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プロレスのブック破りとは一体何なのか?プロレス史に残る事件を紹介!

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プロレスはショー的な要素があり、一見すると華やかな世界です。しかし、十年に一度ほどの頻度で、「ブック破り」という事件が起きることがあります。ブック破りとは、対戦するレスラー間の暗黙の了解を破ってしまう行為です。

この記事では、プロレスの試合がどう成り立っているのかはもちろんのこと、ブック破りを仕掛けて試合を壊してしまうとどうなるのかまで紹介しています。ブック破りはプロレスラーそれぞれの思いから生まれるものですが、興行としてはアクシデントです。

プロレスの舞台裏に興味のある方には、知識として楽しめるものになっています。

ブック破りとは台本を引っくり返す行為

ブックとは何なのか

ブックとは、プロレスの台本とも呼ぶべき隠語で、会社や選手の暗黙の了解のもとに試合の勝敗を予め決めているものです。リング外のストーリーについても予め決められています。ストーリーの流れはアングルと呼ぶことが多いです。

はち

ブックやアングルは舞台裏に存在するもので、中身が公開されることはありません。

プロレスのブックについて詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ!

プロレスの試合は勝ち負けが決まってる?永遠の謎の真相に迫ります!

ブック破りはなぜ起こるのか

ブック破りとは言葉の通り、決まっている試合の勝敗を守らないことです。選手間のわだかまりや、ブックへの不満などいろいろな原因でブック破りが発生します。選手自身が仕掛けることもあれば、裏に別の人間がいることもあると言われています。

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ブックは公開されていないので、本当にブック破りだったのかは推測の域を出ません。

力道山vs木村政彦

1954年12月22日に、力道山が当時のタッグパートナーである木村政彦と戦った「昭和の巌流島決戦」と呼ばれた試合です。約束では引き分けで終わることになっていましたが、力道山が一方的に木村政彦を攻め立て、KO勝ちを収めました。長年、力道山のブック破りとして語られています。

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木村側は異議を訴えることはありませんでした。

アントニオ猪木vsパク・ソンナン

1976年12月12日、韓国で行われたアントニオ猪木vsパク・ソンナンの試合は、格下のパク・ソンナン側が猪木側に対して「引き分けにしてくれないか」と依頼したことが原因で猪木がブック破りをしたというのが通説です。

試合は、激怒した猪木が、パク・ソンナンの目に指を入れるなど凄惨な攻撃を行い無効試合になりました。

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猪木vsモハメド・アリの世紀の一戦後だったので、パク・ソンナン側は猪木と引き分けることで格を上げようとしたと言われています。

前田日明(まえだあきら)vsアンドレ・ザ・ジャイアント

1986年4月29日に行われた新日本プロレスの前田vsアンドレの試合は、アンドレがブック破りをしたと言われています。アンドレが前田の攻撃に付き合わず、困惑した前田はセコンドに確認を取った上でアンドレにローキックを連発したのです。その後アンドレが試合放棄の姿勢を見せたため、試合は無効試合となりました。

外国人選手が示し合わせてブック破りをしたと言われていますが、真相は闇の中です。この試合は長いプロレスの歴史の中でも、有名なブック破りとして知られています。

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前田がアンドレの膝を狙ってローキックを放つ姿は異様でした。

高田延彦vs北尾光司

1992年10月23日に行われたUWFインターナショナルの高田vs北尾は、当時「最強」を名乗っていた高田と元横綱「双羽黒」北尾の対戦という注目の試合でした。試合は3分5ラウンドで行われ、3ラウンドに高田のハイキックが決まり、KOで高田の勝利となりました。

実は、この試合はお互いのために引き分けにする約束だったといわれています。この話が本当であれば、高田側がブック破りを行ったということです。

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高田側はこの試合の勝利で「最強」の名を上げました。

橋本真也vs小川直也

1999年1月4日に新日本プロレス東京ドーム大会で行われた橋本vs小川の試合は「不穏試合」としてプロレスファンの記憶に残っています。試合を組み立てようとする橋本に対し、小川が強烈な打撃を一方的に叩き込み続けたのです。試合は橋本が戦意を喪失して無効試合となります。

「裏で小川に指示を出していた人物がいたのではないか」「小川を送り込んだ猪木の指金ではないか」とファンの憶測を呼びました。

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橋本と小川は後にタッグを組んで活躍しました。

神取しのぶvsジャッキー佐藤

1987年7月18日に行われたジャパン女子プロレスの神取vs佐藤の試合は、人気女子レスラーだった佐藤に対し、神取が一方的に攻撃し、関節技脱臼した佐藤がギブアップするという凄惨な試合でした。佐藤の顔はひどくはれ上がり、その姿を見たファンから悲鳴が上がったほどです。神取は後日「心を折ることが目的だった」と述べています。

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心が折れるという言葉は神取の発言が由来です。

安川惡斗(やすかわあくと)vs世志虎(よしこ)

2015年2月22日、女子プロレス団体スターダムの興行で安川がチャンピオンの世志虎に挑戦しました。試合は、安川が世志虎へ顔面パンチを入れたところからケンカマッチに発展します。徐々に世志虎が一方的に殴りつける展開になり、顔が変形するほどの状態になり安川のTKO 負けとなりました。

後に裁定はTKO負けから無効試合に変更されますが、安川は頬や鼻を骨折する重傷を負いました。この試合は、もともと安川を売り出すために引き分けとするはずが、双方ヒートアップしてしまい、試合が壊れたと言われています。

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破壊された安川の顔がプロレス雑誌の表紙を飾ったため物議を醸しました。

ブレット・ハートvsショーン・マイケルズ

1997年11月9日にカナダ・モントリオールで起きたプロレス団体WWE(当時WWF)の会社側による有名なブック破りです。チャンピオンのブレットはライバル団体のWCWへ移ることが決まっていて、WWFはブレットを負けさせてチャンピオンベルトを取り上げようとしました。

ところが、モントリオールが地元のブレットは、この大会での負けブックを拒否します。WWFはブレットと話し合い、後日の大会でベルトを返上することで合意します。

しかし、大会当日、ブレットとショーンの試合でショーンが関節技を掛けた瞬間、WWFの社長がレフェリーにゴングを要求して試合を終わらせてしまいました。だまし討ちのような格好でブレットの負けになってしまいます。つまり、WWFがブックを破りブレットを負けさせたということです。

ブレットは激怒し、リングの横に居た社長に唾を吐きかけました。

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一連の出来事は「モントリオール事件」と言われています。

さいごに

プロレスの長い歴史の中でも、ブック破りを話題にすることはプロレスファンの間でタブーとされる傾向にあります。それは、プロレスにブックが存在することを受け入れることに繋がるからです。筋書きは無いという前提で楽しむ方が何倍も魅力を感じられます。

ブック破りは頻繁に起こるものではありません。しかし、華やかなプロレスの世界の裏の部分が垣間見える瞬間として、プロレスファンにまことしやかに語り継がれています。

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趣味は音楽鑑賞、新聞に掲載されているパズルを解くこと。身近なものから専門的な雑学まで幅広く執筆。