こんにちは!福祉コラム担当のもち猫です!今回のテーマは「ASD・ADHDがある人のデスク周りの収納法」について!
ASD・ADHDがある人には「物が捨てられない」という人が多くいます。
「今は不要だけれどまたいつか使うかも知れない」や「愛着があって捨てられない」といって物を捨てられない内に、色々なものがどんどん引き出しの中やデスクの上を侵食していき、いつのまにかぐちゃぐちゃに。
そんな経験ありませんか?
ADHD傾向のあるもち猫も、仕事のデスクの上はまだ何とかきれいなのですが、家のデスクの上はプリンタ、パソコン以外にも書類から外したクリップやこまごまとした文房具やパソコン関係の器具でぐちゃぐちゃです。
片付けようと思うのだけれど引き出しの中も未分類で何が入っているかわからない……。
片付けるって難しい!
そんな人に向け「とりあえず」綺麗にするコツを紹介したいと思います!
■ASD・ADHDがある人はどうして散らかしてしまう?
「デスクの引き出しは文房具だけ!」そう決めていたのに、USBメモリが入り込んでいたり、ケーブルが紛れ込んでいたり……。そうやって色々入れているうちに、「もう何でも入れちゃえ!」となってしまい、使わなくなったものはそこに放り込んでしまうようになってしまう。
そして、いざ必要なものを取り出そうとしたときに「あれどこにやったっけ?」と引き出しを覗いてみるとそこは混沌状態。
何とかして使いやすく分類しようとしても、色々なものがゴチャゴチャと入っているからどこから手をつければいいかわからない!
もち猫もデスクの一番上は文房具だけ、と決めていたのに、ハガキを入れてしまったり、ごみ箱にそのまま捨てればいいものを、書類から外した付箋等「必要ないかも」と思いつつ引き出しに放り込んでしまったり……。
細かなごみも入れてしまっていたので、デスクの引き出しの中は大変なことになっていました。
「これはいけない!」と思い整理しようとするものの、とにかく物が多い!
小さなクリップ、付箋、ケーブル類……。どう分けようか考えるけれど思いつかず、頭が沸騰しそうでした。
このようにASD・ADHDがある人(または、傾向がある人)は「物が捨てられない」ということが多くあるのです。
上にも述べたように‶今はいらないけれどいつか必要になるかもしれない〟という
思いや‶愛着があって捨てられない〟という思いから、つい引き出しやカバンなどに物を溜め込んでしまうのです。こういった性質の為、カバンやデスクに物が増えていき周りが散らかってしまうのでしょう。
■とりあえず見た目だけでもきれいにしよう!
それでは、デスク周りや引き出しをきれいにするには、どうしたらいいのでしょうか?
ここではまず片付けの「第一歩」として、「見た目だけでもきれいにする」というのを目標としましょう!
★100均グッズを活用しよう★
100円均一に行くと、クリアファイルやジップロックなど、こまごまとしたものを片付けるのに便利な収納グッズがたくさん売っていますよね。
お金をかけなくても、100均で揃えられるものでデスク周りをきれいにしましょう!
まずは、ジップロック。クリップや付箋など、細かいものをこれにまとめます。事前に何を入れたいか確認していって、サイズ選びをするといいですね。
ポイントは、中身が一目でわかるものを買うこと!
パッと一目で見てわかるので、探す際も手間を省けます。そして、できれば「何が収納されているか」書く欄があるものがいいですね。
もし「中身が見えなくて可愛いのが欲しい……!」となったら、そういった「何が入っているか」を書く欄があるものを選びましょう。
それか、付箋やシールなどを貼り付け、何が入っているかパッと見た時にわかるようにしておくのも一つの手ですね。
★紙類の整理はクリアファイルを★
クリアファイルと言っても色々な種類があります。一冊に仕切りがあって区別できるようになっていたり、ケース型になっていてたくさん書類が入れられたり。これはあなた好みのものでOKなのですが、これも背表紙などに何の書類が入っているかきちんと記載しておきましょう。
「人に見られて嫌だなぁ」と思うのだったら、色ごとに種類を分けて、自分だけが分かる様に「この色のファイルにはこの書類」というメモを作っておき、使ったら元に戻す、という習慣をつけましょう。この「使ったら元に戻す」というのがデスク周りだけでなく部屋も散らからないコツです。
とにかく物を種類ごとにジップロックやファイルに入れ、使ったら元に戻す。
これを徹底していきましょう!
■きれいになったら写真を撮っておこう!
★視覚優位を活用しよう!★
これは別に記念撮影というわけではありません。
ASD・ADHDがある人は、「視覚優位」の理解力を持っていることが多いです。耳で聞いた情報よりも、目で見た情報の方が理解しやすい。
その為、片付けが終わったら、その「きれいな状態」をスマートフォンやデジタルカメラで写真にとっておきましょう!
そして、「ちょっと散らかってきたな」と思ったら、その写真を見て、物を元の位置に戻す。
これを繰り返せば、「どこに何があるかわからなくなった!」なんてことは防げます。できれば、写真は大き目なものがいいでしょう。また写真をプリントアウトしてファイリングしておけば、「どこがどんな風だったか」すぐわかりますよね。
これも「人に見られるのが恥ずかしい」という人は、ファイルの外側が柄物だったり、濃い色のものを選べば外からは何のファイルかわかりません。
そして、自分用のメモに「この色のファイルは片づける時の参考用」とメモしておくのです。
そうすれば、他の人からは「書類のファイルかな?」くらいにしか思われませんよね。心配しなくても大丈夫!
「それでも抵抗がある!」という人は、プリントアウトはせずに、スマホやデジカメで写真をとり、その中に「片付け用」というファイルを作っておきましょう。
そうすれば、自分から誰かに見せない限りそんなファイルがある事はわかりませんよね。
写真にするにせよ、スマホの中にしまっておくにせよ、とにかく「きれいな状態の写真を撮っておく」ことは綺麗なデスク周りをつくるための必須条件です。ASD・ADHDの特性の一つである「視覚優位」の理解力を存分に利用しましょう!
■ASD・ADHDがある人の収納法まとめ
以上、簡単な収納法を紹介してみましたがいかがでしょうか?できそうですか?
「片付け」といっても簡単な「整理法」ですので、「よし!頑張ってきれいにするぞ!」などと気合を入れなくても大丈夫。
「とりあえず」きれいに見えればいいのですから。
そして気が向いたときに、徹底的に片づけをする。その時にも、写真を撮っておくといいですね。モし散らかってしまった時に後からみて「あぁ、ここはこういう風に整頓していたんだな」と一目で分かりますからね。
でも、ASD・ADHDがある人にとって「片付け」は苦手なことの一つ。なかなかやる気にはなりません。そこで、今回は「とりあえず」の収納法を紹介させていただきました。一参考にして頂ければ幸いです。
著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。
