「みどりのマキバオー」という競馬漫画を知っていますか?この記事では、みどりのマキバオーに登場するエルサレムという競走馬について紹介します。みどりのマキバオーは、つの丸という漫画家の作品です。主人公はミドリマキバオー(以下マキバオー)という競争馬で、彼を中心に様々なライバルとの対決が描かれます。
みどりのマキバオーはギャグ漫画なのですが、マキバオーの成長物語としても楽しめる漫画です。アニメやテレビCMでマキバオーを知っている人もいるのではないでしょうか?エルサレムは多くのライバル競走馬の中でも世界最強の実績を持ち、マキバオーに立ちはだかりました。
この記事では、エルサレムのエピソードと、モデルとなった競走馬を紹介します。
目次
エルサレムはエリート競走馬
エルサレムは、UAE(アラブ首長国連合)で調教された競走馬です。エルサレムは、あらかじめ活躍が約束されているといってもよい競走馬でした。なぜなら、サラブレッドの能力に重要な役割を果たす血統が一流だったからです。
作中、エルサレムの父親はニンジンスキーと紹介されています。そのモデルとなったニジンスキーは現役時代の成績も種牡馬としての実績も史上トップクラスなのです。そのため、エルサレムは超をつけてもいいエリート競走馬といえます。
さらに、エルサレムは子供の時に飛行機事故に遭ったのです。その際、伝説の名馬ジェネシスの血を飲んで生還しています。ジェネシスは子孫を残すことなく亡くなりました。つまり、エルサレムはジェネシスの血を受け継いだ唯一の競走馬です。
エルサレムはドバイの国王の持ち馬として描かれています。
エルサレムの作中での活躍
世界最強のエルサレム
エルサレムは、作中のドバイワールドカップに登場します。登場時点で、イギリスダービー・キングジョージ・凱旋門賞とビッグレースを制覇していて、まさしく世界最強の競走馬です。しかも、エルサレムの戦績は、全戦全勝で無敗です。特に、凱旋門賞では、マキバオーの最大のライバルだったカスケードを負かしています。
エルサレムの特徴は、底なしのスタミナと長距離使える脚力です。レース後半までは後ろで控えることも多いですが、追い込みで他の馬を引き離します。
マキバオーとの対決
エルサレムとマキバオーは、作中で2レースを戦いました。ここでは、最初に2頭が戦ったドバイのワールドカップを紹介します。レースはとても激しいものでした。エルサレムとマキバオーは集団の後方に控え、じっくりレースを進めます。そしてレース終盤、2頭は前線に飛び出します。
激しいデッドヒートになる中、マキバオーはライバルであったカスケードの走りと誇りを思い出し、エルサレムを追い詰めます。しかし、勝ったのはエルサレム。マキバオーは、全力を使い果たした代償として、前両足骨折の重傷を負います。エルサレムは、自分を追い詰めたマキバオーをライバルとして認めるのでした。
エルサレムを追い詰めたマキバオーの底力が光るレースです。
その後のエルサレム
ワールドカップ後、エルサレムは凱旋門賞を3連覇するという偉業を成し遂げました。そして、引退を伸ばして何と日本のレースに出走します。それは骨折の重傷から這い上がりを見せたマキバオーと再び戦うためでした。レースは「ジャパンチャンピオンシップ」です。
レースは日本最強馬でマキバオーの半弟(母親が同じ)であるブリッツが制します。2着マキバオー、3着エルサレムとなり、マキバオーが雪辱を果たしました。レースではベテラン馬の意地を見せ、ブリッツを追い詰めるシーンもありました。
世界最高峰の凱旋門賞を3連覇はとんでもない偉業です。
エルサレムのモデルとなった競走馬は?
みどりのマキバオーではモデルとなる競走馬がいる
みどりのマキバオーには、実在の競走馬をモデルにしているキャラクターがいます。例えば、主人公のマキバオーは、タマモクロスという競走馬との共通点があるのです。
- 芦毛であること。
- 牧場が経営難で生まれの境遇が恵まれていないこと。
マキバオーのライバルであるカスケードは、フジキセキという競走馬がモデルになっています。
- 父親がサンデーサイザンス(実在のサンデーサイレンスという種牡馬がモデル)。
- デビュー年は最強だったが病気やケガに悩まされ、長く活躍できなかった。
このように、みどりのマキバオーは実在の競走馬とリンクする設定が多く、競馬ファンの読者を楽しませました。また、みどりのマキバオーをきっかけに競馬に興味を持つ読者も多かったのです。
魅力的なキャラクターが多く登場するのが、みどりのマキバオーの特徴です。
エルサレムのモデルは日本にいた
世界最強馬のエルサレムは、戦績とその後の種牡馬としてのエピソードからラムタラという競走馬がモデルとされます。ラムタラは、UAE・イギリスで調教を受けた競走馬です。無敗でイギリスダービー・キングジョージ・凱旋門賞を制したエピソードがエルサレムと完全に一致しています。
また、引退後のエピソードにも注目です。引退後、ラムタラは種牡馬になりました。その後、日本の生産者団体が破格の3000万ドル(当時約33億円)でラムタラを手に入れます。鳴り物入りで日本入りしたラムタラですが、残念ながら産駒は思ったほどの活躍はできませんでした。そして2006年にはイギリスに売却されました。
みどりのマキバオーの続編である「たいようのマキバオー」では、エルサレムが種牡馬として同様の経緯をたどったことが描かれています。
名馬が必ずしも種牡馬として活躍するとは限らない、シビアな世界です。
さいごに
みどりのマキバオーは、ギャグマンガである一方で、競馬漫画として人気の作品でした。それは、エルサレムをはじめとした魅力的なキャラクターがたくさん登場するからです。それぞれの馬が己のプライドをぶつけ合いしのぎを削る様子は、とても迫力があり、感動を誘います。競馬を知らない人でも楽しめる漫画です。
エルサレムは登場キャラクターの中でも実力で群を抜いた存在でした。マキバオーとの死闘はとても見応え があります。未読の人は、ぜひ一度マキバオーの世界に触れてみて下さい。