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食事のマナー 日本編 =知っているようで知らない、ついやってしまう食事の際のタブー=

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日本食と聞いて皆さんはどんな食事を思い浮かべますか?懐石料理などを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。日本食は懐石料理のようなかしこまったものはもちろん、普段皆さんがご自宅で食べられている「お茶碗によそわれたご飯」のようにお箸を使うこと自体が日本食の文化です。

もしこのご飯がお皿によそわれていて、フォークやナイフを使って食べるとすれば、これは日本食ではなくて洋食となります。フォークやナイフを使うとなるとそこには洋食のマナーがあるのと同様に日本食にもマナーがあります。

今回は懐石料理のようにかしこまったような日本食から普段の食事にまで関係する日本の食事のマナーについてご紹介します。

和食・日本食とは

まずは「和食・日本食」について簡単にご紹介したいと思います。冒頭で「箸を使った食事が日本食」といったようなことを書きました。大きく言えばそうなのですが、もう少し狭い意味での日本食とは

海に囲まれた温帯湿潤な気候で、四季を有する日本の風土の中で、独自に育まれた文化。季節や府地域性を活かし日本各地に様々な料理があります。日本食は一汁三菜(いちじゅうさんさい)を基本としています。

といった食事のことをいいます。

一汁三菜とは

日本食の基本である一汁三菜とはご飯と漬け物に、みそ汁やお吸い物などの汁もの、メインディッシュとなる魚や天ぷらなどの主菜1皿と、海草や野菜を中心に調理された副菜と副々菜をあわせた3種のおかずのことを言います。

日本料理の基本は一汁三菜なのですが、昔は一汁一菜や、逆にお客様などをもてなす際には二汁五菜(汁物が二品、主菜は一品で副菜が四品)、三汁七菜をとった食事を提供することもありました。

一汁三菜の場合お膳は1つです。しかし二汁五菜や三汁七菜などの場合はお膳の数が3つになり、それぞれ本膳、二の膳、三の膳といいます。

食器の並べ方

みんなさんご存じかと思いますが、食器の置く場所にもルールがあります。例えば一汁三菜の場合、もちろん箸は一番手前中央で持ち手が右側にくるように置きます。そしてご飯が箸のすぐ奥の左側、汁物はご飯の右側です。揚げ物、焼き物、蒸し物などの主菜は右奥に置き、煮物やサラダなどの副菜が左側、香の物やあえ物などの副々菜が中央に置くことになっています。

食事中のマナー

食事中のマナーと言っても、いろいろあります。例えば汁物などをすする音です。海外ではタブーとされていますが、日本食では下品にならない程度ならばOKです。蕎麦(そば)を食べる時にすすらないと逆にまずそうですよね。

また、日本食の特徴として一番大きな特徴として「箸を使って食べる」ということがあります。そこで箸の使い方のマナーについて次にご紹介します。

箸のマナー

箸を使う時のやってはいけないマナーは皆さんいろいろ耳にしたことがあると思いますが、その前に置いてある箸を手に取るのにも作法があることをご存じですか?はじめに箸を手に取る手順についてご紹介します。

①まず、右手で、箸の真ん中あたりをつまみ上げます
左手の手のひらを上にして下から箸を支えます。
右手を横に移動させながら箸の下へもっていきます。
左手を外して正しく箸を持ちます。

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皆さん何気なく掴んでいると思いますが、手順があったなんて知らなかった人が多いんじゃないですか?

それでは箸のタブーとされている使い方(マナー)を見ていきましょう。

にぎり箸:握りしめるように箸を持つこと。箸が使えない小さい子供がよく使う持ち方だと思います。普通に箸を持っていた人が食事の途中で握り箸に持ちかえることは一緒に食事をしている人に対しての「攻撃」を意味します。絶対にやめましょう。

刺し箸:料理に箸を突き立てて食べること。

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里芋の煮っころがしなどの箸で掴みづらいものを食べる時、つい私もしてしまうことがあります。

迷い箸:箸を持ったまま、どの料理を食べようか迷ってあちこち料理の上で箸を動かすこと

寄せ箸:箸を使って器を引き寄せること

渡し箸:食事の最中に、小皿や小鉢の上などの両端に橋を架けるようにして箸を置くこと。これは食事の終了を表します。

ねぶり箸:箸先を口に入れ、箸についている残った食べ物をなめ取ること

そら箸:箸でつかんだ食べ物を食べずに元に戻すこと。

箸渡し:ほかの人と箸と箸で食べ物のやりとりすること。火葬場での遺骨を拾う時にこの箸渡しをすることから縁起が悪いとされています。

二人箸:二人が1つの食器で一緒に同じ料理を挟むこと。

指し箸:指さしをするのではなく箸で人などを指すこと。

たて箸:ご飯に箸を垂直に突き刺すこと。死んだ人にお供えするご飯(枕ごはん)を連想させるため。

探り箸:汁物や煮物などの中に入っている自分の好きな食材を探り取ること。

重ね箸:1つのものばかりたて続けて食べること。ばっかり食べ。

透かし箸:(尾頭付きなど)骨のついた魚を食べる時、表側を食べた後ひっくり返さずに裏側を骨の間から箸でつついて食べること。

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「透かし箸」、意外と知らない人、多いんじゃないですか?

噛み箸:箸を噛むこと

移り箸:いったん取りかけた料理から別の料理に箸を移すこと

なみだ箸:箸の先や箸でとった食べ物からから汁をぽたぽた垂らすこと。

違い箸:違う箸を1対として使うこと。

かき込み箸:食器のふちに口をつけてかきこんで食べること

持ち箸:右手に食器と箸を一緒に持つ状態のこと。

よこ箸:料理を箸で挟まむのではなくスプーンのようにすくい上げること。

咥え(くわえ)箸:箸を口にくわえながら食器を手に取ること

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知っているようで知らない箸のやってはいけないマナーですが、渡し箸など当たり前のようにやっている方も多いと思います。改めましょう。

~ちょっとブレイク・箸を使う国は意外と多い~

「海外の国々では食事の際フォークとナイフやスプーンを使う・・・」とお思いの方が多いと思います。でもフォークやナイフを使うのは欧米の国々で全世界の28%です。箸も28%の国々(日本・中国・韓国・ベトナム・タイ・シンガポール)で使われています。

ではその他44%の国々ではどうされているかというと手で直接料理を掴んで食べているのです。よく「インドではカレーを手で食べる」といいますが、手で直接つかんで食べる国はインドのみならず、全世界の5分の2以上にも上ります。驚きですよね。

ちなみに箸を使う国といっても使う箸の素材や形状もなどはまちまちです。例えば中国では日本と同じような木製や竹を材料に作られるのですが、日本の箸より長い「細長い形状」をしています。また、韓国の箸は銀やステンレスで作られた金属製で、箸の太さは手で持つところから先っぽまで同じ太さです。

食事の際のルール

「犬食い」などをしている方はいないと思いますが、その他にも行ってはいけないやりがちな作法があります。皆さんはこんなことしていませんか?

口を付けたものをお皿に戻さない

大きなお肉(例えば唐揚げ)などを一口で食べられないものなど、一口かじって自分のお皿に戻す方もいるかと思います。しかしこれはマナー違反です。かじった跡が見えると見た目が良くないし、ほかの方が不快に感じるかもしれません。1口で食べられる大きさに箸で切ってから口へ運びましょう。

食べ終わった食器は重ねない

食べ終わった後、皆さんは食器をどうしますか?片づけやすいように重ねたりしませんか?でもこれは行ってはいけません。重ねることで食器を傷つけてしまう可能性もあります。気を遣うことは良いのですが食器は重ねなくていいのです。

また汁物など、蓋つきの食器のふたはどうしていますか?食べ終わった後裏返して器に戻す方もいらっしゃるかと思います。蓋はどうすればいいのでしょう・・・。実は蓋は最初料理が来た時と同じように器の上にのっけて、蓋を閉じた状態にします。蓋をずらす必要もありません。

和室でのマナー

近年和室がないお宅も多いかと思います。そこで和室のマナーも少しご紹介しておきたいと思います。

畳の縁(へり)は踏まない

畳の縁とは畳の端にある緑色の模様の入った所のことです。この縁の柄は昔、その部屋の持ち主の身分によって決まっていました。だから踏むということは身分をけなすことにつながります。またお寺などでは家紋が入っているところもあります。こういったことから部屋の方を尊重するという意味もあり、踏んではいけません

また「敷居をまたぐ」という言葉もありますが、敷居も踏んではいけません。ご注意ください。

素足で入室しない

入室する際のマナーとしまして、素足は失礼とされています。靴下や女性ならストッキングでも結構です。素足での入室はやめましょう。

座布団には勧められてから座る

座布団に座る際は(自分が座る場所がわかっていたとしても)まず座布団の下座側で正座をして、招待してくださった方と挨拶をします。そして座るように促されてから座布団に座るようにしましょう。

最後に

いろいろ日本での食事のマナーについてご紹介しました。知っていたことや初めて知ったことなどいろいろあったと思います。しかし何より一番日本の食事で大事なことをお伝えするのを忘れていました。それは「いただきます」「ごちそうさまの」の感謝の気持ちです。

これは食事を作ってくださった方や出してくださった方のみへの感謝でないことをご存じですか?実は食材となった動物や植物への感謝の気持ちでもあるのです。

一人で食事する時や職場での昼食時など、忘れがちな感謝の一言「いただきます」「ごちそうさま」という気持ち。日本の食事で箸の使い方よりも先に教わるマナーだと思います。この気持ちを大切に、これからも食事を楽しみましょう。

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