9月は台風シーズンと呼ばれるほど、日本に台風が襲来する時期です。台風が発生すると名前が付けられますが、命名方法はあらかじめリストに挙がられた名前を順番に付けるのがルールです。
ただし例外もあり、甚大な被害が出た台風の場合が該当します。アジア各国が加入している台風委員会から要請され、リストアップした名前から別の名前に変更されます。変更された名前を再び使うことが不可能。替わりに新たな名前が追加されます。
この記事では、面白い名前の台風を7選紹介し、過去に面白い経路を辿った台風も紹介します。9月は台風シーズンと呼ばれ、一番台風の影響が受けやすいシーズンです。この記事を読んで少しでも防災対策の役に立てれば幸いです。
目次
台風の命名方法

アジアで発生した台風だと、日本を含むアジア各国が加入している台風委員会に、あらかじめストックしてある140個の名前から順に採用します。ストックしている名前は繰り返し使用することが可能。理論上、同じ名前の台風が今後現れる可能性があります。
甚大な被害が出た台風は例外
甚大な被害が出た台風は、台風員会から要請されて名前の変更が許可されます。「ハト(2017年台風13号)」は中国国内にて甚大な被害が発生したことで「ヤマネコ」と名前が変更されました。
名前が使えなくなって合計139個になったとしても、新たに1個の名前が追加されて140個に調整されます。
面白い名前の台風

台風の名前はあらかじめストックしてある名前から順番に命名するのがルールです。自然名が由来や伝説が由来となった名前が多いですが、台風との関連性がわからない名前まであります。次に意味が不明の面白い名前の台風を7選紹介します。
アムヤオ(Amuyao) 提案国、フィリピン
意味は「山の名前」。台風は海上で発生するのに、なぜ山の名前なのか不明です。
ハグピート(Hagupit)発案国、フィリピン
意味は「むち打つこと」。台風とむち打ちにどんな関係があるのか不明。
ミリネ(Mirinae)発案国、韓国
意味は「天の川」。日本では「天の川」といえば七夕が有名。荒れ狂う台風と「天の川」にどのような関係があるのが不明です。
インファ(In-fa)発案国、マカオ
意味は「花火」。台風と花火の関係が不明。どちらも一気に威力が出てから一気に去る点は共通点です。
コト(Koto)発案国、日本
意味は「琴(コト)」。日本は星座から命名します。「琴(コト)」の由来は琴座。優雅な琴(コト)から大きくイメージが異なる名前です。
ノグリー(Neoguri)発案国、韓国
意味は「たぬき」。台風とたぬきにどのような関係があるのかが不明です。
サンサン(Shanshan)発案国、香港
意味は「少女の名前」。台風の名前に女性名が命名されるケースがあり、過去に「レンレン」という少女名の台風が存在しました。
サンサンもレンレンも、同じ香港が命名しています。
おもしろい進路を辿った過去の台風

日本の場合、日本のはるか南海上で発生した台風が西に進路をとり、沖縄付近で進路を北に変えてから東へと進みます。これには日本付近で吹く偏西風の影響が大きいですが、偏西風の影響が少ない8月~9月中頃までは迷走する台風も。
次に日本に影響を及ぼした台風のなかでも、おもしろいコースを辿った台風を紹介します。
ブーメラン台風「台風10号(アジア名:ライオンロック)」
史上初の東北太平洋側に初上陸した台風。日本近海付近で発生した台風としては、9日と6時間超えの長寿台風となり、46年ぶりに記録を塗り替えます。
日本近海以外で発生した長寿台風は、2017年に南鳥島付近で発生して和歌山県に上陸した台風14号(ノルー)の19日間がトップです。
南北を往復した「2011年台風6号(マーゴン)」
通常、日本近郊の台風は、西側へ向かうか北側へ向かうかの2パターン。しかし2011年に発生した「台風6号(マーゴン)」は、発生後に西側へ向かい、そのまま四国付近まで北上。このまま上陸かと思われましたが、紀伊半島付近で大きく南下し上陸の可能性がなくなります。
このまま消滅かと思われた台風6号は東北太平洋沿いを北上。国後列島付近で温帯低気圧となります。温帯低気圧となった後も、再び南下して再度北上を開始した所でようやく消滅。台風として南北を1往復、温帯低気圧になってから南北を1往復の合計2往復した経路を辿りました。
日本付近の台風が大きく南北を往復するケースは非常に珍しく、事実上、2往復した台風6号(マーゴン)は異質なコースを辿った台風です。
まとめ
8月~9月中頃までは台風シーズン。偏西風の影響があまり受けないので迷走する台風が多いのが特徴で、同じ場所に居座るので被害が大きくなります。台風シーズンを機にハザードマップの確認といった防災面の見直しをしてみる機会ではないでしょうか?