みなさんは校則を守る優等生タイプでしたか?それとも破る方でしたか?「破る」といっても一般社会から見て明らかにおかしな校則(学校の決まり)があると思います。今回はそんな理不尽な校則をご紹介します。
はじめに国(文部科学省)が示す「校則とはどんなものなのか」について紹介します。その後、各校にある理不尽な、変な校則。また昔は必要だったかもしれないが「今はもう必要ないのでは・・・」といった時代を感じさせる校則を紹介します。
みなさんも1度は校則に「不満」を感じたことがあると思います。他の学校にはどんな理不尽なものがあるか、見ていきましょう。
目次
校則とは・・・文部科学省の定める定義
みなさん校則が何のためにあると思いますか?
- 先生が生徒をまとめやすくするため?
- 個々の生徒が目立つことがなく、全員が同じように、悪く言えば個性を無くさせるため?
文部科学省では校則を「児童や生徒が勉強や生活する上で守らなければならない決まり」とし、
- 社会から見て合理的とみられる範囲内で、学校や地域の実態に応じて適切に定められるもの。また教育的な効果がある決まり。
と言っています。新たに制定・変更する時は
- 地域や社会の現状を基に、学校・保護者の考え・生徒の実情を踏まえたものになっている必要がある。
としています。
理不尽な校則
ここからは各学校の理不尽なものやおかしな校則を紹介します。学校によっての違いもあちこちに見られます。
服装のルール
靴下
靴下の色が指定されている学校は多いと思います。例えば
- 白色以外ダメ。
- 紺色以外ダメ。
などは多く見られます。しかし中には
- 女子だけが白色限定。男子は黒や紺色でもOK。
というところもあります。その他、靴下というと
- くるぶしまでの短い物はダメ。
- 体育の授業の時に履き替えなければならない。
- 学校指定の1足600円の靴下以外はダメ。
などがあります。
大人にとっては「靴下なんてどうでものいいじゃん。決める必要性はあるの?」と感じる校則ですよね。
私の妹が高校の頃、ルーズソックスが大流行。ソックタッチという謎の糊を使っていました。令和に入って再びルーズソックスのブームが起きていますが、禁止している学校もあります。
スカートの丈
スカートの丈も規制するのはおかしいですよね。だいたい「膝」が基準となっている学校が多いです。膝が隠れる丈や、膝下5センチなどと決められています。
私が中学時代、いわゆる「不良」の女子生徒がいました。彼女たちはミニスカートのように短くしたり、足首くらいまであるロングスカートにしたり。目立っていました。
衣替え
制服には夏服と冬服があり、衣替えが6月1日と10月1日に決まっている学校が多いかと思います。でも近年の異常気象、5月でも気温が30℃を超える時もあり、理不尽ですよね?
私の中学校では1週間くらい移行期間があったのですが、高校に入るとぴったり6(または10)月1日と決まっていました。私は高校の担任に「中学より厳しいのはなぜ?」と尋ねたことがあります。先生曰く「決まりだから」と。「なんじゃそりゃ」ですよね。
ちなみに衣替えを忘れる人がクラスに2人くらいいましたが、おとがめなしでした。本人は恥ずかしそうで「やっちまった」といった気分だったと思います。
現在では、移行期間が1か月ある学校もあります。
防寒着
防寒着にも学校によりいろいろ決まりがあります。
コート禁止
防寒着としてコートを着てはいけない学校があります。理由を聞いてびっくり、「置く場所がないから!」だといいます。本末転倒ですよね。また、
- 男子だけダメ、女子生徒はOKという学校。
さらに
- 男子で着たい人は前もって申請が必要。
といった所もあります。
マフラー
マフラーのどこがわるいのか!と思う方もいるでしょう。マフラーは「自転車のタイヤに絡まると危険だから」だと言います。
逆に私は「危険だから気を付けて使いましょう」の方が子供は「自転車が危ない」と分かっていいと思います。
肌着
肌着(下着)の規則があるところも多くあります。例えば
- 無地の白色以外はダメ。
- ワンポイントの柄ならOK。
などです。また
- シャツの下には必ず下着を着用しましょう。
などといった変な校則がある学校もあります。
私が高校時代、夏にインナーを着てこない友達がいましたが、この校則ではアウトですよね。
さらに「違反していないかチェック」する学校もあるようです。「セクハラだ!」という批判の声もあります。
また、小学校の中には「体育の時間はインナー着用禁止」というところもあります。理由は「かいた汗が冷えると風邪をひくから」だそうです。
「ならば着替え用のインナーを持ってこさせればいいのでは?」と思うのは私だけでしょうか?
髪の毛
パーマや、アイロン等でのカール、毛染めなどを禁止する学校は多いと思います。天然パーマや地毛が茶色の人は「小さいころの写真で証明しなければならない」というのも理不尽ですがあるあるです。さらに天然パーマの生徒にはストレートパーマに、地毛の色が茶色の生徒には黒く染めさせるところもあります。
髪型
髪型では男子は
- 短め。
- 耳が出る。
- ツーブロックは禁止。
などはよくあります。女子は学校により様々で、
- 括るのでも1つは良いが2つに分けるのはNG。
- 三つ編みがダメな学校もあればOKな所も。
そんな中、三つ編みが許されている学校に通うある女子学生の話。体育の時に三つ編みがほどけてしまいました。編み直すのも時間がかかるのでそのままにしていたのです。そしたら三つ編みをしていた時の毛の癖がウェーブのように残っていて「校則違反」と叱られたといいます。
先生に説明しても聞き入れてもらえない。親が学校に訴えると学校側は
「わが校の校風になじめないなら退学してもらってもいいですよ!」
「こんな学校こっちから辞めてやる!」と言いたくても、言えない事を分かっているのでしょう。理不尽極まりないですよね。
その他、髪型の校則
その他に女子生徒の髪型に関する校則で「坊主にしたら退学」という学校もあります。
病気か何かでよっぽどのことがない限り女子で坊主はいないですよね。逆に「病気が原因」ならこれこそブラック校則ですよね。
持ち物
持ち物の校則は「勉強に必要ないものは持ってきてはいけない」という原則の基に決められています。では必要でない物とはどのようなモノでしょう?これに各校で理不尽さが滲み出ています。
- シャーペンやボールペンはNG
- 修学旅行でのカメラは禁止(写真は同行する業者が撮るから)
- ファスナー式の筆箱は小5まで禁止
私が中学生のころ「缶ペンケース禁止」がありました。「落とすとうるさいから」という理由でした。
- キャラクターなどの絵が入った物禁止
- キーホルダーやお守りもカバンに付けること禁止
- 汗拭きシート禁止
- 携帯電話使用禁止
携帯電話(スマホ)を持ってくることを禁止している学校は多いのですが、この学校は「持ってくるのはOKだが、使ってはいけない」なのです。
私の妹が高校生の頃、まさにポケベルブームでした。ポケベルは禁止されていなかったのですが、学校に唯一ある公衆電話の「*」と「#」ボタンが潰されていたと言います。
これらのボタン、ポケベルで文字を打つのに必要なのです。休み時間になると公衆電話が大混雑していたのですが、(たぶん)学校が行った「器物損壊」で校則を作る必要もなかったようです。
その他
その他理不尽な校則を紹介します。
- 日焼け止め禁止
- 恋人が出来たら報告する
- (女子校なのに)校内恋愛禁止
- 宝くじ禁止
- 弁当にお寿司を持ってきてはいけない
など笑える校則がありますが、「日焼け止め禁止」は肌が弱い人にとっては死活問題ですよね。
昔の校則がまだ残っている!
最後に時代にはそぐわない、昔は必要だった校則を紹介します。
下駄に関する校則
下駄に関する校則が残っている学校がいくつかあります。例えば
- 下駄での通学禁止。
- 下駄で(通学していいが)、図書館に入ってはいけない。
- 草履はいいが下駄で登校してはいけない
草履もダメでしょう?
またほかの学校には「下駄もしくは靴で登校すること」といったところもありますが、下駄を履いて行ったら叱られるのでしょうね。
下駄以外
下駄以外でこんな校則が残っているところもあります。
- プールでふんどしをはいてはいけない。
ふんどしって昭和初期??
校則を変える!
では校則を変えるにはどうしたらいいのでしょう?
校則を変えるにはまず「学校の治安が安定している」ことが前提だと思います。また「どうしてこんな変な決まりがあるのか!」と否定から入るのではなく「こうしたらもっとよくなる」というメリットがあるものから検討していきます。
提案も生徒会をはじめとする全校生徒一丸で訴え、先生方やPTAを交えて話す機会を持てるようにしていきましょう。
私が中学生だったころ(今から30年くらい前)、その頃かぶらなければならなかった学生帽の自由化、シャーペン使用、またカバンの自由化など、校則の変更を行いました。
また、一般社団法人「Voice Up Japan(ボイスアップジャパン)」の現役高校生で結成された高校生支部。この団体は2022年1月7日、時代にそぐわない制服の校則改善を文部科学省に訴えるといった活動もしています。
最後に・悪法も法なり
いかがでしたか?理不尽なブラック校則がいろいろあったと思います。
「私のところだけじゃない」「私たちの方がまだましだった」や逆に「私たちの方がもっとひどい」という方もいたかと思います。
古代ギリシャの哲学者ソクラテスは「悪法も法なり」という言葉を残して死刑になりました。これは「どんなに理不尽な法(決まり)でも法律。法治国家の下では従わなければならない」という意味です。
また、今回紹介した中には男女の区別がある校則がたくさんありました。これはLGBTなどの性的マイノリティの子供たちをいづらくするものです。私の町の中学校などでは今度制服の改定を行います。女子はスカートだけではなくズボンも、逆に男子でもスカートを履いていいようになります。
国会でもジェンダーについての話がいろいろされています。今後、校則も男女の区別がなくなっていく事を期待します。