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精神科訪問看護~精神障害者が自立するために~

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こんにちは!福祉コラム担当のもち猫です!

今回のテーマは‶精神科の訪問看護(以下訪看)〟について!

筆者であるもち猫は統合失調症17年目にしてその存在を知り、つい最近このサービスを利用するようになりました。

支援内容としては、職場まで訪問看護師さん(以下訪看さん)に迎えに来てもらい、帰りの車中で色々と話をしながら帰り、家の近くの駐車場でコミュニケーションをとることや、不安になった時や服薬についてなどを話やメールでアドバイスをもらうことなどがあります。

それ以外のサービスとしては、服薬管理、食事や掃除などの支援、買い物への同行などがあります。

精神科訪問看護の目的としては、その人が「自立して地域生活を送れるように」することです。

それでは、もち猫の経験談も交えつつまとめたのでご覧ください!

■どういう時に利用する?~利用の流れも紹介~

★そもそもどんな時に利用できるの?★
訪看はどんな時に利用するのでしょうか?以下に例を挙げてみます。

・服薬や、食事について自分一人では管理するのが難しい
・生活リズムが乱れて、日常生活に支障をきたしている
・人とうまくコミュニケーションが取れない、だけど話し相手が欲しい
・社会資源(人、サービス)の使い方がよくわからない
・退院してもすぐ再入院をする、というのを繰り返してしまう
・一人での地域生活が不安
・ひきこもりがちになってしまう

などです。

利用対象者としては、統合失調症をはじめ、うつ病、適応障害や不安障害など、様々な精神疾患がある方があげられます。

前述のような悩みを解決しながら、当事者が地域で自立した自分らしい生活を送っていく手伝いをしてくれるのが、訪看なのです。

それでは、訪看のサービスを受けるための流れはどんなものなのでしょうか?

★訪問看護利用までの流れ★

1.主治医に‶訪問看護のサービスを受けたい〟という旨を伝えましょう。訪看のサービスを受けるために は、医師が出す「精神科訪問看護指示書」というのが必要になるからです。

2.当事者やその家族と訪問看護師との顔合わせが行われます。そこで、訪看のサービスの内容や料金などについての説明が行われます。

3.利用を開始したいと思ったら、契約を結びます。

4.当事者に合ったサービスの計画書を訪看側が作成し、当事者はその説明を受けます。

5.計画に納得できたら、サービス利用開始です。訪看さんと話し合って初回訪問日を設定します。

簡単にまとめると1~5の様な流れで訪看のサービスを受けるための契約を結ぶことに

なります。

一般的に、1回30分以内で週3日までの訪問看護の利用は自己負担が1割負担だと555円3割負担だと1665円となります。また24時間支援の切れ目がなくなるようにしたいと思うと「24時間対応体制加算」を負担することになります。

これは1割負担だと月に640円3割負担だと月に1920円となっています。詳しくは訪看さんや病院のワーカーさんに相談すると教えてもらえますよ。

そして自立支援医療制度を利用することによって、所得に応じて1割負担、3割負担、また「重度かつ継続(継続的に高額の医療費負担が発生する方が対象)」という負担軽減の措置があります。また、条件を満たせば負担なし、となることもあります。

この制度を利用するには、市区町村に申請し、審査を経ることが必要です。そして、審査に通ると「自立支援医療受給者証」と「自己負担額管理票」の2つが手元に届きます。それを利用することによって、負担額の軽減が受けられます。

もち猫は‶重度かつ継続〟に該当していますので、利用料は家から職場までの交通費のみを負担しています。

利用料が経済的に負担になる」という方は自立支援医療などを申請してからサービスの利用を始める、というのも一つの手だと思います。ただ、そうすると利用開始までに時間がかかってしまうので、そこは訪看さんや病院のPSWさんなどに相談するのもいいでしょう。

■具体的な支援内容~悩み相談から買い物支援まで~

★もち猫の受けている支援★

もち猫が受けているものは前述したとおり、職場から家までへの送迎と、24時間対応のサービスです。

もち猫は隔週に1回ずつ診察を受けているのですが(統合失調症のため)受診のない週の決まった曜日(月に2回)に職場まで迎えに来てもらいます。

車中では雑談から悩み相談まで、いろいろな話をします。大体20分ほどで家の近くの駐車場に着くので、そこに車を停めてもらって、車中で話をします。

自宅に来てもらう事ももちろん可能ですが、もち猫の希望でこういう形態をとってもらっています。自宅に来てもらったり、近くのスーパーなどのフードコートで話したりと、話をする場所は訪看さんと話し合って決めることができます。

また不安が高まった時や、希死念慮がひどい時などは訪看さんに電話やメールで相談します。24時間対応のサービスを受けているため、訪看さんの都合が良ければすぐ対応してもらえます。仕事が終わった後や仕事に行く前に緊張している時など連絡をし、メンタル面でのサポートを行ってもらっています。

そして、もち猫の担当の訪看さんはアロマテラピーの資格を持っていらっしゃるので、受診の日に少し早めに行って訪看さんと会い、リラックスできる香りを教えてもらったり、ハンドマッサージなどをおこなってもらうこともあります(訪看さん全員が資格をもっているわけではありません)

さらにもち猫が拒食気味で「エンシュア」という栄養補助剤(缶にはいった栄養剤)を処方されているのですが、それだけでは栄養が偏ってしまいますし、物を食べられないと体力もつきません。

そこで食べやすい料理や食材などのアドバイスをもらっています。こういった相談に乗ってもらうだけでなく悩みについて主治医、PSW(精神保健福祉士)やカウンセラーなどの専門職との間で情報を共有し、みんなで解決策を考えてくださるので何回も同じ話をする必要もなく、かつ適切な対応をしてくださるので安心して頼ることができます。

以上、もち猫の場合を紹介しました。

■他にもあるさまざまな支援

もち猫が紹介した支援の他にも「誰かと話したいけど怖い。でもひきこもりがちで、話し相手がいない」という当事者にコミュニケーションの支援を行ったり「夜なかなか寝付けない。生活リズムが狂ってしまっているけれどどうしたらいいか」という悩みに「夕食後の様子、就寝薬の飲み方を見直してみては」などといったアドバイスを行うこともあります。(一例です)

また、買い物にも同行してくれることがあります(病院によっては同行支援はしていないところもあります)

例えば「バランスの良い食事を摂りたい」と言った場合に料理に使う材料を一緒に考えながら買い物をしたり、実際に当事者の自宅で食事作りをすることもあります。

当事者の家族からの相談をうけ、話し合いを行ったりアドバイスをすることもサービスに含まれています。こういった様々なサービスを行うことによって当事者の‶生きづらさ〟を改善していくのが精神科訪問看護の役割だといえると思います。

■精神科訪問看護まとめ


以上、精神科訪問看護について簡単にまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。「訪看」と一口に言ってもサービスは様々で、また当事者それぞれによっても提供するサービス内容は異なってきます。

当事者が地域で生活を送る上で孤独や不安を感じることなく‶自分らしく、質の高い〟生活を送れるようにするのが「精神科訪問看護」の役割なのだと思います。

もち猫も‶不安になった時に頼れる人がいる〟と思うと、とても心強いです。

自分の症状やニーズに合わせて柔軟なプランを立ててくれるので、もし障害のことで一人で悩んでいる人がいたら、ぜひこういったサービスを利用してほしいと思います。

問題を一緒に解決してもらえることにより‶生きやすく〟なると思います。

このコラムがなんらかの‶生きづらさ〟を感じている方の参考になれば幸いです。

著者 もち猫
福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。

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福祉系の大学卒業と同時に社会福祉士、精神保健福祉士資格取得。統合失調症。自分の体験談なども織り交ぜながら、主に福祉系のコラムの執筆を担当。