音楽が好きな方であれば、音楽に関するさまざまな知識を持っているかと思います。しかし、世代によって知識は異なるものです。例えば、90年代のJ-POPと現在のJ-POPでは、売れているものも音楽の聴き方も全く違います。
今回はそんな音楽についての雑学です。あなたはシングルとマキシシングルの違いがわかるでしょうか?中には「シングルって何?」「マキシシングルって何?」という方もいるはずです。
そのため、シングルとマキシシングルの違いについて解説していきます。また、現在主流になっているマキシシングルがどのような理由で普及していったのかということも解説していきます。
目次
シングルとは
シングルとは、通常の12㎝のアルバムとは違い、8cmのCDのことを言います。曲数は1,2曲入っていることが多く(カラオケ、リミックスは除く)、ケース・ジャケットは短冊形(長方形)です。
主に1990年代においてシングルCDが売れていましたが、現在では8cmのCDはほとんど生産されていません。CDショップでも取り扱いはほとんどありません。8㎝のシングルCDにとって変わったのが、次に紹介するマキシシングルです。
90年代のころは8cmのシングルCDをたくさん購入していました!懐かしいです。
マキシシングルとは
マキシシングルとは、アルバムと同じサイズ(12㎝)のシングルCDです。曲数は通常のシングルに比べると曲数が3、4曲程度と多いです(カラオケ、リミックスは除く)。通常のシングルよりも大きいサイズなので「マキシマム=マキシシングル」と呼ばれるようになりました。
2000年ごろから急にマキシシングルが普及し始めました。
シングルとマキシシングルの違い
シングルとマキシシングルは、曲数とCDのサイズが違います。シングルは8cm、一方マキシシングルは12cmというのが大きな違いです。
また収録されている曲数も違います。通常のシングルが1,2曲収録されていることに対して、マキシシングルは3,4曲入っていることが多いです。この場合、カラオケやリミックスバージョンは除きます。さらには値段も違いがあり、一般的な8cmシングルの場合は1,000円程度、マキシシングルの場合は1,200~1,300円程度です。
世代じゃない人は、この違いを知らないことが多いです。
マキシシングルとミニアルバムの違い
では、マキシシングルとミニアルバムはどう違うのでしょうか?マキシシングルはあくまでも分類はシングル、一方ミニアルバムはアルバムに分類されます。また曲数も異なり、マキシシングルが4曲までのCDを指し(カラオケ、リミックスは除く)、ミニアルバムは6曲までのCDを指します。
なので、シングルをボリュームアップしたCDがマキシシングル、アルバムをボリュームダウンしたCDがミニアルバムということです。
マキシシングルとミニアルバムも違いがわからないことが多いですね。
なぜマキシシングルが普及されるようになったか?
90年代にあれだけ普及していたシングルCDは、なぜマキシシングルへと移行していったのでしょうか?それにはさまざまな理由がありました。今では当たり前になったマキシシングルが普及していった理由を見ていきましょう。
コストが安い
意外に思われるかもしれませんが、8cmより12cmのCDの方が安く作ることができます。なぜなら、12cmのCDの方がさまざまな用途で使われているので、コストが安くなるのです。このような状況で8cmCDを作ろうとすると、かえって値段が高くなってしまいます。
棚の統一のため
8cmのシングルが普及していた時、CDショップではCDの棚を2種類用意しなければいけませんでした。しかしマキシシングルの場合、アルバムと同じサイズなのでCDの棚はすべて同じサイズにできました。このようにCDショップ側からもマキシシングルが求められていたわけです。
カーオーディオなどでは8cmCDが聴けない
カーオーディオなどで使われている吸い込み式のCDプレーヤーでは、構造上8cmCDを聴くことはできないです。そのため、シングルCDをどんなCDプレーヤーでも楽しめるよう、マキシシングルに移行したとも言われています。
曲を多く入れることができる
マキシシングルの方が通常のシングルと比べて曲数を多く収録することができるため、お得感があります。もちろんシングル曲の1曲しか興味のない方も中にはいますが、アーティストのファンであれば1曲でも多く聴きたいものです。
レンタル解禁を遅くできる
8cmCDが普及していた当時のレンタルCDでは、発売直後にレンタルが行われていました。そのため売り上げに響くとされ、レンタル開始日を遅らせることができないかと考えていました。
マキシシングルであればアルバムと同じ扱いになるということで、アルバムと同様、発売から3週間後にレンタルができるという状況にすることができたのです。なお、2022年1月現在では発売週の水曜日、または土曜日というように決められています。
万引き防止
万引き防止のためとも言われています。8cmCDの場合、サイズが小さいため万引きもされやすいという問題がありました。しかし、12cmのマキシシングルであれば、アルバムと同じサイズなので万引きもされにくいです。
このように、マキシシングルの普及には数多くの要因があったわけです。
おわりに
以上、シングルとマキシシングルの違いと、マキシシングルが普及するようになった要因について解説していきました。90年代からCDを買っていた方であれば、違いはよくわかっていたことでしょう。2000年以降からCDを買っていた方であれば、短冊形の8cmシングルと言ってもピンとこなかったかもしれません。
現在ではCDの売り上げも下がってきており、ダウンロード販売やサブスクリプション(定額制聴き放題)の時代になりました。今の若者はCDプレーヤーを持っていないとも聞きます。時代の流れはとても早いですね。