現在NHK大河ドラマで放送中の「光る君へ」に登場する「まひろ」のモデルとなった紫式部は、現在の天皇の祖先にあたる人物です。紫式部は現在、判明しているだけで実母の姉、母親が違う妹、弟が2人の4人。紫式部と他の3人との関係に関しての詳しい資料がなく不明ですが、弟2人は有力家や寺と深い繋がりがあります。
平家以外にも藤原家との繋がりがある紫式部は、現在の天皇の祖先「土御門天皇(つちみかどてんのう)」の祖先にあたる人物。結果、現在の天皇は紫式部の子孫になります。紫式部は後に、平家・源家・藤原家・天皇と関係しているので、現在の日本を代表する家系に影響を及ぼしている人物です。
この記事では、紫式部の家系図と関係する家系と、紫式部の子孫、天皇との関係について解説します。
目次
紫式部の家系図

紫式部に関する資料は不明な点もありますが、現在判明しているのは実母の姉、母親が違う妹が1人、弟2人です。弟の定暹(じょうせん)は、当時の有力寺との深い繋がりがあります。次に紫式部と他の3人について解説します。
長女、藤原為時長女(ふじわらのためときのちょうじょ)
紫式部の実の姉。彼女に関しての資料はほとんど発見されておらず、何歳まで在命だったかは不明。しかし紫式部の父親、藤原 為時(ふじわら の ためとき)が家族で越前国(福井県)へ赴いた時には彼女の名前はありません。紫式部と直接会ったことは一度もなく、藤原為時長女はこの世を去ります。
紫式部と藤原為時長女の関係は、和歌集「紫式部集」に、お互い「姉」「妹」と呼び合うほどに親しかったと記載されております。生涯一度も会うことがなかったのが悔やまれる姉妹です。
母親が違う弟、藤原惟通(ふじわらののぶみち)
藤原惟通に関しての資料は少なく、紫式部とどのような関係だったかについては不明。彼は天皇を影から支える役でしたが、40代前半、常陸国司(ひたちこくし)にて卒去します。
常陸国司とは現在の茨城県あたりです。
紫式部の弟、定暹(じょうせん)
紫式部の弟、定暹は三井寺(園城寺)に出家します。紫式部の父親、藤原 為時(ふじわらのためとき)もこの寺に出家しているので、紫式部と寺院の強い繋がりがあることが分かります。
母親が違う妹、藤原為時三女(ふじわらのためときのさんじょ)
紫式部の母親違いの妹、藤原為時三女に関しての資料は少なく、実在したかは不明。紫式部の父親、為時が越後守(現在、新潟県)を命じられた際の前任者が藤原信経(ふじわらのさねつね)。信経は藤原為時三女の夫だといわれますが、詳細は不明です。
紫式部の繋がり

紫式部は当時、有力家や天皇家、有力寺と深い繋がりがありました。それぞれの繋がりについて解説します。
平家との繋がり
紫式部は平家とも繋がりがあります。紫式部の娘、藤原賢子(ふじわらのけんし)の子供、高階基章(たかしなのもとあき)の娘が、後に平清盛の正室に。結果、平家と繋がります。
高階基章(たかしなのもとあき)
高階為賢の娘の子供、高階為章(たかしなのためあき)の養子になります。彼の娘が平清盛の正室になり、平家と深い関係に結ばれます。
高階基章の娘
平清盛の正室。彼女が正室になったことで、平家と深い関係に結ばれます。
現在の天皇は紫式部の子孫

現在の天皇家をたどると、祖先は土御門天皇(つちみかどてんのう)です。土御門天皇も家系をたどると、紫式部になります。結果、現在の天皇は紫式部の子孫になります。
紫式部と天皇の関係図
紫式部と天皇との関係を表にまとめます。
人物名 | 関係 |
藤原賢子(ふじわらのけんし) | 娘 |
高階為家(たかしなのためいえ) | 藤原賢子の子供 |
高階為賢(たかしなのためかた) | 高階為家の子供 |
高階為賢の娘(名称不明) | 夫は藤原南家の能兼で、藤原家と繋がりを持つ |
藤原範兼(ふじわらののりかね) | 高階為賢の娘の子。藤原南家の血を引く |
藤原範子(ふじわらののりこ) | 源通親と再婚。娘は源在子 |
源在子(みなもとのありこ) | 後鳥羽天皇の妃 |
土御門天皇(つちみかどてんのう) | 源在子の子供。現在の天皇へと繋がっていく |
現在の天皇は紫式部の直系
土御門天皇(つちみかどてんのう)は、現在の天皇の祖先にあたる人物。土御門天皇も家系図を辿る、紫式部に繋がります。結果、紫式部の子孫は現在の天皇になります。
紫式部は、現在でも深く関係している人物なのは驚きです。
まとめ
紫式部が在命した時代と現在。長い年月がありますが、彼女の血筋は天皇に受け継がれています。天皇以外にも、当時の有力家や寺とも繋がりがあった紫式部。彼女がどのような思いで人生を歩んできたかは分かりませんが、実の姉との関係に彼女の本心が見えます。
生涯一度も出会うことがなかった姉妹ですが、紫式部と姉がお互いに和歌で「姉」「妹」と呼ぶ関係。姉が没したとき、亡き姉のために残した和歌が紫式部の本心ではないのでしょうか?最後まで読んで頂き、ありがとうございます。