プロ野球には、たくさんの専門用語があります。その中でもシーズンが終了した後に多く使われる用語が「自由契約」「戦力外通告」「退団」です。この3つの用語は似ているようで、少し意味が違います。この記事ではプロ野球の「自由契約」「戦力外通告」「退団」この3つの用語の違いについて解説します。
2024年にNPB(日本野球機構)が発表した結果よると、2023年に戦力外通告や引退など球団から退団した選手の平均年齢は27.1歳(2023年10月31日 時点)。そのような選手たちはその後、どのような人生を送っているのでしょうか?
そちらについても解説していきます。野球に詳しくない方でも分かりやすく説明しています。ぜひ、最後までご覧ください。
自由契約とは

自由契約とは、固定の球団と契約をしていない状態プロ野球選手のことです。戦力外通告を受けた選手は自由契約となります。プロ野球選手として再始動するために他球団からのオファーを待ったり、トライアウトを受けたりします。
トライアウトについては後ほど詳しく解説します。
戦力外通告とは

プロ野球選手が選手生命を絶たれてしまう可能性があるのが戦力外通告です。チームの戦略構想から加わることができないことを、該当選手に球団が通告します。良い結果を残せていない選手や、怪我など将来活躍する見込みがない選手が戦力外通告を受ける可能性が高いです。
事実上の解雇宣告
戦力外通告は社会人が会社から解雇を言い渡されるのと、ほぼ同じ。解雇を言い渡された社会人は別の会社に就職したり、他業種へ転職したりします。プロ野球選手も同じ。他球団へ移籍したり、野球とはかけ離れた業種へ転職したりします。
戦力外通告 時期
戦力外通告は通知期間がNPB(日本野球機構)のルールで決められています。
- 1次通告:10月1日からクライマックスシリーズ開幕の前日まで
- 2次通告:クライマックスシリーズの全日程が終了した翌日から日本シリーズが終了した翌日まで
退団とは

退団とは選手が特定の球団を退団することをいいます。戦力外通告を受けた選手は、球団を退団します。戦力外通告を受けた選手だけが退団するわけではありません。現役を引退する選手や他球団へ移籍する選手など、特定の球団を退く全ての選手のことを意味しています。
これらをまとめると「戦力外通告」を受けた選手が「自由契約」となります。「退団」は球団を退く全ての選手のことです。これらがこの3つの言葉の違いです。
球団を退団した選手のその後

戦力外通告を受けた選手や、引退した選手はその後どのようなキャリアを送っているかを紹介します。
育成再契約
戦力外通告を受けた選手は通告をした球団に育成契約を打診されることが多くあります。育成契約になると背番号は二桁から三桁になり一軍の試合に出場することはできません。二軍の試合で結果を残すことで、球団から評価され支配下登録される可能性もあります。
支配下登録は背番号が二桁になり、一軍の試合にも出場が可能。可能性は高くありませんが、選手として再始動できるチャンスが与えられます。
中日ドラゴンズの一軍コーチなどを務めた中村紀洋氏はオリックスから戦力外通告を受けました。その後、中日ドラゴンズに育成選手として入団。中日ドラゴンズに入団後、日本シリーズMVPを獲得するなど、育成入団から大成功しました!
トライアウト
トライアウトとは戦力外通告を受けた選手が、現役を続けるために各球団にアピールができる場のことをいいます。球団関係者が多く訪れ、戦力外通告を受けた選手の実力を確認。球団関係者から高評価を受けることが出来れば、プロ野球選手として活躍するチャンスを掴むことができます。
球団関係者への転職
球団を退団した選手は球団関係者への転職する道もあります。監督やコーチなどの指導者だけではなく、現役の選手を裏で支える裏方のスタッフとして働いている選手もいます。
野球解説者
プロ野球の解説者になる人は、ほんの一握りです。現役時代に世間からある程度の知名度があった選手や、好成績を残した人が野球解説者になるケースがほとんど。野球解説者から監督やコーチになる人もいます。
大谷翔平選手やダルビッシュ有投手の活躍により、アメリカ・メジャーリーグを経験した日本人も解説者として活躍している傾向にあります。
まとめ
いかがでしたか?プロ野球の「自由契約」「戦力外」「退団」の違いをお分かりいただけましたか?NPB(日本野球機構)によるとプロ野球選手になり引退するまでの平均期間は約9年。つまり、プロ野球選手になっても選手で活躍できる期間は10年も満たないということです。
だからこそ選手は長い期間一線で活躍できるように練習に日々励んでいます。この記事を読んで、今後のプロ野球に注目してみてください。最後までご覧いただきありがとうございました。