2024年8月末に全国の映画館で公開される「きみの色」は、3人の主人公が音楽を通して自身の成長と友情との関係をテーマとしたアニメ映画です。「きみの色」に登場する3人の主人公の1人、影平ルイはテルミンを演奏します。
テルミンは知名度が低い楽器です。テルミンは演奏方法が特殊で、
- 手と楽器との空間の距離で音を変える演奏法
- 演奏する環境や演奏者の体格に大きく影響するので、安定した音を出すには熟練度が必要
- 音の調整も高い知識が必要
などの技術と知識が必要な楽器ゆえ、熟練者向けの楽器なのも知名度が低い理由の一つです。この記事では、影平ルイが演奏するテルミンの紹介と、担当声優の木戸大聖さんの意外な経歴を解説します。
目次
映画「きみの色」とは
思春期の少女たちが向き合う自立と葛藤、恋模様などを「音楽が好き」という共通点から描いたアニメーション映画です。
あらすじ
主人公の日暮トツ子は、他人が「色」で見え、優しい色、楽しい色、自分が好きな色などは見えるが、自分自身の色は見えない女子高生。そんな彼女の前に2人の人物が現れます。
現在は退学しているが、美しい色を放つ作永きみ。母親からの期待に反し、隠れて好きな音楽を続ける影平ルイ。音楽を通じて心を通わせていく3人は、学園祭でバンドを組んで演奏することになります。
登場人物
映画「きみの色」は3人の登場人物の成長を描いた作品です。次に3人のプロフィールを紹介します。
日暮トツ子
全寮制の高校に通う。他人の「色」が見え、自分自身の「色」だけは見えていない女子高生です。バンドではピアノを担当。
作永きみ
トツ子と同じ高校に通っていたが、家族に内緒で退学。現在は古本屋でバイトをしています。バンドではギターとボーカルを担当。
影平ルイ
実家の病院を継ぐことを母親に強く期待された男子高生。本心は好きな音楽の道に進みたくて、隠れて音楽活動を続けます。バンドではテルミンを担当。
影平ルイが演奏するテルミンとは
テルミンの特徴は、手と楽器の空間の距離を調整しながら演奏します。ボーカルを除けば、楽器に触れずに演奏するので、高い演奏技術と知識が要求される楽器です。
世界初の電子楽器
1920年にロシアの発明家レフ・セルゲーエヴィチ・テルミンが発明した世界初の電子楽器。テルミン登場前の楽器は、ヴァイオリンといった弦楽器や打楽器が主流でした。テルミンは弦楽器や打楽器とは違う、電子楽器という新たな分野の楽器です。
演奏者の体格や演奏時の環境に大きく影響される楽器なので、安定した音が出せるようになるには熟練度が必要です。
演奏法
楽器に手を接触させず、空間中の手の位置によって音高と音量を調節します。演奏するには並外れた演奏技術が必要。またチューニング（音合わせ）も高度な技術と知識が必要なので、影平ルイの演奏技術がいかに高いか分かります。
（※音量に注意）
影平ルイの声優、木戸大聖さんの意外な経歴
影平ルイの声優、木戸大聖さんの本業は俳優とタレント。過去にドラマや映画の出演経験はありますが、声優は本作品が初挑戦です。
出演経歴
俳優とタレント活動が中心だったので、数々のテレビやドラマ、映画に出演した経歴があります。主な出演経歴は、
- 世界・ふしぎ発見！
- 映画「先生!口裂け女です!」で映画初主演
- 「僕たちの校内放送」にて連続ドラマに初主演
などです。
大木戸聖さんは2018年から3年間、NHK「おとうさんといっしょ」にレギュラー出演した経歴があります。
北極点にたどり着いた初めてのミステリーハンター
世界・ふしぎ発見！にて、当番組初の北極点にたどり着いたミステリーハンターです。北極点に行けるのは1年でもわずかな期間だけ。そのわずかな期間内でも天候の急変があれば到達は不可能なので、北極点に到達するには運も必要な場所です。
北極点は海上にあるので、船で行く以外に到達手段はありません。
さいごに
映画「きみの色」に登場する影平ルイは、実家の病院を継ぐことを母親から強く期待された人物です。しかし高い熟練度が必要なテルミンが演奏できるまで、影ながら相当な努力を続けた人物だといえます。彼の音楽に対する思いは間違いなく本物で、作中後に音楽の道へ進んだとしても、その実力は認められるはずです。
テルミンはメジャーな楽器ではなく、熟練者が演奏する楽器なので知名度は低いですが、テルミンが奏でる音を聞いた日暮トツ子にはどのような「色」が見えるのでしょう？自分自身の色だけは見えない彼女ですが、3人がバンドを組んで演奏した時、他の2人を含めた彼女自身の色も見えるかもしれません。
他の人のことは見えても、自分自身のことは見えないのは私たちも同じ。映画「きみの色」は、そのような部分を私たちに教えてくれる作品なのかもしれません。
