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招き猫の由来と歴史をご紹介!バリエーション豊富な招き猫と多種多様なご利益

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みなさんは招き猫と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべますか?三毛猫の外見と大きな瞳、前足をあげて小判を持った姿を想像するかと思います。このような一般的な招き猫は「常滑型招き猫」と呼ばれ、昭和20年代後半の愛知県常滑市で生まれました。

また、愛知県瀬戸市の「瀬戸型招き猫」や石川県能美市の「九谷型招き猫」などが存在し、現在では三大産地としても知られています。他にも京都の伏見人形や東京・浅草の今戸人形で作られた招き猫、群馬県高崎市や仙台の張り子の招き猫など多種多様です。

そんな招き猫の由来や歴史、ご利益の違いについて意外と知らない方も多いのではないでしょうか?そこで、今回は「招き猫の由来と歴史をご紹介!バリエーション豊かな招き猫と多種多様なご利益」についてお話したいと思います。

招き猫とは?その由来について

招き猫とは、前足を上げて小判を携えた猫の置物です。古くは養蚕が盛んだった時代に蚕を食べるネズミを退治してもらうため、猫を神格化し、養蚕業の縁起物として重宝されてきました。その後、商売繁盛の縁起物としても扱うようになります。

そんな招き猫の由来にはさまざま諸説が存在しますが、招き猫人形の発祥として有力視されているのが今戸焼の〇〆猫です。そこで、〇〆猫説と豪徳寺説について見ていきましょう。

今戸焼〇〆猫説

東京都台東区にある浅草寺および浅草神社に由来する今戸焼があり、浅草で生産した今戸人形のひとつである「〇〆猫」が現存する最古の招き猫の原型とされています。横座りで正面を向いて招き手をするポーズが特徴です。

また、背面の腰辺りに名前の由来でもある「〇」に「〆」の陽刻(表面を出っ張らせた印)が施されており、金銭や福徳を丸くせしめるという意味合いがあります。資料によれば、嘉永5年(1852年)に浅草寺三社権現(現・浅草神社)の鳥居辺りで売られていました。

豪徳寺説

東京都世田谷区にある豪徳寺が発祥の地とする説があります。江戸時代に彦根藩第二代藩主・井伊直孝が、鷹狩りの帰りに弘徳院というお寺の前を通ります。その時に和尚の飼い猫が門前で手招きする仕草をするため、藩主一行はお寺で休憩を取りました。

その直後、雷雨が降り始め、濡れずに済んだことに喜んだ直孝は、寛永10年(1633年)に世田谷にある弘徳庵というお寺に多額の寄進(神社や寺に寄付すること)をします。弘徳庵が井伊家の菩提寺(先祖代々のお墓を置く)に定めた後に豪徳寺という名に変わりました。

招き猫の歴史とご利益

江戸時代に招き猫が全国へ広がる

招き猫の歴史については、時代や伝承もさまざまです。先述した「今戸焼〇〆猫」は江戸時代後期~明治時代を中心に流行した縁起物であり、「豪徳寺説」も400年以上前の戦国時代、東京都新宿区にある「自性院説」の伝承は700年以上前の室町時代まで遡ります。しかし、江戸時代の町人文化として誕生し、その人気は浅草・新宿・世田谷を中心に全国へ広がっていきました。

他にも1,300年以上の歴史を持つ京都の伏見稲荷大社は、古くから伏見人形という土人形の元祖ともいわれる人形が作られています。江戸時代後期になると招き猫も土産物として伏見稲荷大社でも売られるようになり、後に愛知県瀬戸市・常滑市へ伝わりました。現在、私たちがよく目にする招き猫は、常滑焼で作られたモノになります。

手の左右や色で違ったご利益がある

招き猫の手の左右や色の違いでご利益も変わっており、右手をあげた招き猫は金運や幸運を呼び寄せ、左手は人を招き良縁や商売繁盛の福徳です。近年では両手をあげた招き猫も存在し、両方の福徳を願う人もいれば、お手上げという意味で避ける人もいます。

また、手の高さによって意味合いが変わっており、高くあげるほど、遠い未来や遠方からの良縁や福徳を呼び寄せるとされ、手が耳より低い位置だと、身近な幸せや近い未来に福徳を招くという意味です。

招き猫は、白猫や三毛猫が一般的ですが、他にも伝統的な黒猫と赤猫があります。黒猫は「魔除け・厄除け」の力があるとされ、赤猫は「病除け」の力があると信じられてきました。最近では色の種類も増えて、学業向上・交通安全の青猫や恋愛成就のピンク猫などがあります。

海外の招き猫

海外でも招き猫の認知度は高く、特に台湾では土産物としても人気が高いです。一般的な招き猫も売られていますが、台湾独自の金色の体とサングラスをかけた筋骨隆々の招き猫も金運アップの縁起物として売られています。

また、中国大陸の方でも風水の観点から招き猫の人気も高まっており、金色の招き猫が多いです。アメリカでは「lucky cat」や「welcome cat」などと呼ばれており、小判の代わりに弗(ドル)と書かれた硬貨を持ち、招き手の手のひらも逆になった招き猫も存在します。

まとめ

以上、「招き猫の由来と歴史をご紹介!バリエーション豊かな招き猫と多種多様なご利益」についてお話しました。招き猫は左右の手や色の違い、手の高さによってご利益も変わってくる縁起物です。

由来や歴史についても、さまざまな諸説や伝承があります。その時代の猫に対する見方や福徳をもたらす猫への信仰が江戸時代に「流行神(はやりがみ)」となって、招き猫という形で人々に愛されてきました。

そして、現在では海外で認知度が高まり、お国柄を反映した招き猫も多くあります。この機会に縁起物の招き猫を自宅の目立つ場所に飾って福徳を招いてみてはいかがでしょうか?

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ミノワ
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