パリ五輪大会で採用されるブレイキンって何？ブレイキンのルールを紹介

2024年フランスパリにて開催されるパリ五輪。4年に一度の祭典で、毎回多くのドラマが誕生します。五輪は競技以外にも話題となる部分がありますが、特に話題となるのが追加競技です。

2024年開催のパリ五輪では、新たにブレイキンが競技として追加となりました。ブレイキンとは何か知らない人も多いはず。ブレイキンは1970年代のアメリカ・ニューヨークサウスブロンクス地区発祥のストリートダンスです。

“休憩”や”間奏”といったブレイクが名前の由来なので、動きにキレのあるダンスだと言えます。いまはYouTubeや検索サイトにて簡単に検索できますが、ブレイキンにルールがあることをご存じでしょうか？

この記事では、パリ五輪で正式種目となったブレイキンの由来と、競技のルール・見どころを紹介します。

リンク

ブレイキンとは？

ブレイキンは、1970年代のアメリカ・ニューヨークのサウスブロンクス地区で発祥したストリートダンスです。

1970年代のアメリカ・ニューヨークのサウスブロンクス地区は、暴力やドラッグが蔓延した治安の悪い地域でした。毎日のように事件が起きるサウスブロンクス地区。暴力やドラッグでは何も解決しないので、ダンスと音楽で白黒つけようとしたのが始まりです。

私たちがよく聞くブレイクダンスと違いは、ターム（専門用語）の違いだけで、ダンスそのものは同じです。どちらもキレのある動きとそこから一転して動きを止めるダンスなのは共通しております。

あきら

私たちがよく聞くブレイクダンスとは専門用語の違いなだけで、ルーツは同じです。

※実際のブレイキン大会の映像です。（音量に注意してください）

ブレイキンは、選手が独自に開発した技を披露する競技です。次にブレイキンの基本的な技を4点紹介します。

立って踊る導入のダンス。相手を挑発したりするステップ中心のダンスは当時のサウスブロンクス地区の名残です。

床に手をつき足を高速で捌くダンス。足技の速さだけでなく、パフォーマンスも見どころです。Footwork（フットワーク）が得意な選手の場合、足技の速さとキレには見どころがあります。

逆立ちの状態や片手で動きを止める技。早い動きから一転して動きを止めるダンスは、キレがあります。早い動きと一転して動きを止めるのがブレイキンの特徴です。

頭や背中で回るダンス。頭を床に付けて足を使わずに逆立ちになってから、高速で回転する動きはブレイキンの代表的な技です。知名度が高い技なので、高い独創性が要求されます。

あきら

ブレイキンは、競技中は相手選手に触らないと言う暗黙の了解があります。

パリオリンピックの種目になった理由は、オリンピックへの関心が薄い若い世代を呼び込むため。平和を象徴するオリンピックにおいて、ダンスで勝負するブレイキンはオリンピックにマッチしていたと言えます。

対戦相手チームと1対1のダンス（バトル）を交互に披露し、技だけでなく会場全体の雰囲気も採点の対象です。

ブレイキンの大会では、事前にダンスのBGMは発表されません。ダンスのBGMが発表されるのは競技の直前。そのため各選手は即興でダンスします。即興なので、BGMに最適な動きやダンスの組み合わせを瞬時に選択しないといけないので、実力と経験が問われます。

いかに体力を維持して勝負（バトル）できるかが勝敗を分けるキーポイント。ダンスの選択や会場の雰囲気も意識して選手達は勝負（バトル）します。

ブレイキンのジャッジは必ず複数人と決まっており、パリ五輪では5人です。ジャッジが個人だと判定が偏り不公平になるので、複数人と決まっております。ジャッジはそれぞれ、「技術性」「多様性」「完成度」「独創性」「音楽性」の5つの基準を判定して採点します。

あきら

会場全体の盛り上がりも採点の対象なのがブレイキンの特徴です。

私たちにはあまり聞いたことがないブレイキンですが、専門用語の違いなだけでダンスの内容はブレイクダンスと同じです。2024年パリ五輪では正式種目として採用された競技ですが、試合方式にも独特だと言えます。お互いのチームの選手が交互に1対1で勝負（バトル）する方式はブレイキンのルーツです。

1970年代のアメリカ・ニューヨークのサウスブロンクス地区から始まったブレイキン。当時のサウスブロンクス地区は暴力やドラッグが蔓延した治安の悪い地域です。それから数十年後、平和の祭典オリンピック競技になるとは当時の人々は予想しなかったはず。

ブレイキンのルーツを知れば、パリ五輪での見え方も変わるのではないでしょうか？

リンク