みなさんは幼いころ、昔話を読んでいましたか?きっとみなさん、いろんな昔話を読んだことでしょう。たくさんのお話がある中で、今日は「桃太郎」についての「なぜ?」をご紹介していきます。たとえば桃太郎が岡山県発祥の話だといわれている理由はご存じですか?
全国各地に桃太郎発祥の地がありますが、岡山県が発祥とされている理由があるのです。また、たくさんの果物がある中でなぜ「桃」だったのでしょう?1つ疑問に思うと次々と疑問が出てきますね。
鬼退治のお供が犬、サル、キジである理由についても、不思議に思っている方は多いのではないでしょうか?そして、桃太郎のお話には続きがありました。どんなお話なのでしょう?ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
桃太郎が岡山県発祥だとされる理由

桃太郎が発祥の地は全国各地にあるのですが、有名なのは岡山県。なぜ岡山県なのか?岡山県にある「吉備津(きびつ)神社」の由来を書いた古文書には桃太郎のお話によく似たものが書かれていました。
それは吉備の国(岡山県)に鬼のように強い温羅(うら)一族がいたこと。それを退治するために大和(奈良県)からやって来た天皇の子・吉備津彦命(きびつひこのみこと)が桃太郎のモデルと考えられています。
この古文書には桃太郎のお供の犬、サル、キジに似た話も書かれているのです。また、岡山県の総社市(そうじゃし)にある鬼ノ城(きのじょう)は「鬼のすみか」とも呼ばれ、桃太郎に出てくる鬼ヶ島であったと考えられています。
全国に桃太郎発祥の地があります。いろんな桃太郎を知るのも楽しいですよね。
なぜ「桃」太郎なの?

桃が使われた理由は昔の中国で、邪気をはらって不老長寿の食べ物だと信じられていたから。邪気をはらう=鬼からの邪気をはらうとされ、桃太郎に使われました。
みなさんが知っている桃太郎では、大きな桃が川に流れてくる様子が書かれています。しかし、古い記録では桃を食べたおじいさんとおばあさんが若返り、元気な子供を産むという話があるのです。
明治時代に桃太郎は桃から生まれたという話に変わりました。
鬼退治のお供が犬、サル、キジの理由

鬼と戦うには少し頼りなく思える犬、サル、キジですが理由があるのです。鬼退治のお供が犬、サル、キジになったのは「鬼門」が関係しています。方角でいうと鬼門は北東をさします。鬼門とは鬼や邪気が出入りする方角だといわれているのです。
鬼門の反対の南西は「裏鬼門」と呼ばれています。この裏鬼門に位置する十二支が「戌(犬)」「申(猿)」「酉(鳥)」です。
また、桃太郎のモデルになった吉備津彦命の家来が「犬飼部犬飼健(いぬかいべのいぬかいたける)」「猿飼部楽々森彦(さるかいべのささきもりひこ)」「鳥飼部留玉臣(とりかいべのとめたまおみ)」であったことが由来ともいわれています。
家来の名前に犬、サル、キジがいるのですね。
きびだんごの由来

きびだんごとは日本で古くから食べられていた「きび」を使っただんごのこと。最近ではきびだけでなく、もち米を使ったきびだんごも増えています。また、吉備の国(岡山県)はきびの栽培が盛んでした。
このきびを使っただんごのことを吉備だんごと呼ぶようになったという説もあります。販売を始めたのは武田浅次郎という人で、吉備津神社の境内でお茶菓子として出したのが始まりでした。
なぜ桃太郎が鬼退治をしたの?

これにはいろんな説があります。鬼が村の女性や子供をさらっていく、金品を奪い乱暴をするため退治しに行ったという説。また、鉄を奪いに行ったという説もあります。これは、吉備に鉄が豊富にあったという話。その鉄を温羅一族が独占していたため、大和朝廷から派遣された吉備津彦命が奪いにいったといいます。
鬼というのは落ちぶれた元貴族や、遭難して日本にやってきた外国人のことをさす言葉でもありました。でも、鬼と呼ぶのは違う気がします。
桃太郎には続きがあった!?

桃太郎のお話はめでたしめでたしで終わっていますが、実は続編があります。桃太郎の続編のタイトルは「桃太郎元服姿」で1779年に誕生しました。この物語では財宝を全て取られてしまった鬼が桃太郎に復讐しようと考えます。
財宝を奪い返すため、桃太郎に娘を送るのです。ところがこの娘は桃太郎のことを好きになってしまいます。桃太郎をだまして財宝を取り返そうか悩むのですが、最後には自殺をしてしまうのです。
とても悲しいお話ですね。続編が無かった方が良い気もします…。
まとめ
桃太郎の「なぜ?」についてはいかがでしたか?幼少期に思った「なんで?」が解決できたことと思います。桃太郎発祥の地が岡山県といわれているのは吉備津神社に残された桃太郎の話がありました。
また犬、サル、キジを家来にしていたのは干支が関係しています。「桃」太郎である理由は、桃が不老長寿や邪気を払う果物と信じられていたからでした。桃太郎の発祥の地は全国各地にあるので、発祥の地めぐりをするのも楽しそうですね。