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トランプの由来・・・トランプを「トランプ」と呼ぶのは日本だけ??

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カードゲームと言って、皆さん一番に思い浮かぶのがトランプだと思います。

そして日本人の皆さんは、「トランプ」と言えば言わずと知れたカードゲームのトランプを思い浮かべますよね。(中にはアメリカの前大統領のドナルドトランプ氏を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。)しかし、実はカードゲームのトランプを「トランプ」と呼ぶのは日本人だけなのです。

「トランプ(trump)」とはもともとゲームの中で使われる「切り札」という意味の言葉なのです。語ではトランプを「Playing cards(遊びに使うカード)」と呼びます。だから外国の人との会話で「トランプ」トいう言葉を出すとアメリカの前大統領を思い浮かべる方が多いかと思います。

今回はそんなPlaying cards「トランプ」の由来、日本における歴史からトランプに秘められたカードの意味について紹介します。

トランプの起源

「トランプの起源」とひとことで言ってもいろんな説があります。古代エジプトが起源という説、中国が起源という説、さらにはインドが起源という説もあります。まずはこれらについてご紹介します。

古代エジプトが起源ではないかという説

トランプの起源には古代エジプトではないかという説があります。これは「タロットカード」に由来する説です。皆さんはタロットカードってご存じですか?「タロット占い」という言葉は耳にしたことがあると思いますが、この占いにも使われるカードです。

タロットカードとは・・・

タロットカード1セットは78枚のカードがあります。このカードは大アルカナ(22枚)と小アルカナ(56枚)に分けられ、このうちの小アルカナがトランプの起源ではないかと言われています。小アルカナは4つのスート(トランプでいうところのスペード、ハート、ダイヤ、クラブのようなマーク)に分かれています。

トランプのクラブにあたいする「ワンド(wand)」、
スペードにあたいする「バトン(baton)」、
ハートにあたいする「カップ(cup)」、
ダイヤにあたいする「ペンタクル(pentacle)(またはディスク(disk)とも言います)」です。

それぞれのスートには1~10までの数字とペイジ(Page)ナイト(Knight)クィーン(Queen)キング(King)の14×4種類のカードがあります。

ここまでくると「正にトランプの起源はこれでは!」と思いますよね。しかし、この説を否定する意見があります。「トランプとタロットカードのどちらが先か。どちらが真似て作られたのか。」問題です。「タロットカードの方が後で、トランプの影響を受けて作られたのではないか」とも言われているからです。

トランプは中国が起源ではないかという説

中国にも「トランプの起源ではないか?」というカードがあます。これは中国の唐の時代には存在したと言われる「馬弔(マーディアオ、「馬吊」とも書く)」というゲーム用のカードです。

4つのスートからなるところはトランプと同じです。合計40枚のカードからなります。麻雀(マージャン)の元になったともいわれています。この馬弔が中東を経由してヨーロッパに伝わり、トランプに変化したという説です。

いや違う、インドが起源ではないかという説

さらにインドが起源ではないだろうかという説もあります。皆さんチェスをご存じでしょうか?チェスは将棋と同様、インドが発祥のゲームが変化したものです。トランプもチェスと同じように元々インドにあったカードゲームが起源でヨーロッパに伝わったのではないか・・・という説です。

正確にはどの説が正しいかはわかりませんが、「中国起源が最も有力ではないか・・・」といわれています。

日本におけるトランプの歴史

トランプが日本に入ってきたのは16世紀のことで、ポルトガル人により伝えられました。このとき日本に伝わったトランプは(現在の54枚タイプではなく)ラテンスートと呼ばれる48枚タイプでした。呼び名もトランプではなくポルトガル語での「carta(かるた)」でした。

16世紀末頃になると「かるた」による博打(バクチ)が流行していたとみえて、1597年には長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)は博奕(バクチ)かるた諸勝負」を禁止にしたという歴史もあります。

また、かるた(トランプ)は1639年、当時の安南国の東京 (トンキン、現在のベトナム) などとの貿易を行っていた角倉船の絵馬に「トランプで遊ぶ男女の絵」が描かれていた歴史もあります。

日本で初めて作られたトランプ

日本で初めて作られたのは16世紀で「天正かるた」と言います。天正年間に作られたため、または最初のカードに「天正金入仕上」と書いてあったため「天正かるた」と呼ばれています。このトランプはポルトガルから渡ってきたトランプ(carta)をもとに作られました。

こん棒、金貨、刀剣、聖杯の4つのスートにそれぞれ1から9までの数字+女王、騎馬、国王。12枚×4スートの48枚でした。

改良され作られた「うんすんカルタ」


1681年には天正かるたを改良されます。枚数を増やした「うんすんカルタ」が作られました。

天正かるた4スートだったのに対し新たに「巴紋(ともえもん)」というスートが加わった5スート、かつ、各スートにウン(福の神)スン(唐人)ロバイ(ドラゴン)の絵札が加わった15枚×5スートの75枚のトランプです。

江戸時代でもやはりかけ事にトランプを使う人たちが現れ、禁止されたりもしました。また、江戸時代にはかるた(トランプ)が元として花札が作られました。

1902年には今や「世界のゲームメーカー」とも言われる任天堂の前身「山内任天堂」がトランプを作り始めます。日露戦争時に捕虜となったロシア軍人の退屈しのぎに政府が作らせたという話もあります。

トランプカードの意味 ― 1年を表す

トランプはどうして13枚×4スートなのでしょう。これには諸説ありますが、1年間を表しているのではという考え方があります。

この説によると4スートは各季節(春夏秋冬)を表します。「クラブ」は春、「ダイヤ」は夏、「ハート」は秋、「スペード」は冬を表します。また、それぞれ13枚のカードは1週間を表します。

4つの季節(スート)×13週(枚)×7日=364日です。これに2枚のジョーカーが加わると366日となります。

Jack、Queen、Kingにはモデルとなっている人がいる

それぞれのスートのJack、Queen、Kingには実際にモデルとなっている人物がいます。

JACK

16~17世紀頃Jackのカードは召使や家来など男性の絵が描かれていましたが、現在は「騎士(knight)」が描かれています

クラブ - ランスロット(アーサー王物語に出てくる円卓の騎士の1人)
ダイヤ - ヘクトール(ギリシャ神話イーリアスに出てくる英雄)
ハート - ラ・イール(フランスの軍人で、ジャンヌダルクの戦友)
スペード - オジェ・ル・ダノワ(シャルルマーニュ伝説の武勲詩に出てくる伝説上の英雄)

Queen

Queenはその名の通り「女王」を表します。
クラブ - アルジーヌ(フランス・ヴァロワ朝国王シャルル7世の妻)
ダイヤ - ラケル(旧約聖書に出てくるヤコブの妻)
ハート - ユディト(旧約聖書「ユディト記」に出てくるユダや人の女性)
スペード - パラス(ギリシャ神話に出てくる女性)

King

Kingもその名の通り「王様」を表します。
クラブ - アレクサンドロス王(ギリシャ・アルゲアデス朝やエジプトのファラオ)
ダイヤ - カエサル(紀元前100年~紀元前44年まで生きた共和制ローマ時代末期の政治家)
ハート - カール大帝(768年~814年のフランク王)
スペード - ダビデ王(紀元前1000~紀元前961年の古代イスラエルの王)

ジョーカーには2種類ある

日本語で「ババ」とも言われるジョーカーには2種類あるのをご存じですか?トランプの中には2枚ジョーカーが入っていますが、1枚はカラー印刷なのに対してもう1枚は1色で印刷されていますよね。そのうち1色で印刷されているジョーカーを「エキストラ・ジョーカー」と言われ、日本語で「準札」とよばれます。

ジョーカーは「最強の切り札」

ジョーカーはアメリカで考え出され、作られました。「ユーカー」というトランプゲームでジョーカーは「最も強い切り札」として作られたと言われています。しかし現在アメリカでユーカーを行う際、ジョーカーは使わないことが多いようです。

最後に

「トランプ」という呼び名が「日本だけ」だというのは、驚きですよね。アメリカの元大統領も日本で(アメリカでいう)Playing cardsを「トランプ」と呼ばれているとは驚きだと思います。

アメリカの前大統領ドナルドトランプ氏はアメリカにとっての「切り札」にはなりえませんでしたが、アメリカは(ユーカーで言うところの)「ジョーカー(最強の切り札)」を封印してしまったのでしょうか・・・。

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