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「数え年」と「満年齢」の違い ~皆さん、自分が数え年でいくつかわかりますか?~

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皆さんは今何歳ですか?
「西暦△年○月☓日生まれでもう今年の誕生日が来たから[今年の西暦]-[生まれた年]」で〇〇才。

なるほど。「では数え年では何歳ですか?」と聞かれて「えっと・・・・??」と考えてしまう人も多いかと思います。「数え年」は時々親戚のおばあさんとかが「あなたは数えで何才?」と聞いてくるその年のことです。

どうして「数え年」なんてものがあるのでしょうね。面倒ですよね。いったい数え年はどういう年なのでしょう?数え年と今私達が普段使っている年齢とどう違うかわかりますか?

今回はこの「数え年」と今私達が普段用いている年齢「満年齢」の違いについてご紹介します。

満年齢とは

最初に「満年齢」についておさらいしておきましょう。皆さん普段「何才?」と年齢を聞かれたときに答えるのが満年齢だと思います。

(満)年齢は0歳から始まり誕生日ごと(365又は366日ごと)に1歳ずつ増えていきますよね。満年齢については知っていると思います。それでは次に数え年についてご紹介します。

数え年とは

数え年って時々耳にする言葉だと思います。「満年齢に1を足したのが数え年」とお思いの方、おしいですが実は微妙に違います

「数え年」は生まれたときから1才が始まります。だから満年齢に1才足します。そしてここからが数え年の大きな特徴です。歳は誕生日ごとに増えるのではなくて、元日(1月1日)が来るたびにすべての人の歳が1才増えていきます

つまり、12月31日に生まれると1才はたったの1日で、次の日の1月1日にはもう2歳になるのです。満年齢ではまだ0才だというのに・・・。

JIKU

面白いですよねぇ

だから「満年齢」から「数え年」を求めるの計算では

その年の誕生日が来るまでは ・・・ 『「満年齢」+2才』
誕生日が来たら・・・『「満年齢」+1才』

になります。

この「数え年」方式をとっているものに現在の私達に身近な「年」があります。当たり前のように使っていて気付かないかもしれません。それは(「平成」「令和」などの)和暦」が「数え年」と同じなのです。

元号が平成から令和になった時のことを思い出してください。令和元年(1年)が始まったのは西暦2019年の5月1日でしたよね。この日を「令和さん」の誕生日だと思ってください。

満年齢ならば2019年の5月1日から2020年5月1日までは0才(0年)なのですが、2019年12月31日までが1才(令和元年)、2020年の元日はまだ生まれて8ヶ月しか経っていないのにもう2才(令和2年)が始まっていましたよね。これが数え年の考え方です。

なぜ「数え年」が必要だったのか-旧暦に関係しています

それではどうして「数え年」という考え方が必要だったのでしょう。この理由は旧暦(太陰太陽暦)を使っていた時代にさかのぼります

旧暦は月の満ち欠けの1周期を1ヶ月としていました。月の満ち欠けの周期は約29.5日、つまり1ヶ月が29.5日でした。1年が12ヶ月だとすると29.5日×12ヶ月=354日。1年は365日あるのに11日足りません。だから19年に7回「閏月(うるうづき)」をつくり、1月増やしていたのです。

JIKU

ややこしいと思いませんか?

こんような旧暦を使っていた時代は、旧暦での誕生日はわかっても正確な誕生日(1年間の中で365日の中で何日目が自分お誕生日)がわかりません。だから「数え年」という考え方を作り、「その年の始め(元日)にみんな一斉に歳を取る」という方法が用いられていました。

「数え年」の行事

みなさんも「数え年」という言葉を時々耳にすることがあるように、今でも日本では数え年を使う行事(風習)が残っています。一部ご紹介します。

・七五三:江戸時代から行われえきた行事でこの時代に使われていた「数え年」で7才、5才、3才に普通は行われます。しかし、近年では数え年だとわかりにくいのか、満年齢で行うこともあります。

・厄年(やくどし):親戚のおじさんやおばさん、または同級生の間でも「今年、厄年じゃない?」と言うことがあると思います。科学的な根拠はないのですが、この「厄年」には災い(わざわい)が起きやすいとされています。「厄年」もまた「数え年」での歳です。男性は数え年で25、42,61才、女性は19、33、37、61才が厄年です。

・長寿のお祝い還暦(60才)・古希(70才)・喜寿(77才)・傘寿(80才)・米寿(88才)・卒寿(90才)・白寿(99才)など、「長寿をお祝い」も本来は「数え年」が使われます。しかしこれも現在では「満年令」で行うことも多くなってきています。

・亡くなった人の法要:「1周忌は1年後ですが、なぜ3回忌は2年後、七回忌は6年後なの?」と思ったことがある方もいらっしゃるかと思います。この「回忌法要」は「数え年」を現在でも用いています。

ちょっとブレイク~競走馬の年齢~

日本の競走馬の年齢(馬齢)にはなんと2000年まで数え年が用いられていました。

JIKU

驚きですよね

「『2000年までは』ということは、それ以降は人間と同じ満年齢?」とお思いの方もいらっしゃるかと思います。JRA「日本中央競馬会」も「満年齢に変更した」と言っています。しかし誕生日で1才が増えるのではなく、「1月1日に全部の馬が一斉に年を取る」のです。

つまり、数え年のように1才から始まるのではなく0才があるという意味で「満年齢」に変わりました。しかし実際は「数え年-1才」に変わったのです。どうして人間と同じように誕生日ごとに年が増える「満年齢」にしないのかと言うとこれには理由があります。

馬の繁殖期は春です。春に妊娠して11ヶ月後に出産を迎えます。人間と同じ満年齢だとほとんどの馬が春に生まれ、春に年を取ることになります。そこで春に行われるレースで年齢制限がある場合に問題が発生するのです。

例えば3月3日のレースで4才馬のレースがあったとします。このレースには3月1日生まれの4才になったばかりの馬も走れますし、3月5日生まれのもうすぐ5才になる馬も出場することができるのです。ほぼ1歳の差をなくすために国際ルールに合わせてこんな変わった歳の数え方をしています。

うるう年の2月29日の人は4年に1度しか年をとらないの?・歳は誕生日に増えるのではない??

うるう年の2月29日生まれの人は4年に1度しか誕生日がこないから、4年に1度しか歳を取らない・・・そんなわけないですよね。実はここまで「誕生日に歳が1才増える」と書いてきましたが、正確には違います。

実は民法に難しく書いてあるのでご紹介します。

第143条2項
週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

つまり2月29日生まれの人はその前日の満了(2月28日が終わった時点)で1才歳が増えるというのです。

この考え方は4月1日生まれの人にも関係してきます。4月1日生まれの知り合いがいる方はご存知かと思いますが、4月1日生まれの人は学校の学年は1つ上の(3月の子と同じ)学年に入学していたと思います。

これも同じで4月1日生まれの人は3月31日が終わった時点で、つまり4月1日が来る前に6才になるから、小学校には1つ前の学年に入学するのです。

最後に

2022年4月より成人の年齢が18才に引き下げられます。つまり高校3年生の教室には大人と子供が混ざった状態になるのです。私の個人的な考えなのですが、「4月2日生まれからの新たな数え年制度」を作ってはどうでしょう?つまり学年ごとの歳の数え方をです。

そうすれば高校3年生の教室に大人と子供が混在することもなくなりますし、同窓会で友だちと会った時「私三十路になったけど、あなたはまだ29才?」などと言う会話もなくなると思うのになぁ・・・・。

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