あなたは、雲の名前と聞かれてどんな名前を思い浮かべますか?ひつじ雲、うろこ雲、入道雲……色んな名前の雲がありますよね。そして、それぞれ特徴があります。この記事では、雲の名前と種類を紹介します。見た目の特徴を交えて紹介します。「ああ、あの雲のことか」と思い浮かべながら読んでいただければ幸いです。
雲は、その姿かたちで種類を見分けることができます。見分けることができれば、天気を予想することができます。暮らしに役立つ知識なので、ぜひ活かしていただければ幸いです。
また、天気の良い日には、どんな雲が浮かんでいるのか、散歩しながら眺めるのもおすすめです。ぜひ、雲の名前と種類を覚えてみましょう!
雲の種類は10種類!どんな違いがある?
雲の種類は、大きく分けて10種類あります。10種類の雲は「十種雲形」と呼び、まず上空の上層部、中層部、下層部のどこにできる雲かを3種類に分けます。そして、特徴別に10種類に分けているのです。
雲の高さの目安は以下の通りです。
- 上層雲:高度10,000メートル
巻雲、巻積雲、巻層雲 - 中層雲:高度5,000メートル
高積雲、高層雲、乱層雲 - 低層雲:高度2,000メートル
層積雲、層雲、積雲、積乱雲
では、それぞれの雲がどんな特徴を持つか紹介します。
巻雲
巻雲とは、いわゆる「すじ雲」と呼ばれる高層雲です。他の雲と比べて一番高いところに薄くすじ状に広がっています。巻雲は、秋から冬にかけて発生することが多いです。巻雲がいくつも発生し、折り重なった状態が続くと、天気が悪くなることがあります。すじ雲は、はっきりした線が広がるので、他の雲と見分けやすいことが特徴です。
巻積雲
巻積雲は、いわゆる「うろこ雲」「いわし雲」「さば雲」と呼ばれる高層雲です。小さい雲がたくさん集まり、うろこに見えるため、魚を連想する名称がついています。巻積雲は、秋の空に発生することが多いです。巻積雲は、小さい雲が整列して見えます。天高い秋を彩る綺麗な雲です。
巻層雲
巻層雲は、いわゆる「うす雲」と呼ばれる高層雲です。巻層雲が発生すると、空にベール上の薄い膜が張ったようになります。巻層雲は「うす雲で太陽や月が傘を被っている」と表現することで有名です。巻層雲が発生すると、のちに天候が崩れることがあります。
高積雲
高積雲は、いわゆる「ひつじ雲」と呼ばれる中層雲です。小さなかたまりの雲が群れになって空に広がるのが特徴です。色は、白色に灰色が混ざります。かたまりの雲が空に広がるという点は、巻積雲と似ています。見分ける方法は、1つ1つのかたまりの大きさです。より大きいかたまりの雲が、高積雲です。
巻積雲のあとに高積雲がやってくると、天候が崩れることがあります
高層雲
高層雲は、いわゆる「おぼろ雲」と呼ばれる雲です。空を覆うように広がるのが特徴の中層雲です。高層雲が発達すると、天気は下り坂になります。高層雲は、空を覆う雲が広がる特徴が、巻層雲と似ています。高層雲と巻層雲を見分ける方法は、高さと分厚さの違いです。低い空に発生し、分厚い雲が、高層雲です。
高層雲があると日光による影ができませんが、巻層雲では影ができます
乱層雲
乱層雲は、いわゆる「雨雲」「雪雲」と呼ばれる中層雲です。見た目は薄暗く灰色で、分厚く空一面に広がります。乱層雲が発達している場合、天気は崩れる寸前です。今にも雨が降りそうな状態なのです。雲の下が灰色に見え、もやもやしている地域では、すでに雨が降っています。家を出た時に乱層雲を見つけたら、念のため折り畳み傘を用意するのがおすすめです。
乱層雲は広い範囲に雨を降らせます
層積雲
層積雲は、いわゆる「くもり雲」です。層積雲は下層雲で、低い空に発生し、大半は薄暗い曇りになります。形はいろいろあり、長いロールが並んだ形、まだら模様、でこぼこ模様など様々です。層積雲には、風の影響や、雲の蒸発などで形が変わりやすいという特徴があります。「空にひとすじの光が差す」という現象があります。この現象は、層積雲が形を変える中で、隙間ができることにより太陽光が差し込んだものです。
層雲
層雲は、いわゆる「霧雲」です。他の雲と比べて低いところに発生する下層雲です。色は白色か灰色です。霧雨(きりさめ)という、細かいシャワーのような雨を降らせます。山の絶景で耳にすることが多い「雲海」は霧が舞い上がってできた層雲です。
天空の城で有名な竹田城跡は層雲の賜物ですね
積雲
積雲とは「綿雲」とも呼ばれるモコモコした下層雲です。積雲は、雲の底は低くモヤモヤしていますが、上層に向かって大きく発達して、綿上の形状をしているのが特徴です。通常は雨を降らせませんが、積雲が大きく発達したときには雄大積雲と呼ばれる雨雲になります。雄大積雲まで発達すると、積雲はとても激しい雨を降らせます。その一方で、雷は発生しません。
積雲は夏の空によく見かける雲です
積乱雲
積乱雲は、いわゆる「入道雲(にゅうどうぐも)」です。夏の空によく見かけますし、わかりやすい形をしているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか?
積乱雲は、夏の夕立を降らせる下層雲で、雷を伴うため「雷雲」とも呼びます。一方、似た形の積雲には雷はありません。2つの雲を見分けるには、雲の上層部を見てみましょう。上層部がモコモコしていたら積雲。平たくなっていたら積乱雲です。
積乱雲が出ていたら、局所的な雨が降らないか天気予報を確認しましょう
さいごに
この記事で紹介した「十種雲形」には、それぞれ見分けやすい特徴があります。空に浮かぶもくもくと天高く伸びている雲を見て「入道雲が出ているから、夕立が来るかもしれない。」と気づけたら、洗濯ものを片付けるなど事前の対策ができます。雲の種類と名前を覚えておくことで、生活に役立つことがあります。
雲はいろんな姿かたちで空に浮かんでいます。空を見上げた時に、名前を思い出してみてください。晴れ空に浮かぶ雲を見ていると、気分転換になりますよ。