材の旨味を引き立てるのに最適の塩と言えます。
伯方の塩(愛媛県今治市伯方島)
過去に塩業が盛んだった愛媛県伯方島。現在は時代の流れで塩田は消滅し、塩田は過去の存在となりましたが、伯方島の塩田への思いから誕生したのが伯方の塩です。
塩の原材料はオーストラリアとメキシコから輸入しており、国産の塩ではないことは赤穂の塩と共通しております。精製は屋内で数日間、自然乾燥することで塩かどがなく、ほんのり甘みを感じるのが伯方の塩の特徴です。
※音量に注意してくだい。
伯方の塩といえばこのCM。今も昔も変わりなくこのフレーズが使われております。
双方の違い
赤穂の塩と伯方の塩の違いは製法です。双方の違いについて説明します。
原材料の輸入先で赤穂の塩はオーストラリア産ですが、伯方の塩はオーストラリア産とメキシコ産の2か国です。製法も赤穂の塩は「にがり」を入れた製法に対し、伯方の塩は室内で数日間の自然乾燥する製法を取り入れています。
赤穂の塩はナトリウムが少ないので素材の旨味を活かすのに最適の塩で、伯方の塩はほんのり甘みがあるのが特徴です。
塩の製法
塩の製法には大きく「精製塩」「天然塩」「再生加工塩」の3種類があります。
精製塩
輸入した塩の原材料を溶解し精製するのが精製塩。精製塩はナトリウムが多く含まれているので、さらさらして雑味がなく塩辛く感じるのが特徴です。
精製塩は他の塩と比べてミネラルが少ないのが特徴だと言えます。
天然塩
天然塩は海水を原材料として天日で乾燥したり、鍋で煮詰めたりして精製された塩です。岩塩も天然塩の中の一つで、天然塩はミネラルが多く含まれているのが特徴と言えます。
天然塩はミネラルを多く含んでいますがその反面、精製に手間がかかるので値段が高いのが特徴です。
再製加工塩
再製加工塩は、輸入した塩の原材料に「海水」や「にがみ」を入れて加工した塩です。赤穂の塩、伯方の塩の双方は原材料に「にがみ」や「海水」を入れるので、再生加工塩と言えます。
健康面に問題はないのか?
天然塩ではないが
赤穂の塩や伯方の塩は天然塩ではなく再生加工塩です。しかし原材料が海外の塩であることや自然由来の海水やにがみもいれるので、オリジナルのブレンド塩と言えます。
ミネラルやナトリウムが含まれているので、分量さえ守れば健康に影響を及ぼすことはありません。
栄養面は大丈夫?
再製加工塩は、精製にて「海水」や「にがみ」といった自然由来の成分を加工するので、天然塩と変わらないミネラルが含まれております。
逆に精製塩は塩以外の成分を取り除くので、ミネラルが少ないです。
食品以外の用途は?
塩は食品以外に、歯磨き粉や道路凍結防止剤といった商品があります。特に道路凍結材は冬の時期に欠かせないアイテムで、私たちの生活に必要不可欠です。また鮮魚の運搬に塩は欠かせないアイテムとして、今も重宝しております。
おわりに
赤穂の塩と伯方の塩の違いは、製法に違いがあります。オーストラリアから原材料を輸入し、そこに「にがり」を入れた製法が赤穂の塩。オーストラリアとメキシコの2か国から原材料を輸入し、国内の「海水」を混ぜるのが伯方の塩です。
どちらも共通点として天然塩ではなく加工塩ですが、原材料の輸入先や精製過程に違いがみられるのは面白い部分です。加工塩なので健康面は大丈夫なのか?と以前から言われております。どちらも加工塩ですが、精製工程に自然由来の成分を含むので、適切な分量さえ守れば問題ありません。
兵庫県赤穂市と愛媛県今治市伯方島は、どちらも過去に塩業が盛んだったという共通点があります。現在は時代の流れと共に塩業が廃れましたが、地元の塩業の歴史を大切にする気持ちは同じ。兵庫県赤穂市と愛媛県伯方島を訪れたときは、塩業の歴史を感じてみるのはいかがでしょう。
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