みなさん野菜と果物、きちんと知っていますか?野菜のようで果物、果物のようで野菜な食べ物があります。野菜である定義や、果物である定義があるのですが、ご存じでしょうか?みなさんが果物だと思っていたものは野菜、野菜だと思っていたものは果物かもしれません。
今日は野菜と呼ばれるものの定義、果物と呼ばれる定義、また野菜と果物の違いを解説していきたいと思います。実は野菜だった!果物だった!というものもご紹介しています。そうだったの?と思う野菜や果物について書いていますので、ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
野菜の定義は?
- 田んぼや畑で栽培されるもの
- 副食物という主食に添えられたおかずになるもの
- 加工が前提でないもの
- 草本性(そうほんせい)という茎が木にならず、ある程度成長すると大きくならないもの
以上が野菜の定義で、農林水産省が決めた定義です。
果物の定義は?
農林水産省では果物を「果樹(かじゅ)」と呼びます。2年以上かけて栽培する草本植物、木本植物に実る果実で、食用になるものを「果樹」と定義しています。
野菜と果物の違いとは?
農林水産省での野菜と果物の違いは、苗を植えてから1年で収穫できる草本植物は「野菜」としています。また、目安で2年以上かけて栽培する草本植物、木本植物(もくほんしょくぶつ)と呼ばれる、幹が大きくなる木になる果実を「果樹」と呼びます。
野菜も果物も定義があるのですね。
いちご
農林水産省の定義では、いちごは「野菜」に分類されていて、果実のように食べられることから、「果実的野菜」と呼ばれています。実はいちごのつぶつぶが種ではなく、果実なのをご存じでしたか?このつぶつぶの中に種が入っています。このつぶつぶは1粒のいちごに200~300あります。果実だと思っている部分は、茎の先端が膨らんだものです。
つぶつぶが果実とは驚きです!
スイカ
スイカも野菜の定義に当てはまり、果実的野菜とされています。実の91%は水分です。原産地はアフリカで、中国より西から伝わったウリなので、「西瓜」と書きます。中国での呼び方は「サイクワァ」。これが訛って(なまって)「スイカ」と呼ばれるようになりました。
メロン
メロンも実は野菜で、果実的野菜です。メロンは果肉の色が「赤肉」、「白肉」、「青肉」と3種類あります。メロンの原産地は北アフリカで、ヨーロッパから日本に伝わりました。網目があるのが、「ネットメロン」と呼ばれています。
ネットメロンで有名なのは、マスクメロンです。網目が無いのが「ノーネットメロン」と呼ばれていて、有名なのがプリンスメロンです。赤肉のメロンには風邪の予防に効果のある、β-カロテンが豊富に含まれています。
美味しいのに風邪の予防にもなるなんて、一石二鳥です!
アボカド
野菜と思いがちですが、実は果物です。それは、2年以上かけて成長する木であること、果実を食用とするためです。栄養が豊富であるため「森のバター」とも呼ばれるアボカドですが、なんと栄養価の高さからギネスブックにも登録されているのです。果肉の20%が脂肪分。
脂肪と聞くと太りそう…と思いますが、アボカドの脂肪分はオレイン酸やリノール酸などのヘルシーな脂肪です。オレイン酸は、コレステロールを抑える働きがあります。リノール酸は体内で作ることが出来ず、食べ物からしか摂れません。血圧を下げるなどの効果が期待できます。
バナナ
植物学で言うとバナナは果物ではなく、野菜になります。バナナは木に実るものですが、植物学で言うと木の幹(みき)に見えるものは草にあたるのです。なので、草に実っているバナナは野菜となります。バナナは果実的野菜にあたるのです。バナナの実だと思っている部分も、草に分類されます。
トマト
トマトは「野菜的果実」で果物の仲間になります。くだものとは、花が咲いた後の果実のこと。この定義で言うと果物になるのです。ちなみに、トマトは果物か?野菜か?これを巡ってアメリカでは、1893年に裁判が行われました。
最高裁判所の判決は「野菜」と判決されました。なぜ裁判になったかと言うと、輸入する際に、果物は関税がかからなかったためです。野菜だと関税が、かかってしまうのです。
また、現在では食用として栽培されていますが、16世紀のヨーロッパでは毒があるとして、観賞用の植物でした。日本にトマトがやってきたのは、1600年代のことです。見た目が真っ赤で、食べるのは怖いとされ、明治時代まで観賞用として栽培されていました。
アメリカらしい裁判ですよね。
まとめ
みなさんの好きな野菜、果物は載っていましたか?どの野菜も果物も、驚きの結果だったのではないでしょうか?バナナの実が、葉っぱだったというのも面白いですね。バナナが野菜でもあり、果物でもあるのは知らなかった方も多いのではないでしょうか?
また、トマトが裁判にかけられていたのには、アメリカらしい裁判だと感じました。気になった方は、自分の好きな野菜、果物がどちらに分類されるのか、ぜひ調べてみてくださいね。