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純文学の人気作家7人を紹介!現代にきらきらと輝く文章に触れよう!

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あなたは純文学とはどういうものか知っていますか?聞いたことのある人でも「ちょっと難しそうだな」と感じているかもしれません。この記事では、現代の純文学における人気作家を7人紹介します。

記事を通じて純文学に興味が湧いたら、ぜひ作品を手に取って読んでみましょう。「この作家の作品が面白い」と感じたら、同じ作家の他の作品を読んでいくのをおすすめします。作家性に惹かれて読むのも純文学の楽しみ方の1つです。

この記事で紹介する作家の中から、1人でも気になる作家・好きな作家に出会えることを願っています。

純文学の定義

純文学とはどういうものでしょうか?定義としては「純粋な芸術性に重きを置いた文学」です。文芸作品の中でも芸術的な表現に特化した小説を指します。一方で「ミステリ小説」「推理小説」といったエンターテイメント作品は「大衆文学」と呼びます。

純文学は文章表現の美しさや古典にも通ずる伝統的な表現の引用があり、題材が普遍的であることなどが特徴です。

文学賞の観点から説明すると、新人作家やまだ無名の作家に与えられる「芥川賞」「直木賞」のうち純文学に与えられるのが「芥川賞」です。一方、大衆文学に与えられるのが「直木賞」です。純文学か大衆文学か、という基準は厳密なものではありませんが、定義と賞の観点から線引きして判断することができます。

はち

もちろんミステリ小説が文体に芸術性を持っている場合もあります。

現代純文学の人気作家7人

綿矢りさ

綿矢りささんは、京都府出身の作家で、高校生のときに太宰治の作品に出会ったことをきっかけに文芸の世界に入ります。高校在学中に「インストール」で文藝賞を受賞し、大学在学中に「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞しました。19歳という最年少での受賞が大きな話題になり「蹴りたい背中」はベストセラーとなります。

その後もコンスタントにヒット作を出していて、現代の純文学作家の代表格として活躍しています。「勝手にふるえてろ」はオタク系女子の心の動きが美しい文体で面白おかしく描かれていて、話の展開も細かく丁寧に描かれていて、おすすめです。

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綿矢さんの作品は、女性の心の動きをミリ単位で表現しているように感じます。

羽田圭介

羽田圭介さんは、東京都出身の作家です。2003年、高校在学中に「黒冷水」で文藝賞を受賞しました。2008年以降「走ル」「ミート・ザ・ビート」「メタモルフォシス」がそれぞれ芥川賞候補になります。2015年「スクラップ・アンド・ビルド」で遂に芥川賞を受賞したのです。

「スクラップ・アンド・ビルド」は介護問題を扱うデリケートな物語ですが、軽妙に描かれており、読後にはなぜか明るい気持ちになる作品です。

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羽田さんの文章は、冷静さと温かさを備えています。

平野啓一郎

平野啓一郎さんは、愛知県出身の作家です。京都大学在学中に「日蝕」(にっしょく)を発表し、芥川賞を受賞したことで話題になりました。「日蝕」はとても難解な単語と文体を用いて書かれていて、芥川賞の選考委員が「辞書が無いと読めない」と舌を巻くほどでした。

日蝕と言う作品は、世界観や壮大さ、美しさが際立っています。その後も芸術表現にこだわった作品が目立ちました。現在は、現代的な作風の作品を発表しています。

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平野さんの作品は、いずれも抑揚のある文章が特徴的で独創的です。

川上未映子

川上未映子さんは、大阪府出身の作家です。元々はプロの歌手でした。2006年より文筆業に入り、2007年に「わたくし率 イン 歯ー、または世界」で小説家としてデビューします。2008年には「乳と卵」(ちちとらん)で芥川賞を受賞します。

「乳と卵」では、断絶した親子関係がこじれていく様子と、とうとう暴発するお互いの感情が、文章を途切れさせない独特の書き方で語られています。新しい文芸表現としてとても面白い作品です。

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「乳と卵」は、ハラハラさせながらも終わりに向け静かに描かれています。

中村文則

中村文則さんは、愛知県出身の作家です。2002年に「銃」で小説家としてデビューしました。2005年には「土の中の子供」で芥川賞を受賞しました。世界観が重厚で鬱々しているところが中村さんの作品の特徴です。

純文学作家の中でも多作で、2014年には「教団X」がベストセラーとなりました。2つの宗教団体と巻き込まれていく男女の運命がズッシリとした文章で描かれています。長編ですが、続きが気になって最後まで一気に読んでしまえる名作です。

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中村さんの作品は、ミステリ要素を含むものが多いです。

吉本ばなな

吉本ばななさんは東京都出身の作家です。1988年に「キッチン」でデビューします。1989年には「TUGUMI」(つぐみ)が出版され、「キッチン」と併せて大ヒットし、社会現象となりました。

「キッチン」は生と死をテーマにしながらも、ユニークな登場人物たちがたくましく生きる様子がとても印象的な作品です。「キッチン」に収録されている「ムーンライト・シャドウ」も文章がとても美しく、目に浮かぶ切ない情景が胸を打ちます。

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吉本ばななさんの作品には、小さな棘(とげ)が胸に刺さるような切なさを感じます。

金井美恵子

金井美恵子さんは、群馬県出身の作家です。1967年に「愛の生活」でデビューしました。初期の作品は、長大な文章が続く独特の書き方でした。使う言葉にもこだわり、ストーリーよりも作家性を重視していたようです。

1988年に発表した「小春日和(インディアン・サマー)」からは平易な文章を使うようになります。「小春日和」は、純文学が好きだという人達がこぞって読んでいると言っても過言ではない有名な作品です。

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金井美恵子さんは、エッセイも多く書いていて人気があります。

さいごに

純文学と聞くと、玄人向けだと感じるかもしれません。しかし、実際に読み始めると、作品に引き込まれて最後まで楽しく読めます。作品の世界観や登場人物の感情の動きがしっかり描かれていて分かりやすい作品が多いです。この記事で紹介した作家・作品は、いずれも長く人気を集めていて、とてもおすすめです。

純文学を読んでいると、自身の感情表現も豊かになります。気になる作家や作品があれば、ぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか?

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はち
趣味は音楽鑑賞、新聞に掲載されているパズルを解くこと。身近なものから専門的な雑学まで幅広く執筆。