みなさんは林、森、山などの違いをご存じですか？なんとなく林よりも森の方が木は多く、面積も広いイメージ。森よりもさらに木が多く、もっと広い面積を持つのが山というイメージがあるかと思います。しかし、それぞれの言葉を詳しく説明ができる方は少ないのではないでしょうか？
それぞれの言葉が持つ、本来の意味とはなんでしょう？今日は林、森、山のそれぞれの意味をご紹介します。また、他にも森と杜（もり）の違いや、木と樹のそれぞれの違いもご紹介します！一体どんな違いがあるのでしょう？知ると誰かに話したくなるような内容になっています。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
林とは？
国語辞典では「木がたくさん集まっているところ」広辞苑では「樹木が群がり生えたところ」とあります。林業の仕事をしている人は「人間の手で管理しているところ」を林といいます。
また、このことを「人工林」と呼び、自然に木が生えている林のことを「天然林」と区別して呼んだりします。林の由来は「生やし」で「人の出入りがしやすい場所」であるというのが林です。
林は山のふもとなどにある比較的、人の出入りがしやすい場所にあります。
森とは？
国語辞典では「大きな木がたくさん生えていて、薄暗い場所」広辞苑では「樹木が茂って生え立つところ」とあります。森は「盛り」が由来で「木々がこんもりと生えている場所」という意味があります。また、森には「静か」「おごそか」という意味もありますが、林にはそういった意味はありません。
たくさんの種類の木が生えて、こんもりとした小高い場所や、反対に木が深く生い茂って人の出入りが少ない場所を森と呼ぶのです。そして、農林水産省では森のことを「自然にできた樹木の密集地」と定めています。
森はたくさんの種類の草、木、植物などが生えている場所。林よりも奥まったところにあり、簡単に出入りがしにくいところを「森」といいます。
林と森の違い
林と森にはっきりとした区別や使い方はありません。しかし、一般的に規模が小さく「同じ種類の木」が茂っている場所を「林」と呼ぶことが多いです。
反対に、規模が大きく「たくさんの種類の木」が茂っている場所を「森」と呼びます。また、里山などの近くにあるものを「林」簡単に入れないような山奥にあるものを「森」と区別することもあります。
杜（もり）とは？
杜も国語辞典では森と同様に「大きな木がたくさん生えているところ」を表します。杜は神社にある木の集団という意味もあり、神秘的な森を表す言葉でもあります。杜は元々「ヤマナシ」という食物や、ヤマナシの実のことを意味していました。門を閉じるという意味もありましたが「もり」という意味はありません。
では、なぜ「もり」と読むようになったのでしょう？それは杜が植物を指す言葉であったこと「社（やしろ）」という漢字に似ていたから。そのため、神社の周りの木がたくさん生えている場所を杜（もり）と呼ぶようになったのです。
森と杜の違い
「森」は自然に木が密集して生えている場所のことを意味します。「杜」は神社などに生えている木が集まっている場所のことを意味しています。
つまり、神社の近くにあれば「杜」で、それ以外は「森」に分けられるのです。
森林とは？
森よりもさらに広い範囲で木が生えている場所を「森林」といいます。森林は木だけでなく、草や花などの植物、動物、微生物などを含んだものを指すこともあります。また、森や林の総称でもあるのです。森よりも人があまり立ち入らない場所でもあります。
森よりも大きな面積で、森よりも木がたくさん生えているところを表します。
山とは？
平地よりも高く、丘や台地よりも高い場所のことをいいます。実は、木があるかないかは関係ありません。
森林と山の違い
森林は森よりも広い範囲で、たくさんの種類の木や草などが生えている場所のことをいいます。山は木があるかないかは関係なく、平地よりも高くなっている土地のことを山といいます。
木とは？
国語辞典では「立ち木の総称や樹木、材木。」を意味しています。「木」は生きている立ち木以外に、加工した木製品なども含みます。
樹とは？
国語辞典では「木」と同じ意味を持ち、立ち木という意味以外に樹木、草木、植物の総称などの意味があります。樹は生きている立ち木を意味します。そのため樹を切ってしまうと「木」になります。
木を加工したものを「木工」といいますが「樹工」とはいいませんよね。
木と樹の違い
「木」という漢字の意味には立ち木という意味がありますが、木製品なども含みます。反対に「樹」は生きている木のことを意味します。
まとめ
林、森、山の違いはいかがでしたか？森林や山の違い、木と樹の違いもご紹介しました。林＜森＜山というイメージがあったかと思いますが、林と森のはっきりとした区別や使い方はありませんでした。また、山に木があるかないかは関係ないという定義には驚いた方も多いのではないでしょうか？
木と樹は生きているものであれば違いはほとんどありませんが、切ってしまうと「木」になります。こういう違いを知ると面白いですよね。誰かに話したくなるような内容だったと思います。ぜひ誰かに話してみてくださいね。
