1997年7月に公開されたもののけ姫。観客動員数は1420万人以上、興行収入198億円で、当時日本1と言われた映画です。今現在でもテレビで放送されるくらい人気のジブリ映画ですが、最近になってサンとエボシが親子なのでは?という噂があります。そこでこの記事では、
- サンとエボシが親子って本当?
- 結局サンは誰の娘なのか
- なぜサンとエボシが親子って言われるようになったの?
という疑問を徹底解説していきます。私自身もジブリ作品の大ファンで、もののけ姫が一番好きです。そんな私が最近もののけ姫にハマった方にも分かりやすいように解説します。サンとエボシの関係性、さらにモロの君との関係性まで知れるので、ぜひ最後まで読んでください。
画像引用: https://www.ghibli.jp/works/mononoke/#frame
目次
サンとエボシが親子という根拠は存在しない
結論から言うと、サンとエボシが親子という根拠はありません。公式にも発表されておらず、SNSで適当なデマや都市伝説が拡散されている状態です。そこで、物語を見ているだけでは分からないサンとエボシ、さらにモロの君との関係性について見ていきましょう。

サンは生贄として山に捨てられた娘
映画の中では描かれていませんが、サンは子供の頃、両親に生贄として山犬たちに預けられた過去があります。その昔、森を削って自分たちの生活を豊かにしようとした人間に怒った山の神々である山犬たちが、人間を襲うようになります。人間は自分たちの命や生活を守るために、子供だったサンを生贄として山犬たちに差し出したのです。
サンを人間ではなく山犬だと思っている方もいますが、サンは人間です。しかし小さい頃から山犬に育てられたサン自身は、自分のことを山犬だと思っています。だから、森を壊そうとする人間をひどく憎んでいると覚えておきましょう。
サンが「私は山犬だ!人間の指図など受けぬ!」と叫ぶシーンも有名ですが、サンは人間界に生まれた女の子です。
エボシはタタラ場を守るために森を開拓する人
一方でエボシは、自分たちの生活を豊かにするために森を開拓するので、サンとは対極の人物です。映画の中でも出てきますが、エボシが火縄銃を作らせているタタラ場。このタタラ場は、エボシが病気や貧困による弱者の人達を救って、生活の場を与えている場所です。そのため、タタラ場で働く人達はエボシのことを厚く慕っています。
このタタラ場で生活するためには、森を開拓しなければいけません。それを止めようとするのが山犬、そしてサンというわけです。襲ってきた山犬を打つためにエボシは石火矢の開発をこのタタラ場で行っています。
かつて、エボシ自身も奴隷など残酷なことをされた経験を持っています。だからエボシは弱者を見過ごすことが出来ず、助けているのです。
エボシとモロの君は因縁の関係
モロの君は、幼少期のサンを育てた山犬です。映画の中ではモロと呼ばれています。体長は5mを超えており、鋭い牙と長い尻尾が特徴。人間の言葉も動物の感情も汲み取れる知能を持っています。モロはシシ神の森を守る絶対的な存在です。
しかしエボシは自分たちの生活拠点であるタタラ場で鉄を作るために、森を開拓します。森を守りたいモロ、森を切り開きたいエボシはまさに因縁の関係。お互いを非常に恨み、憎しみ合っています。
このように、サン、エボシ、モロに親子関係は存在していません。それではなぜ、サンとエボシが親子と言われようになったのでしょうか。
サンとエボシが親子といわれる理由
サンとエボシが親子と言われるようになった理由は、映画を深く読み解くことで、親子なのでは?と推測できる部分いくつかあるからです。ここからは、サンとエボシが親子と推測できる部分について解説します。

サンとの衝突にエボシは手加減している?
もののけ姫の見どころの1つに、サンがタタラ場にいるエボシに襲い掛かるシーンがあります。2人が決闘するシーンは躍動感と緊張感があり、見たことある方も多いのではないでしょうか。このシーン、よく見るとエボシはどこか涼しい顔をして、サンの攻撃をかわしているだけに見えます。
サンは怖い表情で必死なのに対し、エボシは表情を変えず、淡々とした顔つきです。自分よりも遥かに大きな山犬をも恐れず、エボシほどの力を持った人間なら、サンにとどめを刺すことは容易なはず。
しかし、エボシはとどめを刺しませんでした。このシーンから、エボシからするとサンは自分の子供なので、とどめを刺すことが出来なかったと推測されています。
モロの君のセリフ
映画の中でモロがアシタカに向かって、「黙れ小僧!」「お前にサンが救えるか」と怖い顔で言うシーンを見たことありませんか?実はここにもヒントが隠されています。モロはサンのことを
「森を犯した人間が、我が牙を逃れるためによこした赤子がサンだ」
とアシタカに言っています。この「森を犯した人間」がエボシなのでは?という推測です。このセリフをもう少し分かりやすく言うと、
「エボシはタタラ場を守るために、まだ小さかったサンを差し出したのだ」
ということになります。実際にエボシは森を開拓しており、モロ自身もエボシを憎む因縁の関係。これはモロもサンの母親がエボシだと知っているからこそ、憎しみ合う関係にあるのではないか、と推測されています。
サンとエボシが似ている
もののけ姫には、多くの女性が登場します。例えばタタラ場で働く女性。このタタラ場で働く女性とエボシを比べてみてください。エボシは色白で背も高く、キレイな目と真っ赤な口紅が特徴です。一方、タタラ場で働く女性達はみんな背も低く、童顔です。そしてサン自身も肌が白くて目が大きく、タタラ場で暮らす女性達に比べると美人であることが分かります。
さらに物語の最後、サンがアシタカを見つめる目と、エボシが「この村を良い村にしよう」と言う時の目、どちらも優しく似た表情になります。争いが終わり、お互いの憎しみから解放された表情が非常に似ていることから、サンとエボシが親子なのでは?と推測されています。
サンとエボシが親子というのは都市伝説に近い部分があります。あくまで推測されている内容ということを理解しておきましょう。
まとめ
この記事では、サンとエボシが親子というのは本当なのかについて解説してきました。具体的にまとめると
- サンとエボシが親子という根拠はない
- 映画の中でサンとエボシが親子という設定が推測できる部分がある
- そのためSNSを中心に都市伝説やデマも流れた
ということでした。宮崎駿監督はもののけ姫に対して、「描かないことの美学」を伝えています。今までのジブリ作品では描いていた描写を、もののけ姫ではあえて描かずに見ている人に考えさせる構成にしています。サンとエボシが親子なのか、考察しながら改めて鑑賞してみると、また違った魅力に気付けるかもしれません。
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