みなさんは遠足や運動会などのイベントの前日に、てるてる坊主を作ったことはありますか?幼いころにてるてる坊主を作ったことがある方は多いでしょう。保育園や幼稚園でも作った記憶があるのではないでしょうか?大人になった方もお子さんがいる家庭では一緒に作ったことがあるかもしれませんね。
今日は「てるてる坊主」についてご紹介します!てるてる坊主は日本で生まれた文化ではありません。中国からやってきました。またてるてる坊主がやってきた時は「坊主」ではなく、「女の子」であったといいます。どうして女の子から男の子に変わったのでしょうか?ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
てるてる坊主の由来とは?
てるてる坊主のモデルは中国からやってきた「掃晴娘(そうせいじょう/サオチンニャン)」だといわれています。掃晴娘はほうきを持っていて、ほうきで雨雲を払い、晴天にしてくれるのです。てるてる坊主のように布やティッシュではなく、切り絵の紙の人形です。掃晴娘にはこんなお話があります。
“昔むかし、あるところに美しく、賢い娘がいました。ある年の6月、水があふれるほどの雨が毎日続き、みんな困っていました。その娘が空に向かって雨が止むように祈ったところ、天から「雨の神である龍神の妃(きさき)になれば晴れにしてやろう」というお告げがあったのです。
大雨からみんなを救うため、娘はお告げどおりに龍神の妃になります。すると雨は止み、空は晴れていきました。それ以来、大雨が続くと娘が得意だった切り絵で掃晴娘を作り、門にかけるようになりました。そうして空が晴れるように祈ったのです。”
中国では、ほうきは掃除のためだけでなく、古くから神聖なものであり大事にされてきました。悪いものを払ったり、良いものをよせたりすると考えられているのです。
なんだか、ほうきを大事にしようと思いました。
てるてる坊主の歴史
てるてる坊主には、てるてる法師、てれてれ坊主、日和坊主(ひよりぼうず)、てれれ坊主などいろいろな呼び方がありました。「てるてる坊主」との呼び方が一般的になったのは、江戸時代の書物「嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)」で「掃晴娘」から「てるてる坊主」に変わったという記録が残っています。
娘から坊主になったのはどうして?
娘からお坊さんになったのは、日本ではお坊さんが不思議な力を持っていたと考えられていたから。切り絵の人形から丸い人形に変わったのも、お坊さんをイメージしたものに変化していったからなのです。
切り絵よりも、てるてる坊主の方が上手に作れる気がしますよね。
悲しい結末の童謡
てるてる坊主の童謡には「そなたの首をちょんと切るぞ」という怖い歌詞があります。なぜこんな歌詞なのかというと昔話にこんなお話があるからなのです。
“昔むかし、水害で困っていたお殿様が、不思議な力を持ったお坊さんに「晴れるようになんとかしろ」と命令をしました。お坊さんは一生懸命に祈ります。ところが、天気は晴れません。怒ったお殿様は、お坊さんの首を切ってしまうのです!そして、切った首を白い布に包んで吊るします。すると次の日、天気が晴れたのです。”
これが、てるてる坊主の始まりだとする説もあります。
とても悲しいお話ですね。切った首を白い布に包んで吊るしたのは、見せしめのためだったのでしょうか?次の日は晴天になったと聞くとお坊さんがかわいそうです。
逆さまに吊るすと?
雨が降ってほしい時は、てるてる坊主を逆さまにして吊るします。また、てるてる坊主は白い布やティッシュなどで作りますが、雨を降らせてほしい時は黒い布で作るという話もあります。他にも、スカートのようになった部分に、切り込みを入れることも!名前は「あめあめ坊主」や「るてるて坊主」と呼ばれています。
どこに吊るすといい?
太陽からてるてる坊主が見えるのが良いとされています。方角でいうと南側。そして、晴れてほしい前日に作って吊るします。吊るす場所は家と外の境界である窓際や玄関に吊るしましょう!
より効果的なのは南天の木に吊るすこと。どうして南天の木かというと、古くから悪霊を払う力を持っていると考えられているためです。「難を転じる」ともいわれていて、縁起がいいとされています。
南天の木に吊るすというのは聞いたことありますか?とても効果がありそうですね!
吊るしたあとはどうするの?
今ではてるてる坊主に顔を描いて吊るしますが、昔は右目を描かずに吊るしていました。晴れを祈り、空が晴れると人形に左目を描いて供養していたのです。顔を先に描いて吊るすと、雨が降るといわれている地域もあります。
晴れを願う時は右目だけ描いて吊るしましょう。てるてる坊主が晴れにしてくれたあとは、左目を描きます。晴れずに雨だったときは左目を描かず、そのまま供養します。供養にはお酒をお供えし、神社などでお焚き上げをしてもらうのがいいでしょう。ちなみに、昔は川に流して供養していました。
今では川に流せないので、きちんと供養するのはお焚き上げが良さそうですね。
まとめ
てるてる坊主の由来についてはいかがでしたか?始まりは中国からやってきた「掃晴娘」がモデルでした。モデルは女の子でしたが、のちに不思議な力を持っているとされるお坊さんへと変化をしていきました。
また、てるてる坊主は前日に作って吊るすのが良いといわれていて、南天の木に吊るすとより効果的です。絶対に晴れてほしい日があったら、ぜひ南天の木に吊るしてみてくださいね。